リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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私の日常臨床 Vol,65

2023-01-25 07:55:14 | Weblog

今回の症例は、初診時47歳男性 主訴は、左下奥歯のうずきや痛みがとれない。
かかりつけの医院ではずっと経過観察と抗生物質の服用を指示されていたとのこと。
また、3カ月ごとに口腔内清掃を行うメンテナンスを受けていたとのこと。

当院受診時、口腔内所見とレントゲン画像所見では、主訴部はエンドペリオの問題がみられ
他にも適合不良修復物・補綴物による2次カリエスや、左上5の縁下カリエスもみられた。
また咬合も安定していない所見がみられた。診査後、
当院で通法に行っている咬合位の改善を含めた処置と、左下主訴部の処置を最初に行い
縁下カリエスに対してもエクストルージョンを行うなど、
全て保険診療範囲の基本治療のみで治療を終えた。
現時点では、治療後1年しか経過していないが、口腔内は良好な経過を呈している。

本症例は、難治性の左下6の保存に努め、現状の歯列で咬合位を安定させた。
理想咬合とか予知性と称し、矯正治療を行う必要があると考える歯科医がいるかもしれない。
しかし私の考えでは必要ないと判断した。これには明確な理由がある。
臨床歯科治療に不可欠な考えなければならない事柄に対して、
私になりにこだわった症例の一つである。
術前(一部治療を始めた状態)・術後の写真を提示する。


2023年大学入学共通テスト

2023-01-19 08:07:43 | Weblog

今年もこの時期になると、私は新聞に掲載されている大学入試試験の問題に挑戦する。
でもって、例年同様、今年の数学、、とても難しい…、お手上げだ、、
日本史、世界史、生物、化学なんぞ、本当に学校の授業レベルなのか疑問でしょうがない。
どう見ても重箱の隅の隅をつついている問題じゃないのか?
国語が今年は例年より難しかった。正岡子規の小説かと思いきや、晩年の彼の境遇から
住居について西洋をからめた論考を問題にした形式だが、点取りやすいはずの最初の設問に、
この内容は高校生レベルじゃないだろう…、漢文も難解であった。
ただ今年の英語は比較的簡単であった。
共通1次テスト・センター試験時代の時の英語の試験問題の方が、
発音・文法の問題もあったため難易度が高いと考える。
そして共通テストの英語試験問題の傾向について、ふと気づいたことがある。
英語の問題形式全てが、英文さえよめれば、設問の内容は中学レベルの国語の様な感じである。
単語さえ十分に分かっていれば解答できる感じであった。
ただクマムシについて、あんだけ熱く英文で語らんでも…でもクマムシについて知識はついたw

しかし毎年思うのだが、これらの試験を平均8割9割とる受験生って本当にすごい。 
一体どんな勉強のやり方をすれば全教科満点近い解答ができるのか…

今回の私の結果、数学Ⅰ:4点(100点)、数学Ⅱ:見て放棄、 英語:72点(100点) 
        国語:58点(100点)、 物理:拒絶、 化学:見て放棄
        生物基礎:5点(50点) 日本史:46点(100点) 世界史:33点(100点)
今年もさんざんたる結果であった 国立大なんて夢の夢 というか理系科目がのび太君級である

ちなみに先週月曜日から急性の腰痛に悩まされ、現在もだが、、まともに歩くことも
ままならないため、休診日の日曜、水曜とどこにも出かけられなかったし
みっちり問題に向き合ったが、設問に向き合っている態勢が態勢だけに、
よけいに腰痛が起こるわ、考えすぎて頭が痛くなるわ、自分の無知さに腹が立ってくるわで、
全然自宅療養になっていないことに今更気づく。。。

ご参考までに、「試験問題に挑む」、これには集中力がいるので
仕事への集中力を鍛える意味もあり私はやっている。
尊敬する受験生にエールをおくりたい がんばれ!!


2023年1月10日 PGI名古屋月例会

2023-01-11 07:20:38 | Weblog

昨日は当会の本年度最初の月例会が行われた。
今回は私が担当し、「不思議な生体」というテーマで
臨床で同じような治療を行っても、不具合を訴えることがある歯科医ですら疑問に思う事例を列挙し、
不具合を訴える理由が、様々な要素がからんでいることについて。
反面、他覚的に見て不具合ありそうだが、本人にとっては不具合がない事例について。
これらの事例についていくつかの症例を提示し考察を行った。

内容的にかなりディスカッションが盛り上がったので
この月例会用に作成した90枚のスライドを作製した甲斐があった。

来月は三森先生、望月先生からの症例検討。


私の日常臨床 64

2023-01-02 08:46:51 | Weblog

新年あけましておめでとうございます
皆さまにとって今年もよい年となりますように祈念申し上げます。

新年最初の記事は症例を提示しよう
症例の患者は、矯正治療後の咬合違和感が主訴であった。
でも実際は、矯正専門医(野寺先生)が矯正治療後の最終的な処置を
当院で行ってほしいということで、矯正医から私に連絡があって
紹介されて来院された経緯がある。
矯正医(野寺先生)は患者がこの主訴を矯正治療後にもってしまうことを
事前に予測していたのである。
その予測を考慮した中で、ここまでの状態にした矯正治療は
とても質が高いと考える。改めて野寺先生の技術の高さに感服した。
今回は矯正医と一般歯科医が共通の認識があるので、この様な場合は
非常にスムーズに処置が進む。
当院で通法で行っている手技によって、主訴の即時改善を行い
1カ月ほどの経過観察をして、患者からは高い満足を得られたため
処置は終了した。
この処置、実は非常に繊細さが要求され、簡単な様で難しい。
多くのことを考慮した中での、ミニマムな処置を行う必要がある。
何をどうしたかは処置前処置後の写真で推察してほしい。

昨今ではマウスピース矯正もさかんに行われているが、
この症例もマウスピース矯正を行っていた事例である。
マウスピース矯正の治療後のトラブルで一番多いことは何か?
このことはマウスピース矯正でなくとも、通常のワイヤー矯正でも
同じことであるが、歯の動的治療を行うにあたって、
矯正医と一般歯科医が充分に理解しなければならない重要な点がある。
単に歯をきれいに並べるだけでは、何ら意味がない。
今回の様な事例は決して少なくない。
どのような点に着目して、何を考慮して、どう調整するか
多くの考えと確実な手技が必要であることを強調したい。