DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

金子みすゞ(1903-30)「木」:暗い状況の中で、詩人は、幸福だけを素直に考える!悲しい詩だ!

2019-05-05 23:12:02 | 日記
 「木」 A tree

小鳥は A little bird is
小枝のてっぺんに、 on the top of a small branch.
子供は A child is
木かげの鞦韆(ブランコ)に、 on a swing under the tree.
小ちゃな葉っぱは A small leave is
芽のなかに。 in a bud.

あの木は、 The tree,
あの木は、 the tree seems to be
うれしかろ。 pleased.

《感想1》木のてっぺんに小鳥が止まっている。木かげのブランコに子供が乗っている。芽の中に小ちゃな葉っぱが宿っている。木はうれしいだろう。そう詩人は歌う。
《感想2》詩人は素直だ。自分を慕う小鳥の存在、自分が助力できる子供の存在、自分のうちに宿る次の生命の存在、これらを詩人は素直に肯定する。
《感想2-2》だが自分を慕う者が、誰もいなくなるかもしれない。今は、その不安を詩人は語らない。
《感想2-3》自分は無力で、誰をも助力できず、見殺しにするかもしれない。詩人は、今はそれを語らない。
《感想2-4》自分の次の生命に不幸な未来しかないなら、祝福できない。だが詩人は、それを語らない。
《感想3》暗い状況の中で、詩人は、幸福だけを素直に考える。悲しい詩だ。
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