虹色雑談

気ままにダラダラと書き綴るブログ

プリキュアキャラソンを振り返る その4

2012-07-15 22:40:56 | プリキュア

 ついに登場した、スマイルプリキュア・プリンセスフォーム!!その圧倒的パワーで皇帝ピエーロも復活早々倒されました。しかしなんかトゲトゲしたコアみたいなのは残っていたみたいなので、残り半年はさらに完全な肉体を手に入れるため、そしてジョーカーが探しているらしき「ミラクルジュエル」について、焦点が決められそうですね。

 さて、今回はプリキュアキャラソンを振り返る記事第四弾として、シリーズ転換期となった4年目「Yes!プリキュア5」のキャラソン群をピックアップしていきます。メンバーが2人から5人になったこと等、あらゆる点でシリーズに新たな要素を取り込みました。そういえば前作までキャラ名をほぼ呼び捨てにしていた僕ですが、このシリーズから、「のぞみちゃん」とか「こまちさん」とか呼ぶようになりました。OP主題歌は工藤真由さん、ED主題歌は宮本佳那子さん。どちらも今回初参加で、本作で本人役でゲスト声優出演、その後工藤さんは「スイートプリキュア♪」でフェアリートーン8体全てを演じ、宮本さんはその後様々なアニメで声優経験を積み、現在は同じ東映アニメーション制作の「探検ドリランド」でミコト姫を演じるなど、2人とも歌手活動のみにとどまらず、役者としても活動の幅を拡げています。五條さんとうちやえさんも、今回はデュエット曲1本(他の曲のコーラスもいくつか担当)ですが参加しています。メイン5人の声優さんも10年以上演技経験のある方やまだ浅い方など、バラエティ豊かなメンツが揃い、各種キャラソンを魅力的なものにしてくれました。さらに、5人を支援する妖精・ココとナッツはイケメンな人間態も持ち、彼らもまた、キャラソンを担当してくれました。では4年目のキャラソンを振り返りたいと思います。なお、紹介順は5周年記念ボーカルアルバムBOXの収録順に準じます。

☆「メタモルフォーゼ~青春乙女LOVE&DREAM~」(歌:ぷりきゅあ5)
 うららちゃんのシングル「とびっきり!勇気の扉」のカップリングが初出、ボーカルアルバムでは最初に登場するキャラソンで、ユニット名にもなっている通り、プリキュア5のメンバーが唄っています。5人の簡単な紹介も兼ねた歌詞構成で、途中にそれぞれの弱い面、それに負けない強い面を見せ、最初に名乗り上げ、最後にそれぞれの必殺技のかけ声を盛り込み、「見てみて見てね!」でしめる、短く形式的な歌詞でありながら、プリキュア5のことがわかる明快な歌となっています。各コーラスの導入部の音色を、キャラのイメージに合わせ、微妙に変えているのもポイントです。
☆「もん!太陽ドリーム」(歌:夢原のぞみ)
 明るくハキハキした、のぞみちゃん(CV:三瓶由布子)のキャラソンです。唄い方もまさにのぞみちゃんそのもの。「元気がないよ?どうしたの?」と声をかけて、「ドリームマシン」=車をテーマに、心の余裕を持たせる=メンテナンスを勧めるという、聞き手を元気づける歌詞構成になっているのが秀逸です。2番の「ねじがひとつあまってる」って、のぞみちゃん、そりゃメンテミスだよ(笑)!?その分は君が補ってくれるんだよね?そんなドジもしでかすのぞみちゃんも、恋に憧れる少女。「いつか恋をするんだもん!」「ファーストキスはマシュマロの味」とか、思わず、可愛いなぁ…と思ってしまう歌詞も聞きどころです(まぁ、マシュマロではなく、チョコの味だったかも知れません)。
☆「リバーシブル」(歌:夏木りん)
 りんちゃん(CV:竹内順子)のキャラソンです。「幼なじみのボケとツッコミ」であるのぞみちゃんとりんちゃんの関係性をテーマにしており、ある意味チーム内に元からいた「ふたり」の片方ですね。しっかり者とうっかり者という正反対な性格のふたり。ドジで世話がかかるけどほっとけない、いつも自分が助けているけれど、実は「朝日みたいな」のぞみちゃんの笑顔に、自分も助けられている。2人は助け、助けられの「リバーシブル」な関係ということを唄っています。だから「ホントに頼りにしてる、ホンキでぶつかりあえる、自慢の友達」と各コーラスラストの歌詞にある、のぞみちゃんに対する思いがとてもりんちゃんらしさが出ていて素晴らしいです。
☆「しあわせかたち」(歌:コージ)
 ココの人間態・コージ(CV:草尾 毅)のキャラソンです。初出はボーカルアルバムとは別に発売された、2人のキャラクター&ボーカルアルバム1「ココ&ナッツ~ふたりの王子~」です。優しげでありながらパワーのある曲調が特徴的で、少しずつ変わっていく世界、どんな小さく些細なことでも、伝えられるなら、信じ合えるなら「しあわせ」なこと、しあわせは何気なく過ごしている日々の中にあるんだということを唄った秀逸な歌詞になっており、のぞみちゃんたちに守られながらも、彼女たちを教え導く立場でもあるココらしい歌と言えます。
☆「永遠につながる時」(歌:夏)
 ナッツの人間態・夏(CV:入野自由)のキャラソングです。これも初出はココ&ナッツのボーカルアルバムです。優しい音色から始まり、その唄い方も静かで優しげです。自分が王国を滅ぼすきっかけを作ってしまった責任を感じ、その重荷を背負いながらも、プリキュアに出会ったことで、後悔して立ち止まっているだけでは何も変わらない、だから前に進み、「もっと大きな存在になろうと決めた」決意の歌です。ココとは違うスタンスでのぞみちゃんたちを教え導くナッツ、彼女たちの支えになるために歩いていくことを決めた彼は立派です。
☆「とびっきり!勇気の扉(ドア)」(歌:春日野うらら)
 お待たせしました。我らがアイドル・春日野うらら(CV:伊瀬茉莉也)のキャラソンです。ボーカルアルバム1が発売されるより前、彼女の歌が本編で初披露されてまもなく、シングルデビューという名目で発売されました。ジャケットが殺人的な可愛さです。バックコーラスはのぞみちゃんたち4人が担当していますが、ボーカルアルバム1にはバックコーラスを五條さんとうちやえさんが担当した「アルバムバージョン」があります(こちらの方がうららちゃんの声がより聞きやすいです)。「はじける」プリキュアであるキュアレモネード。「はじける」がどういう意味なのか、レモネード誕生の本編でも話題になってますが、この歌でそれが「勇気」だということがわかります。曲調はシンセをきかせたポップスになっており、1人では怖いけど、「仲間たちが背中おしてくれる」から進めるという、うららちゃんのみんなに対する信頼を、みんながいるから自分は勇気を持って進めるんだということを唄っています。
☆「グリーン・ノート」(歌:秋元こまち)
 こまちさん(CV:永野 愛)のキャラソンです。「安らぎ」を司るプリキュアなだけあって、優しいメロディラインを持っている曲で、歌詞にも「やすらぎ」「癒やし」を取り入れ、それでいて「冒険」「インク」「ハッピー・エンディング」など、彼女の持ち味の一つである「小説」を連想させる言葉も含めています。「最初から悪い人はいないハズよ」「その怒り、簡単にぶつけないで」という、おっとりしていて実はどっしりした肝も持ち合わせたこまちさんらしい慈愛の心も聞く者に伝える歌詞表現が実に素晴らしいの一言に尽きます。心が疲れた時に聞くとその清涼剤となる、まさに聞いていて癒やされる逸曲です。
☆「Heavenly Blue」(歌:水無月かれん)
 かれんさん(CV:前田 愛)のキャラソンです。軽快なドラムと、アクセントとして用いられるバイオリンの音色、そしてその透き通る歌声が、こまちさんの「グリーン・ノート」とは違う癒やしのラインを持っています。プリキュアになるまでは、こまちさん以外に信頼出来る仲間が少なかったために、心に余裕がなく、「いつも『幸せ?』って問いかけていた」かれんさんが、ずっと欲しかった「よりかかれる肩」、それがプリキュアになったことで得ることが出来た、それをテーマにした歌になっています。本当の自分をさらけ出せるきっかけを与えてくれたのぞみちゃん、こまちさん同様明確な目標を持つが故に年下でありながら凄いと思えるうららちゃん、そして色々と正反対故にぶつかることも多いけど、だからこそ強い信頼を徐々に築いていったりんちゃん等、親友のこまちさん以外にも「よりかかれる肩」がこんなにもあった。初期のかれんさんのように、心に余裕がなくなった時は、この歌を聞いて思い出してみましょう。自分にもよりかかれる肩がきっとあることを…。
☆「星の冠」(歌:コージ、夏)
 ココとナッツのデュエット曲です。王国を失った2人が、のぞみちゃんたちに出会ったことで、王国を取り戻したいという「モノクロの夢は色を取り戻した」、「閉じ込めていたハズの笑顔はほどけた」という、5人への「愛と勇気」の感謝を込めたバラード調の歌です。「いつか僕たちが夢のきらめきにふさわしくなれた時」、星の冠でその身を飾り、その道を示してくれた5人の仲間に感謝する、そんな思いが取ることが出来る、「出会えたことに意味がある」という、テーマを集約した歌詞が秀逸な曲です。
☆「オッケー・バトン」(歌:夢原のぞみ)
 ボーカルアルバム2(~VOCAL EXPLOSION!~)に収録されている、のぞみちゃんの2番目のキャラソンです。ボーカルアルバム2ではかれんさんから遡る形で収録されており(うららちゃんだけはりんちゃんより後)、この歌はかなり後ろの方に収録されていましたが、5周年記念ボーカルアルバムBOXでは真っ先に収録されています。唄い方も「もん!~」と同じようにのぞみちゃんを意識しており、耳に残るのは各コーラスラストやバックコーラスにも多様されている「パッ・パ・パ・パヤッ!」というフレーズです。「1人1人の力」をバトンで結んでいくことで「哀しみも消える」、だから「あなたの力がいるよ」と仲間にバトンで伝えていく、まさにプリキュア5のリーダーであるのぞみちゃんの、仲間への信頼をテーマに唄った曲です。
☆「CREAM」(歌:コージ)
 ココの2番目のキャラソンです。初出はココとナッツのボーカルアルバム2「先生と店長」。やはりココの優しさを前面に押した曲調になっていて、歌詞内容から、のぞみちゃんとの信頼を越えた関係が読み取れます。のぞみちゃんから希望を貰ったココ、ココから目指す夢を貰ったのぞみちゃん、2人の絆はシリーズの中でも特にはっきりしていて、その根底は互いの優しさにあります。その優しさを「クリーム」に例えて、ちょっとしたラブソング風に仕立て上げているのがニクイ作りです(笑)。
☆「情熱」(歌:夏木りん)
 りんちゃんの2番目のキャラソンです。キュアルージュの属性である「情熱」をそのまま曲名に持ってきた歌で、りんちゃんの熱いハートが伝わる曲調、歌詞構成になっているので、りんちゃんの純粋なキャラソンとしては「リバーシブル」以上に味が強いので、人気のある曲です。「ファイヤー」「火の玉」「花火」など、熱さを連想させる言葉を積極的に歌詞に盛り込んでおり、聞いていて思わずハートに火が付く歌です。2番の「努力をナメるな!」は努力家であるりんちゃんの性格を体現している歌詞で、唄い方にも一際力が入っています。
☆「夢見る女の子」(歌:春日野うらら)
 うららちゃんの2番目のキャラソンです。みんなと出会う前から「女優になる」という、「1人でも目指してく夢があった」うららちゃん、そんな彼女が仲間と出会ったことで、「歌手」というジャンルにチャレンジする決意を固めました。その後も、心が折れそうな時もみんなの気持ちが背中を押してくれることで、乗り越えていける。チーム結成の際、唯一誰とも接点を持たなかったうららちゃんが、「私だけのためならば、こんなには頑張れない」「私だけの夢じゃない」と、仲間たちとの絆と力に支えられ、新しい自分に生まれ変わっていくという歌詞構成がこれまた秀逸です。「とびっきり!~」同様、仲間が背中を押してくれることを共通テーマにしつつ、あちらは前に進んでいく「勇気」を、こちらはみんなと叶える「夢」をメインテーマにしています。
☆「信頼」(歌:秋元こまち)
 こまちさんの2番目のキャラソンです。「グリーン・ノート」以上に優しい癒やしのメロディラインを持ち、こまちさんファンの中では特に人気の高い逸曲です。曲名にもなっている「信頼」は、昔から信頼しあっている親友のかれんさんに向けてでしょうか。それとも夢を持つ者同士として強い信頼を結んだうららちゃんに向けてでしょうか。「いつもいつでも、見ているよ、あなたというきらめく力」という部分を始め、心にグッときてしまう歌詞構成が言葉で表しきれないほど秀逸な曲で、実はうららちゃんの曲以上にこの曲を聞いています。言葉で表現しきれない魅力を秘めたこの曲の素晴らしさは、実際に聞いてみないとわかりません。
☆「jewel」(歌:夏)
 ナッツの2番目のキャラソンで、ココ&ナッツのボーカルアルバム2が初出です。少しトロピカルな曲調が特徴的で、王国一の読み手である彼らしい「読みかけの本を閉じて散歩に出かけよう」という歌い出し、みんなと出会って少し心に余裕が出来たのか、「ほどけた靴紐を結んでいる君を待ってる」という、何気ない散歩のワンシーンが想像出来ます。「曇りのない瞳はjewel」という歌詞の前にある「君はふと眼をあげる」という歌詞、これらのことから、この「君」というのはこまちさんですね。2人で散歩しながら、物語のこと、王国のことでも語り合っているのでしょうか。王国の「鍵」を持っているナッツのことを、こまちさんが綴る話が本編にあるので、歌詞に入れられている「鍵」という単語がとても大きく感じます。
☆「きっと大丈夫」(歌:水無月かれん)
 かれんさんの2番目のキャラソンで、かれんさんの透き通る歌声がとても印象的な歌です。「ハードルが高くて手が届かない」、そんな困難に当たっても、諦めないで「ピンチたちをくぐり抜ける」、「本気ならば扉は開く」と、かれんさんが応援してくれる歌詞構成になっています。さすがかれんさん、チームの中で一番大人びているだけあって、「あなたなら出来る、きっと大丈夫」と皆を元気づける器の持ち主です。「Heavenly Blue」は、かれんさんがよりかかれる肩をくれたみんなに感謝を込める歌だったのに対して、こちらはその感謝として、困難を乗り越えるみんなを励ますという歌になっていて、まるで組曲のような関係です。
☆「タイムマシン」(歌:コージ、夏)
 ココとナッツのデュエット曲の第二弾。各コーラスの導入部にある「昨日をやりなおせるなら」「人の未来にナビゲーターがついたら」という例えの歌詞、そうなれば確かに素敵かも知れません。しかし本当にそれが正しいのか。それをテーマにした歌です。昨日の失敗があったから今の自分があるのに、それを消していいのか、未来が見えずに色々迷うからこそ色々学べるのに、それを回避してしまっていいのか、だからもし昨日に戻れるなら、空耳のように「元気を出せと伝えたい」、「未来(予定)地図が読めるとしても」明日の絵を塗り替える。誰もが一度は考える、タイムマシンがあったらまず真っ先に連想する理想に疑問を投げかけ、本当に正しい使い方はこうではないかと言う歌詞構成が秀逸な曲です。そのテーマの全てが、リピートサビ最後の部分「未来(それは)過去と今があるから」に集約されるのもニクイ演出です。
☆「1,2,シュート!~Five Explosion~」(歌:夢原のぞみ&ぷりきゅあ5)
 のぞみちゃんをメインボーカルにした、5人全員による歌です。初めて全員手を繋ぎ、その絆を確かなものとして、新たな力・ファイブエクスプロージョンを手にした5人、その絆をテーマにした歌です。「つないだ手の温かさを絶対忘れないよ」という歌詞だけでもグッときてしまいます。「私たちが繋がる時、出来ないことはない」、1人では無理かも知れないことでも、5人の絆と力を合わせた時なら出来るという、チームプレイを主軸にしたプリキュア5のテーマをそのまま歌にした、実に素晴らしい逸曲です。

 以上、4年目「Yes!プリキュア5」のキャラソンも駆け足ながら振り返ってみました。メンバーが増えたことで、キャラソンの数もバリエーションも大きく増えました。それぞれの個性を強調した歌が多いのが4年目の特徴ですね。次回はこの続編である5年目「Yes!プリキュア5 GoGo!」のキャラソンを振り返ろうと思います。

 我がサイトはプリキュアシリーズを応援しています。


なのは映画第二弾

2012-07-14 22:54:01 | リリカルなのは、DOG DAYS

 2004年10月に始まったアニメ「魔法少女リリカルなのは」。詳しいシリーズ誕生経緯は、「リリカルなのは、DOG DAYS」カテゴリーで検索、2006年7月2日の記事「リリカルなのはの魅力」に記しているので、そちらを参照して頂くとして、3度のTVアニメ化、その後を描いた2種類の漫画シリーズ、ゲームなどの発売、「なのは残酷地獄」の異名も持つコミケのなのはブースの人気ぶり等、プリキュアと同じ年に誕生し、現在も続く超人気シリーズが「リリカルなのは」です。
 そして2010年1月には、最初のTVシリーズを完全新規作画により描いた「NANOHAThe MOVIE 1st」が公開されました。TVシリーズ13話分を上映時間2時間10分に収めるため、カット出来る部分はカット、さらにTVシリーズで足りなかった部分を補うなどのアレンジを加えながらも、本筋は原典であるTVシリーズをなぞっています(但しTVでは主になのはちゃんの主観で描かれていたものが、映画ではフェイトちゃんの主観で描かれており、リニスも登場していました)。
 あれから2年、2012年7月14日本日、TVシリーズ第二弾「魔法少女リリカルなのはA's」を原典にした「NANOHA the MOVIE 2nd A's」が公開されました。上映時間は前回よりさらに長い2時間40分!!「A's」は新キャラとして八神はやてと4人の守護騎士が登場、アクションシーンにより磨きがかかるなど、シリーズ中でも人気が高く、後にPSPゲームの盤石にもなっています。ここから先はネタバレも含むので、まだ見ていない方は読まないで下さい。

 はやてちゃんが闇の書(本来の名は夜天の魔導書)のマスターとなる導入部はTV版と同じ。しかしその後少しがTV版と異なっています。前回の事件の裁判等の諸問題を片付けたフェイトちゃんがなのはちゃんと再会するシーンは、TV版だとなのはちゃんがヴィータのファーストストライクを受けた後になっていますが、今回はヴィータと接触する前に2人の感動の再会、そしてフェイトちゃんの転入などが描かれてました。リンディ提督の地球滞在も、TV版だと闇の書事件捜索のための拠点としてで、フェイトちゃんの移住、転入などはそれに準ずるものになってましたが、今回は保護観察の責任者として、フェイトちゃんの地球への移住の付き添い、彼女が地球の風俗、習慣になじむまでの長期休暇という形になっています。この大きなアレンジは、フェイトちゃんの身の回りの出来事は、言ってみれば前回の延長線上のこと。辛い思いをしてきたフェイトちゃんが徐々に幸せの階段を昇っているんだということを、映画の早い段階で片付けたかったのでしょう。その理由は、今回の映画の主軸が「八神はやてとその家族に該当する者たち」であるため、八神家の物語をきちんと描く上で、前回の映画の主軸だったなのフェイ2人の友情を早めに切り上げ、テーマを八神家一点に集約させる方法を選んだのだと思います。以前闇の書事件で命を落としたクロノくんのお父さんのことも、ほんの僅かに説明する程度で済ませ、TV版ではやてちゃんに秘密で援助をしていたグレアム提督とリーゼ姉妹の登場を今回完全に切ったのも、八神家が映画の完全な主軸として機能したことに一役かっています。なのはシリーズは、シリーズが進むごとにキャラ数が増えていく特徴がありますが、それ故に細かい描写が出来ないキャラも多いのです。ましてや闇の書はグレアム提督にとっても、クロノくんたちハラウオン家にとっても忌むべきもの、尺の限られている映画に投入すれば、グレアム、ハラウオン、八神の御三家を巻き込んだ大騒動になる(それ以上に話がややこしくなる)可能性もあったため、グレアム提督らの登場を見送り、ハラウオン家の亡き家族のことを深く掘り下げることを避け、敢えて全ての問題を八神家単体で済ませる形にするという、前回以上に大幅なアレンジであるものの、これは上手いアレンジだと思いました。現に中盤以降は八神家がメインとなって物語が動いていました。
 終盤シーンであるはやてちゃんとリインフォースの別れのシーン、これはTV本編でもあった涙なしには見られない代物。しかし今回はもう一段用意されていました。事件後、なのはちゃんとフェイトちゃんが、はやてちゃんの家に行くシーンがあり、2人に「泣きたい時は泣いていい」「今ははやてちゃんが守りたいあの4人は(管理局に事情聴取のため)いないから」と言われ、なのはちゃんの胸で、大きな声で泣き出すはやてちゃんのシーン。リインを失った悲しみを抑え込む必要なんてないんだ、と2人に諭されて、今まで溜め込んでいたものを一気に出すかのように泣き崩れるはやてちゃんの姿にもう涙腺決壊です…。このアレンジはあざといぐらいに上手いです!!TV版にはなかったこの一連のシーン、実はコミカライズされています。その逆輸入をしてくるとは、考えもしなかったです。
 ラストシーンは二年後(TV版では六年後でした)、新たに作られたリインII(後に我々がよく認知している方の小型サイズ)が、これまでの出来事を蒼天の書を読みながら語っていた(実は導入部にも、語り手が話し始めるかのように、登場していました)シーンがありました。主人公であるなのはちゃん、前回の映画で主観キャラとして活躍したフェイトちゃんは今回物語を影から支えつつ、最たる主軸をはやてちゃんとリイン、そして騎士4人の絆に持ってきたことで、テーマ性を分散させることなく、「大切な人との絆」一本に的を絞った上手いアレンジをかけた映画だったと言えるでしょう。何度か見て、はやてちゃん視点、リイン視点、4騎士視点で映画を見てみると、また違った発見があるかも知れません。

 さてさて、TVシリーズ第三弾は「魔法少女リリカルなのはStrikerS」ですが、あれを映画にするにはキャラが多すぎます。なので今後なのは映画を公開する際は、我々が映像で知り得なかった物語をやってもらいたいです。例としてはスバルとティアナの2人に的を絞り、2人の訓練生時代の話を描くとか、あるいは漫画シリーズとして展開しているヴィヴィオ主役の「なのはVivid」、トーマ主役の「なのはForce」の映画化もいいかも知れません。

 しかし劇場グッズ、もの凄い行列なだけでなく、予想していた通りヴィータののろいうさぎのマスコット、ぬいぐるみ共に完売していました。せめてどんなものだったかサンプル品だけでも見たかったです。

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