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私の日常臨床 Vol.66

2023-04-24 08:23:25 | Weblog

今回の症例は、慢性的なひどい偏頭痛に悩まされているという患者さん。
整形外科などの医科を受診するも症状がまったく改善されないため
歯科も一度受診することをすすめられたとのことで当院を受診された。
県外遠方からの来院で、しかも翌月から半年ほど出張で離島にいくとのことで
出張前にこの症状を少しでも緩解させたいと望んでおられた。

受診時、当院で行っている通法の診査により、歯科で対応するべき
病態であるかの鑑別診断を行ったところ、症状と徴候・所見が一致したため
歯科で対応しなければならない症状であることが分かった。
そのため、初診時に症状を取るための処置を行い、次回来院時
症状がとれていることが確認できたら、確定的な処置を行うことを話した。
2回目の来院時、患者さんは、歯科でこんなに早く悩みが解決されるとは
思っていなかったとのことで、症状が全くなくなったと嬉しそうに来院された。
いづれにせよ、原因を解決したのであとは再発しないように処置を行った。
カリエスも数本みられたが、緊急性は低いカリエスのため、患者さんには
出張から戻ったら、居住されている地域に親交のある先生がいたので
その先生に連絡しておくので治療を受けることをすすめ、
当院では2回の通院で重要な問題は解決しておいた。

さて、この様な症例、何が原因で症状が起こっていたかが問題である。
原因に対してどのような診査を行い、対処しなければならないか。
一見、難しいような症例であるが、実はそれほど難しく考えなくても、
理論通りに考え、処置すればよいだけである。
ただこの処置は、簡単な様で実は非常に繊細さが要求される。
顎生理機能を“正しく”理解していれば、
時間を浪費しないで効率よく診査と診断を行うことができる。

ちなみに私は、この症例、矯正治療はする必要はないと考える。

術前術後の写真でいろいろ考えてみてほしい。


2023年4月11日 PGI名古屋 月例会

2023-04-12 07:33:14 | Weblog

昨日は当会のzoom月例会
担当は中藤先生と葛島先生
今月のテーマは矯正歯科治療
前半の中藤先生からは、顎関節症に悩む骨格性3級の症例において
スプリント慮法後、矯正治療を行った事例に対して
動的治療中に殆どの先生が持つであろう悩みについて
明確に問題提起をあげておられた。

葛島先生からは残存する乳臼歯を抜歯、非抜歯するかの矯正について
2症例から考察を行い、その対応について比較検討を行った内容を提示されていた。
成人歯列において残存している乳歯があり、矯正治療を必要とする場合
抜歯するべきか皆がよく悩む事柄であるため、活発な討論が行われた。

両先生とも矯正専門医ということもあり
咬合も考えた丁寧な矯正治療を行われている印象であった。
考察も十分にされており、中々よい内容であったと考える。

ちなみに先月の月例会は鳥居先生からの論文検討会。
インプラント上部構造における
スクリューリテインかセメントリテインかについて
彼が独自に行った研究が非常に質が良かった。
是非論文にされることをすすめた。