魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

自然派だからって許される?

2011年07月28日 | ワイン ~2019年
そうそう、お中元ですよ。

お中元の時期なんです。

関東あたりではもう終わっているのでしょうが、長崎ではお盆は8月。


お中元ギフトには、美味しいワインを送られてみてはいかがでしょうか?
案外喜ばれますよ~!(ホントに案外良いんです)




って宣伝をすると、本日の告知は終わってしまいます。


それだけじゃいかんやろっ・・・ってことで、





今日はこれ。ちょっと過激にいきます。







2009 マリニー・ヌフ ピノ・ノワール “キュヴェV”
  (仏、ロワール、ピノ種、赤、千円程度)


輸入元の処分で激安で入荷。本来なら1700円くらい?
しかも入ってきたのは2本だけ。なんなんでしょう。
販売も出来ませんよね。


香りはフランボワーズ、イチゴ、軽いベリー、古本、体育館などの安っぽい、
品のなさを感じます。


味わいも当然軽くて、余韻は短くて安ワインです。

裏ラベルに「ロワール自然派ワイン」なんて文字が読めますが、
これが書いてなかったら千円以下のしろものです。

ピノ・ノワールのワインは比較的高いし、しかもフランス産、ロワール地区
で古城があってロマンティック、しかも「自然派」となると脳内ではちょっと
価格もプラスに作用するかもしれません。


しかし、味わいは厳然たる数百円程度のペラペラで、品があるわけでも、
たいそうなものでもありません。これが1700円で売ってあれば失望するでしょう。
ましてや自然派の名を掲げて売ってあれば、「自然派」たる良識を疑います。


もちろん自然派でもとても美味しいワインもたくさんありますからそれは良い
ですし、否定もしません。
でも自然派の名前を表に出さずに販売している造り手の方が遥かにものが良い
ですね。


はっきり言いましょう。

自然派をあえて名乗って、それでコストパフォーマンスの悪いワインは最悪です。
箸にも棒にも止まらないワインです。セールスポイントがないのですからねぇ。


私の価値観では

美味しいワイン>>>果てしない壁>>>自然派を名乗ったワイン


です。決して自然派ありきで、その中から美味しいワインを探そうなんて思い
ません。

美味しいワインの中から、たまたまそれが自然派であったら、それはそれでいい。
って感じです。もちろんいわゆる自然派でなくても、名乗っていなくてもいいん
です。(厳密には自然派の定義自体を論じることになるかもしれませんね。実は
歪んでいると思います)



私がお客様にお伝えすることは、ワインの美味しさ、素晴らしさであって、自然
派かどうかなんてどうでもいいんです。方法論ですからそれは微塵も思いません。




さて、2本あったこのワイン、1本は飲みましたが、もう1本はほぼ原価にて値札を
つけておりましたところ、私が居ないうちにある方が買われたようです。

もしもこれをお読みならご理解、ご了承の上、静かにお楽しみいただけることを
願うばかりでございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする