King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

Pay It Forward

2006年04月09日 01時48分12秒 | 日々のこと
7日の深夜にこの映画が放映されました。
公開当時、なにかと比べて結局これは見なかった映画です。
A.Iなんかをやっていたときではないでしょうか。
そして、どうしてこんな深夜にこんな映画をやっていたのか
たまたまビデオにとっておきました。

そして、見て少し解った気がしました。
深夜枠だと、字幕でちゃんとエンドロールまで流すことが
可能だから、あえてゴールデンの時間にはやらずに深夜に
やったんだなあと。
まあそんなテレビ局にもエールを送ります。
久々にテレビで見た映画で涙が出ました。
とってもすばらしい。
最近はちょっといい話もこんな作り方をしないとみせられない
そんな映画です。

最初、まったくストーリーもどんな展開かも知らずにみていて
途中からああ、あの映画かと思い出したのでした。
かなり宣伝していましたからね。
でも最初、立てこもりの犯人が、警察を振り切って逃亡を図り、
それを取材していた記者の車をぶっ潰してくるまで逃走。
その前のオープンニングにケビンスペーシーの名が出て、事件の
映像で交渉人を呼べとかいう声が入り、ああ刑事か交渉人の
役でケビンスペイシーがでるのか、と思っていると車の中から出て
きたのは、警察無線を傍受していた記者で、犯人は逃走して
つぶされた車を見て途方にくれる記者に犬を連れた男に、新車の
ジャガーをプレゼントされる。というなんとも謎に満ちたオープンニング
です。

そして、次に出てくるのが中学生とその先生。出てくる人々が
皆過酷な人生を背負っている。ケビンスペーシーの先生は、
顔がやけどのケロイド状が残り、右耳も変形している。
その中学には金属探知機が設置され、それでも不良がナイフを
持ち込んでいる。平気で最初の授業から遅刻する生徒もいる。
そんな学校に通うトレーバーマッキニーが主人公の生徒で、
シックスセンスのハーレージョエルオズモントです。彼の周りは
薬におぼれるホームレスやアル中の母親ととにかくろくなものがない
のです。そんな過酷な人生を歩む少年が求めたものと、その結末
は大体どうなるか読めるのですが、次にこうなってこうなるだろうと
解っても最後のシーンの予測がついても涙はあふれて止まりません
でした。

考えてみれば、キューバ危機からベトナム戦争とアメリカのたどって
来た歴史を見れば、自由主義経済の拡大を推し進め、その恩恵に
多くの国と多くの人達が浴したと思われていますが、実は今以上に
世界各地で紛争を経て武器や金で自分よりの政権を立てさせたり
とにかく力で民主主義と自由主義経済を広めてきました。多くの人が
それにより、戦争や近代化の波に飲み込まれてきました。様々な
軋轢が世界を襲い、また新たな争いの種をまいています。その元凶
の国が、このようなしれっとした映画を作っていいのかと思います。
宇宙で戦争が起きているとか、地球に隕石が落ちてきてそれを救うとか
そんな映画ばかりだったのが、こういう現実につらい環境にある人に
人間は弱いから、変えられないんだと挑まれたらどうしますか。

明日から少し変えてやろうと思いますか。
少なくとも自分から求めなくては、何も変えられないという切ない
サブメッセージがこの映画にはあり、これも痛烈に心にしみます。
アメリカというのは広大で、町は人工的で多くのホームレスや
バス停には子供を襲うホモやアル中や暴力を振るう男たちや
そんな病巣を平気でみせてしまうすごさがあります。昔は豊かな
国として、誰もがあこがれましたが、ただあるのは貧富の差だけ
のように最近は感じます。一握りのスーパーリッチの影に多くの
貧困層がおり、常に競争にさらされ負ければホームレスか
薬中やアル中になるしかないそんな国に感じます。

日本も今までの繁栄を捨てて、アメリカと同じ格差社会になり
つつあります。様々な社会保険料や税金で弱者のための
補償制度を作り、一般の人々は負担と転落が待っている
そんな社会です。今まで犯罪も少なく、安定した仕事と
そこそこの社会負担で、生涯設計ができていましたが、人口
減社会と格差社会でこれからアメリカ的な問題多き社会に
なり、余計この映画の持つ意味が大きいと感じました。

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