King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『ブレイブメス1990』読了

2016年06月15日 13時03分39秒 | 読書
たまたま立ち寄った古本屋でみつけた海堂尊の
『ブレイブメス1990』を購入読了しました。

チームバチスタなど映像化された作品も多く、一時は
ブームにもなった本でしたが、最近はこのシリーズもの
も随分ご無沙汰でした。

それにしてもこの本の題名の1990とはずいぶん古い本なのかと
手に取るのをためらわせる題名です。

バブルの絶頂であり、あまり思い出したくない時代である
あの時代が舞台なのかということで今手に取る本ではない
気がしたのです。

そもそも実際の世の中において心臓の動脈手術は何が最善で
最新の手技なのか気にかかります。

天皇陛下の手術は天野教授による静脈移植だったはずという
記憶がずっと気にかかります。

というのはこの本の中ではバチスタ手術という画期的手技が
最新であるが追試が待たれる状態でそれに代わる天城雪彦の
動脈換置術だというのです。

なぜこの手術が優れているかというと静脈バイパス移植だと
また何年かすると動脈が流れが悪くなるという予後の成績が
問題になったということです。

つまり、天皇陛下が受けた手術は万全ではなかったのかということです。

それだけでなく身近な心臓の手術をした人がみな数年後に
なくなっているという事実がそれに重なります。

そしてこの本の年代が二十年以上昔であり、本の中でも心臓手術の
技術も10年で進歩を果たすということから今は何が最新手術なのか
が気になったのです。

プロフェショナル仕事の流儀でも紹介された天皇陛下の手術をした
医師は数々のテレビ番組に登場しその手術のすご技が紹介されました。
それが静脈バイパス術です。

その予後が良くないとは本当なのでしょうか。

それともそれは克服されたのでしょうか。

なんかそんな疑問が残る小説でした。

彼の小説の特徴として芝居がかった登場人物と作者にだけ見えていいる
場面の映像があるようでチームバチスタというような聞きなれない言葉で
ひきつけて登場人物にドラマ展開を促すも願ったような動きを見せない
という例の方が強く、物語の盛り上がりが足りないような物足りなさと
がっかりな感じが付きまとうところもあり、この作家に付き合って
作品群を読み継ぐべきかどうか悩むところです。

別に医療と政治に一大改革をもたらす意見やシステムを持っている
わけでも暴きたいスキャンダルや正たい倫理問題が絡んでいるので
もないのです。

つまりこの先付き合ってもいいことないかなと思うところがこの膨大な
作品群に投資する価値を測ってしまうのです。

本というのは求められることが意外と多いのだと今更思うのでした。

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