リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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総義歯

2019-04-25 12:41:27 | Weblog
近年総義歯はいろいろな手法や理論が唱えられているが、
私の総義歯治療は大学卒後からずっと、大学時代に習った総義歯の
治療ステップを忠実に守って総義歯治療を行っているが、
これだけで充分総義歯治療は行えると私的には考える。
提示してる写真は4年前に治療した総義歯の患者が久しぶり(4年ぶり)に来院。
下顎の顎堤部が痛いとのことで、所見は左下7部顎堤に褥瘡がみられた。
このような場合、同部相当部の義歯床内面を削合するべきでない。
長年補綴物を使用していると咬合は必ず変化する。
そのため義歯の咬合調整だけで症状は治る。
この症例の場合、長い間メインテナンスに来られてなかったので
咬合がそこそこ変化を起こしており、義歯の吸着も悪くなっていたが
咬合調整後は吸着も回復し、顎堤の痛みも軽減したとのことであった。

義歯だけでなく、補綴全般にいえることだが、
経年的に咬合接触は必ず変化する。
たまに予後において咬合接触は変化なく安定していると
症例発表をしている先生がいるが、これはありえないことであり
言い換えればちゃんとメインテナンスを行っていないことを意味する。

医科歯科問わず治療というものは予後の経過を見ることで
いろいろなことが学べると思う。

勉強会と会食

2019-04-15 17:09:55 | Weblog
先週末は土日、インプラントの勉強会を手伝っていた。
笠井先生と鳥居先生によるインプラント外科と補綴について
非常にきめ細かい解説があった。
笠井先生は年々スライド構成が洗練されたものになっており
今回は補綴がIOSの話がメインとなっていたが、
よく考察された内容だったと考える。
鳥居先生の内容で個人的によかったものは
静脈内鎮静の利点欠点についての内容の中でも
静脈内鎮静の問題点についての話はピカ一の内容であった。
この内容は意外に知られていない、というか殆ど語られていることがない。
麻酔科医の視点でみた、重要なトピックスであろう。

同日程、東京の難波練久先生が名古屋で行われている学会に参加されているとのことで
その合間にごはんでもどう?っとお誘いをうけていた。
ゆえ日曜日、勉強会を中抜けして難波先生と昼食をとりながらいろいろなお話をすることができた。
普段あまり酒を飲まないため、結構酔ってしまったが…
難波先生は咬合、顎関節に造詣が深いので
私の親分とも是非交流をもって、仲良くなってもらいたい先生である。
難波先生からいただいたある学会の抄録集、
非常に興味深い内容が多く熟読させていただいた。

顎口腔機能の不調が主訴の症例

2019-04-12 07:39:56 | Weblog
先月中旬から今月上旬にかけて
顎機能障害による様々な主訴を訴える初診患者がやたら多い。
しかもほとんどの方が県外や一宮市外から…
でもってそのうちの2症例は歯科医院からの紹介患者…
口腔内を診査すると悩む理由がくみ取れる事例ばかりである。
この様な患者さんたちについていつも思うところは
病態に真剣に悩んでいる人達は、本当に治したいと思い
治してくれるという期待があると、歯科医院までの距離、場所なんて関係ないのだろう。
ゆえ、こちらサイドも十分な診療時間枠をとってあげて
心血注いでみてあげなければ失礼にあたる。
診療後や休日も撮った資料をまとめたり、治療計画をねったりする数が多いので
花見なんぞしてる余裕が結局ないまま桜は散ってしまった。
(少ない余暇をパチスロやってる理由もあるが…w)

さて、、
提示している症例はそのような症例群からの一症例だが、
この症例は開口障害と運動痛をずっともっていることを悩み続けていた症例である。
このような症例は非常に難しいと思われがちである。
しかし、診査した段階で、起こってしまっている症状といままでの状態について
私は患者さんに話すとすべて内容が合致していたので驚いておられたが、
口腔内所見やレントゲン、機能運動を観察したとき病態のメカニズムを把握していれば
病状の進行経緯を時間軸で診ることができ、症状の変化も見えてくるので
見えさえすれば何から始めてどうすればよいかは分かってくる。
病態に対する知識のなかで慎重な洞察力でみれば具体的な治療は行える。

西川洋二臨床(寿谷理論)で行うこの症例は、何をはじめに行い、どうアプローチしたかは
提示してしまうと生半可に真似されると困るため、あえて提示はしないが、
 (しっかり理解して処置しないとうまくいかないので、患者がかわいそうなため)
現在は40mm以上開口している状態で、運動痛も軽減傾向に向かっている。
治療後の写真は今後提示はするつもりである。

2019年3月31日 PGI

2019-04-01 08:50:02 | Weblog
先週末、相模大野で行われているPGI研修会にて
毎年私が親分から講演する機会をいただいているセッションで
受講されている先生方へ動的運動について解説をさせていただいた。

今回は例年よりさらにアップデートした内容とし、
動的機能運動を考慮したセットアップ模型や
補綴作成するためのワクシングモデルについての項目を
特に重点をおいてスライドを再編集しまとめあげた。
拝聴いただけた先生方からは好評をいただいたが
親分には満足いただけなかったことが私にとっては残念であった。
7月にまた同じ内容で、解説する機会をいただいているので
今度は与えられた課題についてもっと煮詰めてまとめ上げたい。

そして親分のスライドも年々内容が深くなってきているので
何度聞いてもやはり勉強になる。
進化が加速する親分の背中を追っているつもりが、
ついていくだけでも大変である。。。

今回も講演という形で、勉強する機会をいただいた
親分に感謝を申し上げたい。