King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

生活のリアリティ

2013年10月03日 16時25分49秒 | 珈琲
珈琲豆に必要なものは新鮮さであると月ごとに
季節のブレンドを創造してきました。

高田渡の生活の柄という歌が実はある人の詩に
曲を乗っけたものだったと知ったのは最近のことでした。

この薄の伸びる野に寝る放浪の身にはきつくなってきた季節感が
溢れています。

歌自体はもっさりした感じで詩的感じはしませんが、体に沁みる
秋風とやがて来る冬の感じがひしひしとでています。

生活の柄も何も普段から季節など気にしなくなった現代人に
もう一度日々夜空を眺めたり、月の変化を知り、香り花の変化を
感じてもらいたいそんな実感を持って生きるリアリティを珈琲の
香りの中にも込めたいと思います。

今月のブレンドとした『月映え』は何か面白くないと昨日あたり
たくさん注文があったのに飲んでいて不満が募りました。

そしてブラッシュアップをして新ブレンドができました。

同じ名前で売り続けてもよかったのですが、この味が許しませんでした。

水急不流月

この禅語の今時に茶室にかかることばにぴったりなイメージ
でした。

『不流月』としました。

かつて酒とたばこのにおいがするとか悪臭がするとまで言われた
私の大好きなチャイコフスキーのバイオリン協奏曲のあの
カデンツァから満を持してオーケストラが奏でる力強いメロディの
波。

これは全ての嫌な気分と厭世観を流し去ってくれます。

水急げとも月流されず。

まさにそんな感じの味のブレンドができました。

日々何かと忙しい現代人がふと忘れているものも揺るぎのない
急流に浮いた月のようなものがあなたの心にもあるはず。

『月映え』があってこそブラッシュアップした『不流月』。

その味をお楽しみください。

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