虹色雑談

気ままにダラダラと書き綴るブログ

懐かしのアニメを語る

2015-07-03 19:21:00 | アニメ・コミック・ゲーム
 皆さんは「出撃!マシンロボレスキュー」というアニメをご存じでしょうか。2003年1月8日から翌年1月3日までテレビ東京の水曜夕方6時枠で放映されていたロボットアニメです。マシンロボ自体は、バンダイが80年代に販売展開していた変形合体玩具が元祖であり、80年代には葦プロダクション製作の「マシンロボ クロノスの逆襲」「マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ」が放映されています、しかしマシンロボレスキュー(以下MRR)は、それらとは繋がりを持たない新作キッズ向けアニメとしてサンライズが製作していました。事実僕は昭和期のマシンロボを見たことはありませんが、十分に楽しむことが出来ました。

 本作はキャラ部分をデジタルセル、マシンロボ部分はCGで描かれています。この傾向は2001年に放映された「電脳冒険記ウェブダイバー」(製作は別会社)が先駆でしたが、そちらはまだ手探り感が強く、肝心のロボCGがチープに見えてしまう感が否めませんでした(それでも玩具コンセプトを見事活かしていました)。僅か2年弱でCGのロボが活き活きと動き、違和感なく溶け込むまでになっただけに、当時のデジタルアニメ技術の凄さを感じたものです。
 物語を簡単に説明すると、才能を持った子供に就職権があるという近未来世界観で、10代前半の少年少女たちがマシンロボという意志を持ったビークル変形ロボとパートナーを組んで災害に立ち向かうMRRの戦いを描いています。その災害救助を妨害する謎の組織デザスターの送り込む敵ロボと毎回戦いつつ、災害救助も描くという濃厚で充実したエピソードがフォーマットとなっており、毎回見応えある話が見られました。少年らの持った才能の中で特に目立ったのは、主人公・大空太陽のサバイバルナチュラルという才、災害や事故等で苦しむ人々の命の叫びを聞くと、髪が逆立つ演出が入り、当時マガジンで連載中の「ゴッドハンド輝」を思い浮かべてしまった方が多いと思います。他にも消防の天才や空間認識能力等、他者に負けず劣らずの能力を持った子供たちがいますが、それらに慢心せず日々の努力を物語の中で描いています(太陽は一時自身の能力に慢心したこと、仲間の努力がそれを追い抜いたことをロボたちに指摘され、努力の大切さを学ぶというエピソードがあります)。
 この作品で注目すべきは、少年と意志を持ったロボの交流、十数名の少年少女が力を合わせて困難に立ち向かうという2つの設定基盤。これを聞いてピンと来た人は多くいると思います。そう、前者は勇者シリーズ、後者はエルドランシリーズのフォーマットとして使われた設定です(ことにエルドランシリーズは本作の時間枠でかつて放映されていた)。まさに両シリーズのハイブリッドとも言うべき作品で、当時見ていた子供だけでなく、かつての2シリーズを見て育った世代からの人気も本作を大きく支えていました。ロボの合体形式はコアロボを中心に4体のサポートロボが四肢になるという形式に統一(エクス合体)されていますが、むしろこれを描くことで状況に応じての代替合体も劇中行うという、21世紀のスーパー戦隊が取り入れ始めた武装換装合体の可能性を別方向に追求したと言えます。エピソードは少年、少女たちがメインになることから、教育的にも優れた秀作揃いです。先述した太陽の才を仲間の努力が追い抜いたことからの、努力の大切さに気づく話等、子供向けでありながらも、というより、子供に向けて作っていることに重きを置いての話作りで、社会に必要な考え方を嫌みなく丁寧に描いているのが印象的でした。その面ではまさにキッズアニメの王道を見事描いたと言えます。

 あれから10年強、エルドランシリーズがBD-BOX化されている中、その流れの1つを汲む本作もBD化されてくれることを切に願っています。エルドランシリーズや勇者シリーズ同様、MRRも現代の子供たちに見て貰いたい一作なのです。


1 コメント

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Unknown (Unknown)
2015-08-09 18:38:38
ぼく、当時そのアニメを見たことあります。
JAM Project(現在「ヴァンガードG」のOPテーマを歌っています)が歌う主題歌はかっこいいし、ハイパー合体も往年のトランスフォーマーシリーズのスクランブル合体(ゴライオン方式)を思わせますし、さらにキャスト方面についても、ジェイ役にはスイプリの正宗役の声優さん、どれもこれもすばらしい出来映えの作品でしたよ。
でもぼく、父親の仕事の都合で放送されない地域に引っ越してしまって、それ以来本放送は最後まで見れませんでしたが。
翌年の正月にはスペシャル番組もやって、そこで玩具オリジナルの新シリーズ「ムゲンバイン」の紹介・宣伝もありました。このシリーズは10年後、つまり今から2年前まで色々展開されまくっていましたね。いつの間にやら食玩になってしまっていましたけど。
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