今回の症例は、初診時47歳男性 主訴は、左下奥歯のうずきや痛みがとれない。
かかりつけの医院ではずっと経過観察と抗生物質の服用を指示されていたとのこと。
また、3カ月ごとに口腔内清掃を行うメンテナンスを受けていたとのこと。
当院受診時、口腔内所見とレントゲン画像所見では、主訴部はエンドペリオの問題がみられ
他にも適合不良修復物・補綴物による2次カリエスや、左上5の縁下カリエスもみられた。
また咬合も安定していない所見がみられた。診査後、
当院で通法に行っている咬合位の改善を含めた処置と、左下主訴部の処置を最初に行い
縁下カリエスに対してもエクストルージョンを行うなど、
全て保険診療範囲の基本治療のみで治療を終えた。
現時点では、治療後1年しか経過していないが、口腔内は良好な経過を呈している。
本症例は、難治性の左下6の保存に努め、現状の歯列で咬合位を安定させた。
理想咬合とか予知性と称し、矯正治療を行う必要があると考える歯科医がいるかもしれない。
しかし私の考えでは必要ないと判断した。これには明確な理由がある。
臨床歯科治療に不可欠な考えなければならない事柄に対して、
私になりにこだわった症例の一つである。
術前(一部治療を始めた状態)・術後の写真を提示する。