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映画『はらはらなのか。』(2017、日本)監督・酒井麻衣:「虚構」は、「嘘」でも「夢」でもあり、かつグラデーション的に「現実」である!

2022-04-24 19:21:04 | 日記
(1)子役から女優へのステップアップをめざす中1の女の子・原ナノカ。ナノカは「物語(劇)の中に入りたい」と思う。だが美少女で芸歴も長いのに、ナノカはオーディションに受からず焦りを感じていた。
(2)そんなある日、「亡き母親・原マリカが出演していた舞台が再演される」と知ったナノカは、オーディションに挑み主役の座を勝ち取る。
(3)劇団「Z-Lion」の演出家・粟島は、ナノカが偶然知り合った喫茶店主リナをよく知っていた。リナはかつて「Z-Lion」の女優だった。
(4)中学校で、原ナノカ(中1)は歌手をめざす生徒会長リン(中2)と知り合いになる。
(5)ナノカは、劇団員たちの望みを知り、喫茶店主リナに、劇団「Z-Lion」にもどってくれるよう頼む。
(6)他方でナノカは芝居(劇)をするのは「嘘をつくこと」にすぎないのではないかと思い悩むようになる。観客を「騙している」だけなのではないかと芝居(劇)の意義を疑う。
(7)喫茶店主リナが芝居(劇)は、現実の世界では実現できない「夢」を観客に見させ、だからおカネをとってもよいのだと言われ、ナノカは納得する。ナノカは主役として、芝居(劇)で一生懸命演じるにいたる。

《配役》◎原ナノカ/ 妄想ナノカ(原菜乃華):現実の自分と、妄想によるもう1人の自分がいる。◎リナ(松井玲奈):喫茶店の店主。元「Z-Lion」劇団員。◎リン(吉田凜音):中学校の生徒会長。歌手志望。◎粟島(アワシマ)(粟島瑞丸):劇団「Z-Lion」の演出家。◎原マリカ(松本まりか):ナノカの母。故人。劇団「Z-Lion」の看板女優だった。◎原直人(川瀬陽太):ナノカの父。◎オオヤギ(水橋研二):カメラマン。ナノカに芸術のためだから「下着の見える写真」を撮ろうと言い拒否される。◎劇団「Z-Lion」団員:ミッチー(道化の化粧)(micci the mistake)、モモ(もも)等。

《感想1》「芝居(劇)が、現実世界にとってどんな意義があるか?」という問いに、原ナノカは悩む。「人は、なぜ『虚構』(フィクション)を制作するのか」という問題だ。
《感想2》「虚構」(フィクション)も「現実」も、そもそも「言葉」で叙述される。「言葉」は「集合」(類型)を示し多くの「要素」を含む。つまり「現実」にぴったりの「言葉」(「集合」or類型)はない。かくて「言葉」で叙述される限りでは、「現実」も一種の「虚構」だ。
《感想2-2》「虚構」(フィクション)も「現実」も、そもそも「言葉」で叙述される限り、どちらも「虚構」かつ「現実」だ。「虚構」と「現実」はグラデーション的に連続している。
《感想2-3》「虚構」は、「言葉」で描かれる限り(そして「言葉」で描かれるしかないが)、「嘘」でも「夢」でもあり、かつグラデーション的に「現実」である。




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