今回の症例
当院初診時56歳女性。名古屋近郊の歯科医院からの紹介患者。
かみ合わせにずっと悩んで、全身にも影響が及び仕事まで休職している状態の症例とのこと。
紹介元の先生が2年程いろいろ考えながら処置したが、症状が一向に改善されないということで
当院へ原因究明と処置を依頼されてきた。
事前に主治医からいただいていた資料に目を通していたので
(主治医のところではスプリント治療を行っていたらしいが
まったく症状が変わらなかったとのこと)
受診時、私はまず私の考える内容を確かめる意味で慎重な問診により
確かに精神的に追い込まれている状況であったことが確認できた。
問診後、添付している患者の訴えも参考に口腔内を精査し、
咬合の問題と症状に関連がないことが否定できないことが推察された。
原因とそれによる結果に対して、最も疑われることに私は処置を行っていったが、
ここで重要なことは、患者の訴えている内容に対して
我々はある点に着目し注意を払わなければならない。
そのことに留意して咬合治療を行わなければ
この様な事例では、患者の症状をとることの達成は難しいであろう。
治療中6カ月ほどで患者は精神的に楽になったとのことで復職もされ、
暗い感じだった様相は、治療中期以降はいつも笑顔で来院され非常に明るくなっていた。
そして1年ちょっとの治療期間で、口腔内の問題と症状は改善することができた。
術前術後の写真を提示しているが、この症例は提示している写真では
どのような問題が主因であったかは推察することは無理である。なぜなら
この様な事例では、歯科のテクニック的な事柄よりも、ある重要なプロセスが必要である。
(治療計画をたてて、顎位の模索なるものを行って治療を始めても時間の無駄で意味がない)
どこかのタイミングにPGI名古屋の月例会で、上記の点もふまえ
この症例の全貌を説明することにしよう。