プカプカプク日記 ~Life is Trip~

週末の食べ歩きや国内・海外旅行記など
お出かけ日記を中心に気ままにお届けいたします 
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『曲亭の家』西條奈加

2023-09-10 | プクニの本棚
『曲亭の家』西條奈加/角川春樹事務所(2021/4)

直木賞受賞後第一作
渾身の書き下ろし長篇。
小さな幸せが暮らしの糧になる。

当代一の人気作家・曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路。
作家の深い業にふり回されながらも己の道を切り開いていく。

横暴な舅(しゅうと)、
病持ち・癇癪(かんしゃく)持ちの夫と姑(しゅうとめ)……
修羅の家で見つけたお路の幸せとは?
「似たような日々の中に、小さな楽しみを見つける、それが大事です。
今日は煮物がよくできたとか、今年は柿の木がたんと実をつけたとか……。
そうそう、お幸(さち)が今日、初めて笑ったのですよ」(本文より)



引き続き西條奈加さんの本3冊目、読了。
「八犬伝」を執筆した馬琴の息子で医者の宗伯に嫁いだお路。
癇癪持ちの馬琴にその上をいく宗伯に面倒な義母お百。
何人もすぐ辞める女中、と大変な家に嫁いだお路の奮闘記。
終盤は「八犬伝」の口述筆記を失明した馬琴より託され手伝い、
晩年には版元より請われて「仮名読八犬伝」を執筆した。
なんと逞しい女性でした。
私もこんな家に嫁いだら女中よろしく一日ももたないだろうなと。
置かれた環境の中で逞しく生きたお路。
気難しい馬琴に仕えたお路がいたからこそ
「八犬伝」も最後まで仕上がったのですね。

読み応えのある一冊でした。


そうそ、今の朝ドラ『らんまん』の寿恵子も「八犬伝」に嵌ってましたね。
江戸から明治に掛けての子供に大人気だった「八犬伝」。
全98巻106冊に及ぶ超大作が仕上がったのはお路の功績も大きい。

『らんまん』の浜辺美波ちゃんが演じる妻・寿恵子。
仲居として働く料亭で漫談師の如く「八犬伝」の名場面を披露。
見応えがあった場面でした。

牧野博士にしたって、
歴史に名を残す偉人の影には、
それを支える家人(女性)がいたからこそなのですよね~
朝ドラでは「スエコザサ」と名付けるシーンがラストでしょうか







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