リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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年代物の咬合器

2021-03-29 08:06:36 | Weblog

先週末、大阪の親父の医院の整理を行っていた時
年代物の咬合器を見つけた。 GysiのSimplex咬合器 2機あった。
この咬合器のOUtypeは比較的現在でもよく見かけ使用されているが
今回見つけたこの年代物は、Simlexでも初期型のものであることは
すぐに分かり非常に驚いたのであるが、なぜ親父が持っていたのか分からない。
この咬合器について、オリジナルのものか自分では鑑定できないので
咬合器に造詣の深い先生にお尋ねしたところ
1914年型のGysiの原典の物を昭和10年(1935年)ごろから
(株)モリタが複製した日本製の代物であるとのこと。
しかしもう一台の咬合器にはモリタのマークがないため
それ以前のものらしく詳細は不明だが、かなりレアなものらしい。

現在多く見られるOUtypeの咬合器では
矢状顆路角は30° 側方顆路角は15°が固定され
矢状切歯路は0,10,20,30°と調整ができるもの である

初期型の特徴は
Gysiが計測した矢状顆路角は33°側方顆路角は17°が反映されたもので
Bonwill三角一辺10cm、Balkwill角22°、側方運動は軸学説に従った
回転中心を持つ運動を行う。
そして矢状切歯路板が10,25,40°の三種類にわけられている。
親父がもっていたものは矢状切歯路板は40°のものである。

非常にレアなものを見つけたため、
愛知に戻ってから早々に綺麗に汚れを落とした。

Simplex咬合器は平均値咬合器だが、
非常に優れた性能を持っているといわれ、
現在流通している多種の平均値咬合器の中でも、
この咬合器の性能を上回るものはないといわれている。
この咬合器、具体的に何がすごいか気になる方は調べてみてください。

 


野寺先生 東京から診療にくる

2021-03-22 12:37:50 | Weblog

今日は午前中 野寺先生がわざわざ東京から診療を行うためにお越しになられた。
愛知滞在2時間ほどで東京に戻られて行った。

私が顎関節・咬合治療、野寺先生が矯正治療を行っている患者さんが
去年1月から今年にかけてコロナの影響で中断に近い状況であった。
ようやく患者さんが通院できる状況になったが、愛知と東京を拠点としている方で
現在は愛知にいるため、矯正治療のペースを早めるために
今回、野寺先生は当院に処置に来られていたのである。
来月、患者さんは東京に戻られしばらく愛知に戻ってこないということなので
今度は私が東京に行って処置を行わないといけない。数回は行くことになる。

ちなみに皆さんならこのような場合、交通費などを患者さんや医院に請求しますか?
私も野寺先生も今まで一回も患者さんや先方医院に交通費ほしいといったことないし
一人の患者さんのためだけに遠方まで診療しにいくことをあまり面倒と思わない。
私も野寺先生も、自分が好きでやっていることだからそんなことどうでもよいという気持ちである。

医療の姿勢ってこういうことも大事だと思う


2021年3月16日 PGI名古屋3月月例会

2021-03-17 08:13:59 | Weblog

昨日の夜は当会のzoomによる月例勉強会が行われた。
今月は論文抄読検討会、テーマ提示のパネラーは前岡先生。
規格性のあるレントゲンをテーマに、事前に提示された論文を基に
いろいろ討論が行われた。
今回はメンバーからも資料を提出してもらう形でもあったため
多くの事例の供覧からも討論することができ
参加された先生はテーマについて見落としていた知見などを
再確認できるようになったと思う。
今回も時間オーバーとなったとても内容の濃い勉強会であった。

来月の月例会のテーマは総義歯治療
来月は私もパネラーの一人であるが、私からは
昨今ではほとんど考えられていない知見から総義歯治療について
お話をするつもりである。


2021年3月14日 顎機能障害の治療の勉強会 

2021-03-15 07:57:16 | Weblog

昨日は西宮の私の友人であるヒロくんの医院にて
顎機能障害の診査診断と治療について相互実習形式で勉強会を行った。

今回参加者の内、実に半数以上がいくつかのパターンの
機能障害をもっていたため、より実践的な実習となった。
私が各事例における見る観点と、それぞれの人の病態について指摘を行い
各人の症状をすべて事前に言い当てたことが、皆衝撃的だったようであるが
これは理論を理解した上で、しっかり実際の口腔内を観察する鍛錬をつめば
誰にでも分かるようになることである。
師匠・西川洋二流の機能障害の捉え方と臨床の実際を
参加者は目のあたりにして驚きながら非常に興味深く取り組んでおられた。

参加された先生方の臨床の今後 ご活躍に期待したい。


シーラントによる予防充填はやめておこう

2021-03-08 12:54:30 | Weblog

3月に入ってからすっかり更新するのを忘れていた。
今回はシーラントのお話でもしよう。

シーラント、いわゆる予防充填のことであるが、
小児期の歯の小窩裂溝部によく行うこの処置
実はあまり行わない方がよい。
齲蝕の予防的観点で行われる処置であるが、
この予防充填を行うことによって違う問題が起こってしまう。
この問題は2008年に師匠(西川洋二)から
この理由をお教えいただいたことであるが
当時の私はこの見解に驚かされたが、
当院では2008年以降、一切シーラント充填は行わず
予防充填を行わなければならないような事例は違う処置で対処している。
またこの点について、当院に来院されるシーラント充填の既往のある
いくつかの症例の口腔内を観察すると、やはり
師匠が指摘している問題が起こっているものが多かった。

このシーラントによる予防充填で起こる問題
ここでは明記はあえて述べませんが
疑問に思い調べてみても分からなく、
知りたいと思う先生がおられればメールください。