リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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2020年2月25日 PGI名古屋月例会

2020-02-26 15:26:58 | Weblog
今月の月例会は松井先生による歯内療法についての勉強会。
歯周組織病変についての診断と治療において
普段の臨床でよく見かける病変の急性化の理由や
それを回避するための治療手技について
きめ細やかな解説が行われていた。
今回はコロナウィルスの問題もあるなか
やたら参加者が多かったが、非常に皆の参考になるもので
来た甲斐があったのではと考える。

ちなみに、東京から当院に通院してる患者さんが昨日きてたのだが、
不要不急の外出を控えている影響からか、
昨日の朝は新幹線が空席がいっぱいあったとのこと。
普段の新幹線の混み具合から考えて、
普段は不要不急の外出がどんだけいっぱいあるのかと思ってしまう今日この頃。。。

マイブーム

2020-02-20 08:13:46 | Weblog
臨床治療において、最近の私のマイブームは
『便利なものに頼らない治療』

この1,2年 やたら大阪の実家に行く用事が多いため
そのたびに1970年代の歯科書籍をみているのだが
この時代の臨床家の技術というものに感動するばかりである。
今の時代と違い、便利な器材や器具が無い中、
とても繊細な手技で治療を行っておられる。まさに匠の技である。
例えば普段我々が行っている根管治療。今では当たり前のように
根管長測定器を用いて行っているが、この雑誌の当時なんて
そんなものは無い中、見事に治療をされている。
そこで繊細で鍛錬された手指感覚を磨くため、マイブームは
手指感覚だけで根尖アプローチをすることである。
これがどうして、いざやってみて、できるようになると
なんともいえない達成感がある。

近年は急速にデジタル化が掲げられ、デジタル治療が注目されている。
そんな歯科界の世相を冷ややかに見ている私は、
時代に逆行するようなことに凝っているが、物に頼らない技術をマスターすることが、
本来、医療を行う者の姿と信じてやまない。

温故知新、古きを知り それを理解し、敬い、その上で
時代の流れにのったものを知っていくことが、特に今の世代の者には
必要ではないだろうかと考える。後世のことを考えると尚更である。

歯科医師は職人でもある。そして我々は生体を扱う職人である。
この真意は分かる人しか分からないであろう… 

「高慢な文明が 謙虚な文化を壊す」 
(浅井慎平:ラジオからビートルズが流れていた の一節より)
歯科の世界がこうならないことを願うばかりである。

皆さんも時代に逆行したこと、やってみてください
私の真意が分かるはずです

矯正治療後の咬合

2020-02-10 14:18:47 | Weblog
先月から今月にかけていろいろやることが多く、しかも寒いし、
またすっかり更新するのを忘れていた。

今回は症例を提示する 24歳の女性、主訴は咬合違和感
1年前に全顎的な矯正治療が終了したが、その後
かみ合わせの違和感に悩まれていたとのこと。
一見綺麗な歯並びで咬合も問題なさそうにみえる口腔内である。

矯正治療後、この様なかみ合わせに関する悩みをもつ方は比較的多いと思う。
場合によっては顎関節症状を発症する人もいる。
矯正治療は歯並びをきれいにするだけではない。
咬合の機能的な運動も考慮しなければならないが
動的治療だけでこれを達成するにはやはり困難ではないだろうか。
矯正治療を行う場合、マルタイもしくはインターディプリナリーにおいて
機能的なゴールをどのように見据えて、どう対処を行うか、
充分に考慮しなければならないと思う。
単に歯並びをきれいにすることが矯正治療ではないことを
受ける側(患者)も理解する必要があるし、歯科もその覚悟をもって
行わなければならない。

提示している症例は、一見問題なさそうにみえるが
問題がある咬合所見であった。いづれ顎関節にも影響が出てくる可能性が
充分に考えられた。そのため当院でルーチンに行っている方法で
主訴である問題はその日に改善させた。
安定確認後、こまごました問題に対して処置を行った。
何を考えどう行ったかは術後の写真で想像してもらいたい。