朝から天気がめまぐるしく変わった。
昼ごろには雨になったかと思えば、1時ごろは突風と雨脚が速くなり、
それは、まるで宮沢賢治の「風の又三郎」の一説のようだった。
”外ではほんとうにひどく風が吹いて、林はまるでほえるよう、・・・・・・・
・・・・・・空では雲がけわしい灰色に光り、どんどんどんどん北のほうへ
吹きとばされていました。
遠くのほうの林はまるで海が荒れているように、
ごとんごとんと鳴ったりざっと聞こえたりするのでした。・・・・・・”
それでも、2時を回る頃には、早足で雨雲が去って青空が広がった。
風に振り回され、雨にはたたかれて、それまで咲き誇っていたバラの花は、
散々な状態でうなだれていたが、開き始めたばかりの花だけは、
なんとか時間とともに持ち直した。