史上最大の作戦

４月、カープは負け続けた。

丸が抜けて気落ちしたのか、打てない上に守備までボロボロ

あの名手、菊池でさえエラーの連発

その時思っていたのは

こんなチームなら今年は優勝する資格はない。

しかし、あのカープがこのまま終わるはずはない。

どこかで意地を見せ始めるはずだ。

と、信じていた。

去年、ケガで丸が抜けていた間もカープは勝ち続けていた。

大した痛手ではないはずである。

 

替わって５月、こいのぼりの季節

突如、快進撃を始めた。

最下位からあっという間に首位に立った。

終わってみれば球団新記録の月間２０勝

ちょっとやり過ぎではある。

 

この状態が続くとどうなるか？

カープファンはともかく、他チームのファンがシラケるのである。

面白くない。

観客が減る。

長期的に野球人口が減る危険さえある。

 

そこで中崎は考えた。

自分にできることは何か？

９回に見せ場を作るのである。

押さえに出てきて、毎回ランナーを溜める。

カープファンをハラハラさせ

相手チームには希望を与えて盛り上げる。

するとお客さんはどう思うか？

『やっぱり野球はおもしれ―なぁ』

と、こうなるのである。

結果、野球人気は衰えることがなく安泰なのである。

中崎ぐらいのクラスになると、そこまで考えてやっているのである。

決して『調子が悪いのか？』などと思ってはいけないのである。

そして結局は押さえ切る。（この前は失敗して追いつかれたが）

 

などと馬鹿な想像をしながら観戦するのも一興である。