さりげないひと時

さりげない風景の移ろいに自然の気配を感じたり。
静かに流れて来る音楽を聴きながら、コーヒーをのんびり愉しんだり。

星めぐりの歌にこめられたものは

2015-02-25 16:45:09 | Kさんへ

通院で3~4時間あまりの治療している間に、よく聴いていたデジタル

オーディオプレーヤーを思い出した。

Kさんが使っていた物を片付けることなく、そのままなので、すぐ見つ

かった。

 

無性に聴きたくなり、電源を入れたがすでに電池が切れていた。

1時間ほど充電し再生してみると、「星めぐりの歌」が流れてきた。

600曲余りの曲が入っている中で、この曲から始ったのは、Kさんが

聴いた最後の曲なのだろうと思うと、この歌にまつわる思い出が

かけ巡り、涙腺が熱くなるのを抑えることが出来なかった。

 

宮沢賢治が作詞作曲した「星めぐりの歌」は震災後にTVやラジオでよく

流れていたし、NHKの朝ドラマ「あまちゃん」でもたびたび登場し静かに

流れていた。

そんな折に、Kさんからデジタルオーディオプレーヤーに録音を頼まれて

インストールしたのだった。

震災後の翌年、Kさんから高倉健主演の「あなたへ」の映画を観たいと言

われ、近くの映画館に足を運んだ。

亡き妻の回想シーンに、妻役の田中裕子が「星めぐりの歌」を歌っていた。

劇中に予期せず「星めぐりの歌」を聴き、さらに印象深く記憶に残った曲に

なっていたのでしょう。

 

4年前の東日本大震災のあと、東北の温泉地が客が減少し、こまって

いるのを見て、Kさんから岩手、宮城、福島に宿泊してあげようと提案が

あり、震災発生から半年後の9月上旬に3県の温泉地を訪ねた。

 

時間が足りなく、宮沢賢治の記念館とその周辺を短時間で回っただけ

だったので、必ずもう一度ゆっくり行こうと決めていた。

 

昨年の3月、宮沢賢治のふるさとを訪ねようと花巻温泉を拠点にと宿

を予約したが、体調が悪化しキャンセルせざるをいなかった。

J体調が回復したら、JR釜石線のSL銀河にも乗り、柳田国男の「遠野物語」

の各地をもう一度訪ねようなどと楽しみにしていた。

 

Kさんは、ヘッドホーンで聴きながら「星めぐりの歌」をよく口ずさんでいた。

 

最後に聴ていた曲だと思うと、宮沢賢治のふるさとを、もう一度訪ねること

が叶わなかったことは無念で悔しい。

 

 

映画「あなたへ」 (43分頃から「星めぐりの歌」を歌っています) 

 

 

 

 

 


同じ曲なのに

2015-02-16 16:42:07 | Kさんへ

シヨスタコービッチのピアノ協奏曲2番第2楽章がFMラジオから

流れてきた。

 

ゆったりした気分の時に聴いていたこの曲が、それとはまったく

別の響きになり、心が落ち着くどころか、悲しみが心の底からこみ

上げて、その感情を抑えることが出来なくなった。

 

人は、その時の境遇や心理が作用し、同じ曲がまるで違ったものに

なってしまう。

 

 

 


泣きたくなる

2015-02-12 21:15:53 | Kさんへ

あっという間の1ヶ月でした。

 

Kさんと呼べば返事が帰ってくるような錯覚にとらわれる時があります。

 

ひょっとしたことで、無性に逢いたくなるのです。

 

さまざまな想いがかけ巡り、こみ上げてきてどうしようもなくなります。

 

そんなときは、思いっきり泣くことにしています。

 

 


逢いたい

2015-02-09 10:12:50 | Kさんへ

25年以上も前の記憶ですが、Kさんと車で何処かに向かっていたとき、
カーラジオから流れていた歌を思い出した。
それは永六輔のTBS土曜ワイドラジオの中で流れていた曲でした。

曲の紹介で、あなたがいま、いちばん逢いたい人はだれですかと、問い
かけから生まれた曲だと記憶しています
曲名は「逢いたい」でした。
「逢いたい」「逢いたい」「逢いたい」・・・・・・だけの歌詞を繰り
返すだけの、とても“せつない”歌であったとことが印象に残っていました。


視聴者から寄せられた、逢いたい人への思いを込めた手紙を特集して紹介
していました。
いろいろな事情から遠く離れている人への思い、中でも多くの人がいちばん
逢いたいと手紙を寄せていたのは、亡くなった人に逢いたいの思いでした。

この曲を検索して見つけました。
今この曲を聴くと、寄せられた手紙の内容は忘れてしまったが、投稿してい

た人たちの思いが、今とてもよく分かります。

人によって逢いたい人は違うかもし知れないが、逢いたくても逢えない、
今は亡き愛する人に逢いたい。
そんな、せつなさがこみ上げてくる曲です。

Kさんに「逢いたい」「逢いたい」「逢いたい」・・・・・・。