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DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

金子みすゞ(1903-1930)「草原」:詩人は「うつくしいお花」になりたい 

2017-01-30 08:00:40 | 日記
 草原

露の草原
はだしでゆけば、
足があおあお染まるよな。
草のにおいもうつるよな。

草になるまで
あるいてゆけば、
私のかおはうつくしい、
お花になって、咲くだろう。

《感想1》
 前半は、現実の話。露の草原を裸足で行けば、草の緑の液で、足が少し緑色になる。また草の匂いがうつる。
 今は普段、靴を履くので、裸足で草原を歩いたら、足にケガをする。しかし、詩人の時代には子供は、おそらく裸足で遊んでいたから大丈夫だったろう。
《感想2》
 後半は想像世界。草原を歩くうち、草の緑色が足から、やがて私の全身にうつり、匂いもうつり、私は草になる。
 美しい花が咲く草に、自分がなったら、自分にも花が咲いて、自分の顔は、おそらく美しい花に相当する。
《感想3》
 しかし、自分が、地味で目立たない花しか咲かない草になったら、自分の顔も、地味で目立たない。
 オオバコの花は、地味で目立たない。
 メヒシバは、イネ科の雑草で、花はゴミのよう。ただし、よく見れば、かわいくもある。
《感想4》
 詩人は地味で目立たない花になりたいと思わない。「うつくしいお花」に詩人はなりたいのだ。

 A GRASS FIELD

A grass field is full of drops of dew. I walk there with bare feet all the way.
My feet become really green, and come to have the scent of grass.
If I continue to walk until I become a grass, my face becomes a beautifull flower in full bloom.
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