リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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26年3月30日 PGIC研修会

2014-03-31 07:37:26 | Weblog
今月も相模大野で行われたPGI研修会のお手伝い。
今回の実習は顎関節部のPC上でのトレースと、アナログでのトレース。
けっこう受講された先生のお手伝いすることが多かった。

昨日は強風と雨がひどく、愛知に帰った時は
強風のためJR東海が大幅に遅れていたため帰りが少し遅くなってしまった。

いよいよ明日から消費税アップと保険点数改正が始まる。
その準備で今日はいろいろ慌ただしい。。。

ベーシックな処置をおろそかにしないで 2

2014-03-26 09:08:57 | Weblog
前回のこのタイトルの続編として当院の基本手技を紹介する。
日々の臨床において必ず行なっているCR充填、インレー、FCK、
Brなどの修復補綴物の調整。的確に行うことは実は簡単なようで難しい。
提示する事例は1本のインレーセット時の調整である。
臼歯部の修復処置は特に慎重に行わなければならない。
私が臨床で思うことは、コンタクトポイントのチェックを
フロスで行う歯科医が多いが、フロスでは正確なことは分からないと思う。
インレーやFCKを装着したあと、歯と歯の間に物がよく詰まるといった事や
詰めたあとに締め付けられた感があるといったことが起こる理由は
適切な歯間隣接面の調整が正確でないからだ。そのような状態で
咬合調整を行なっても適合精度に問題があるため何かしらの違和感が残る。
その違和感は数日たてばなくなる場合もあるが、これを皆は〝慣れ”という…。
この慣れということは何を意味し、他部位へのこの考えのもと治療が続くと
どうなっていくか、、、原因と理由が分からなければある病態が発症したとき
何をどう手をつけていいか分からない結果となるのである。

『保険診療における修復物のパッシブフィットには限界がある。』
という話をよく耳にするが、確かに材質的な問題によるその事実もあるが、
このことは術者による印象精度と調整手技によりかなりカバー出来ると思う。
ゆえ、一つ一つの処置を的確に行うことは基本中の基本である!

youtube投稿
  ↓
当院の2級インレー調整法

原因除去療法、対症療法にもなっていないよ…2

2014-03-14 08:07:39 | Weblog
前回の記事の続き。前記事にも述べたように
私はまず不定愁訴に対しての処置から始めた。
処置時、この日は勉強会のメンバーの先生が見学にきてたので
補助につかせ、この様な症例に対する考え方と
処置の実際を説明しながら行ったが、目の前で起こる
顎口腔機能の即時変化の結果に驚いていた。
処置後の口腔内写真を前回記事の写真と比較してもらいたい。
何がどう変わったか分かる先生には分かるはずである。

カリエスリスクが高い口腔内に対しての修復、補綴治療であったとしても
全体的なバランスを見ていかなければ原因除去治療のつもりで行なっていたとしても
対症療法にすらなっていない事実となってしまう。
また、このバランスを的確に整えることをせず、例えば部分的な欠損に
やれ骨造成などといったアカデミックなインプラント治療をしただの、
やれ審美的なマテリアルを使って綺麗に見せるといったことをしても
全く意味がない事実を忘れてはいけない。

全体的なバランス…この場合、単にきれいに歯列を整えるという意味でなく
顎口腔機能という観点からみたバランスである。
もしこの意味がよくわからないのであれば、自身で勉強してもらいたい。

ベーシックな処置をおろそかにしないで…

2014-03-07 12:04:37 | Weblog
まず提示する事例を見てもらいたい。非常に多く見かける事例である。
この歯の治療は1年くらい前に行なったものということであるが、
歯肉の状態からみても分かるように患者自身のハイジーンは非常によいことからもみて、
1年でこの様な状態になってしまうことは考えられない。 
In調整装着時、適合が悪いまま装着していることが分かる。
おそらく形成後の印象があまり正確でなく模型の辺縁ラインをテクニシャンが的確に
よみとれなかったことによるインレーの適合不良であるが、もとはといえば印象精度に
問題があったと考える。 しかしラボワークからいえば、修復物の面形態に関して、
咬合面金属の摩滅状態からみて機能的形態が付与されていないこともよみとれる。
せっかく治療しても意味がない。

患者は専門的なことが分からないし、自身の口腔内の細かい部分、ましてや奥歯の部分
なんかは見えにくいので分からないゆえ、歯科医師を信頼して治療を委ねているのである。
修復物と歯の境界部が引っかかった感じを自覚してても歯科医師が何も言わなかったり、
問題ないですよ、などと言ってしまえば患者は信用するしかない。。。

いくら忙しい診療の日々でも適合が悪いまま装着してしまうことはいかがなものだろうか…
毎日沢山くるそれぞれの患者の口腔内をとにかく削って詰めて、
どんどん患者をさばくというのが臨床歯科治療でいいのだろうか。。。 
日々の臨床治療において、根管治療、修復、充填、ペリオの初期治療等は
病態をしっかり理解観察すればいろいろな原因がみえてくる。
その中において一つ一つの処置を的確に行うことは基本中の基本である。

基本的な事を正確に行う姿勢がないまま、複雑な処置を行おうとしても
上手くできるわけがない。
当院には卒後2~3年目の歯科医師がよく見学に来られるが、私は若手の先生には
アカデミックな手技を見せるようなおこがましいことはするべきでないと考えてるゆえ、
とにかく基本の地味な作業をみてもらい、この基本作業をしっかり身につけることを
強くお願いしている。

今回の事例を通じてこのことを歯科医師と歯科技工士に伝えたい。
アシスタントにつく歯科衛生士もDrに気を使わずに適合不良がある場合、
患者のためにセットせずに再印象を提案するべきだ…。

原因除去療法、対症療法にもなっていないよ…

2014-03-03 12:27:06 | Weblog
保険診療における歯科治療、実際の臨床現場では
非常に多くの歯科医院が1歯づつ処置、最終補綴まで行い、
次の歯を同じ様に処置していくという流れで治療を進めている。
確かにカリエス除去や根管治療などを行なって修復・補綴治療を
行うことは原因除去療法であるが、口腔内全体で考えると
時にその治療は原因除去療法はおろか対症療法にもなっていない
治療となり、医原性疾患を引き起こす結果となりえることも
忘れてはならない。

症例を提示する。
他院で治療中であるが、半年近く通院治療する中、だんだん
肩こりがひどくなり、頭痛もよく起こるなど、体の調子がおかしく
なってきたとのこと。当院に通院中の家族の紹介により来院。
初診時に#17のRCTを行なったあと、口腔内を観察すると
患者のいう不定愁訴は起って当然である。
また、ガムを噛んでると顎や頭が痛くならない?って尋ねると
指摘された通りゆえ、この頃はガムを買っていないとのこと。
この言葉のやり取りの意味することは顎口腔機能がおかしくなっている
ことを意味する。
仮にこの状態のまま他の歯への修復、充填、補綴治療を勧めても
歯単体では治療してることになるが、今後処置後の歯にまで大きな
影響を及ぼす事実は避けられない。
この症例の場合、まず不定愁訴に対しての処置から始めなければ
ならない。
続きはまた今度