虹色雑談

気ままにダラダラと書き綴るブログ

刃物事件多発!!そのとばっちり

2007-09-29 10:59:28 | アニメ・コミック・ゲーム

 絶望した!!とばっちりだらけの世の中に絶望した!!(爆)。いきなりすいません。でも最近どうにも黙っていられないことが起きたので・・・。
 皆さんも知っての通り、16歳の少女が斧で父親を殺害するという事件が京都で起きました。またも青少年による犯罪、何とも痛ましい事件です。しかし問題はこれだけにとどまりませんでした。何とこの影響を受け、「スクールデイズ」の最終話の放送を中止するという事態が各テレビ局で起きたのです。このことはYahooトピックスにも載ったほどで、ネットでの大騒ぎは凄まじいです。「スクールデイズ」は先日、夏の新番組の項目でも記したように、進め方によっては想像を絶するバッドエンドで有名な恋愛ゲームが原作のアニメ。その中で3種類のバッドエンドは、「誠と世界の眼前で言葉(ことのは)が飛び降り自殺」「世界が誠を包丁で刺し殺す」「言葉が世界をノコギリで斬り殺す」という内容で、刃物が絡むのは後者2つです。僕はウミショーの方を見ているのでスクールデイズは最初の方しか見ておらず、後々DVDで視聴しようと思っていましたが、各地のレビューを見る限り、「世界が誠を包丁で刺し殺す」ラストが濃厚だと推測しました。しかし、その事件直後ということで「女子高生が刃物を凶器に・・・」というのが引っかかったらしく、幹事局であるTVKを始め、各テレビ局で最終話の放送を中止しました。その後、AT-Xでは放送されたそうですが、各地のレビューを読む限り、正直事件の影響云々言う前に、本当にこの内容をテレビでやろうとしたのかと思いたくなるくらい壮絶な最終話だったようです。一部では「原作を超えた!!」と騒がれているくらいです。あまりに想像を絶する内容なので、興味のある方は検索してみましょう。
 影響を受けたのは「スクールデイズ」だけでなく「ひぐらしのなく頃に解」も引っかかり、現在東海テレビとKBS京都で、皆殺し編其の七と八の放送を中止しています。今のところ中止を食らったのはこの二局だけですが、果たしてTVKは今後大丈夫なのか心配です。まぁ、事件後に放送された「アイドルマスターXENOGLOSSIA」第25話では、大勢の幼女(量産型リファ)が斧で兵士たちを次々に惨殺するシーンがあるにも関わらず放送されていますが・・・。しかし影響を受けているのはアニメのみならず、スクウェア・エニックスより刊行されているコミック版「ひぐらしのなく頃に」の販促用として配布されるハズだった鉈型しおりが配布中止になるなど、恐ろしい影響が出始めています。本当にTVKでの放送継続に激しく黄色信号が灯っています。しかもこれにさらに追い打ちをかけるがのごとく、今度は長野県で中3男子が斧で父親の頭を殴る事件が発生、そして香川県では鉈で同級生を殴り倒す事件まで!!何とコピーキャットまで現れたのです。絶望した!!模倣だらけの世の中に絶望した!!本当に赤信号が灯ったらどうしましょう・・・。いよいよ梨花ちゃま最後の戦いとなる祭囃し編が放送されるというのに・・・。


海賊版にご用心

2007-09-23 22:21:10 | ブログ

 まずは近況から。実は去る9月3日、左足を負傷しました。しかも仕事場で。捻った時はどうせいつもの軽い捻挫だろうと思っていましたが、念のため医者に行ったら少々重い捻挫の模様、翌日報告したら報告遅延や不安全行動などを厳重注意されました。大騒ぎに発展しそうになりましたが、何とか会社の任意労災で済むよう穏便に解決しました。かれこれ3週間になりますが、まだ多少痛むもののとりあえず普通に歩ける程度まで回復しました。そんなわけで今日は幕張メッセで開催された東京ゲームショーに行って、来月発売の「ギャラクシーエンジェルⅡ無限回廊の鍵」の体験版をプレイしてきました。キャラの立ち絵がかなん先生監修なだけあって、大幅に進化していました。これは発売が楽しみです。

 さて本日のお題は、古くから問題視されている「海賊版」についてです。9月18日のニュースで、「ケロロ軍曹」などのアニメの海賊版DVDをYahooオークションなどで売りさばいた男が、著作権法違反他の罪で書類送検されたとありました。動機は「生活費を稼ぐため」だそうですが、当然許されることではありません。CD、DVD、ゲームディスク、一昔前ならばビデオやレコードなどもありましたが、この手の海賊版は著作権法を無視した非合法の商品です。
 それぞれのメディアには、「個人的な範囲を超える使用目的で複製すること」を禁止しています。例えば、レンタル店や友人から借りてきたCDやビデオ、DVDなどを、個人的に楽しむためにダビングする程度ならば問題ではありません。しかし、そのダビングした代物を、他人に有償で譲渡したりレンタルした場合は犯罪になります。海賊版が出回ったのは今に始まった話ではなく、かなり昔から横行しています。その歴史は、個人で音楽を楽しむために複製したものを仲間同士で交換し合っていたことが起源で、1969年にアメリカで出回った複製レコードが売買されたのが最初の海賊版と言われています。実は最近調べた中で、ここ20数年前のことでとんでもないことがわかりました。それはレンタルビデオ黎明期の話です。
 レンタルビデオが世に出回ったのは、家庭用ビデオデッキが普及し始めた1983年前後です。その頃は今の用に安い価格で1週間レンタルなんてものはなく、最大で千円も払って翌日返却というシステムだったそうです(それを考えると現在はかなり格安に進化しましたね)。その中で、レンタルされている商品は各ビデオ会社からレンタル用に発売されたものばかりではなく、本来のレンタル用テープをそっくりそのままコピーしたテープで取りそろえる店もあったそうです(しかもそれらは、タイトルをビデオの背ラベルに殴り書いたものが棚に陳列しているという、自分たちは違法をやってるとモロに言ってるような店もあったらしいです)。何とも恐ろしい商売が横行していたのでしょう。これだけでもとんでもないのに、さらに恐ろしいのが多くのレンタル店で、ビデオレンタルのみならずダビング作業を営業項目に入れていたということ。今でもよく写真屋とかで、「ビデオダビングXXX円」というのを見かけますが、それがなんとビデオレンタル店で堂々と行われていたそうです。今じゃ絶対あり得ないですね。しかしこの頃はビデオソフトが1本辺り1万円前後という超高額の時代だったわけで、見たい時に金をかけず見たいという心理が人々の間にあったのでしょう。
 時代が進むに連れ、記録メディアも進化し、その複製方法もハイテク化してきています。しかし、先にも言ったように、複製しても個人的に楽しむ程度なら問題はありません。それらを有償で貸したり、売ったりした場合が犯罪になるのです。故にダビングなどを行う者は、常にそれを自覚し、ダビングしたものが流出しないよう責任を持ってきっちり管理しなくてはなりません。

 さて、上記までは記録媒体における海賊版についてを簡単に記したわけですが、さらに問題となっているのが、最近TVでも話題になった、中国のパチモン遊園地問題です。ディズニーのキャラクターっぽいパチモン、ドラえもんやキティのパチモンが横行している国営遊園地。国内外問わず、大々的に報道されていました。しかも園長は「うちのキャラは童話のキャラをモチーフして作った」「ディズニーのキャラは使っていない」などと強気の態度、誰の目に見てもディズニーキャラの模倣だというのは明らかなのに、この自信たっぷりのセリフはどこからくるのでしょう。事実国内外で大々的に報道された翌日、昨日まで園内を闊歩していたパチモンキャラは一人もいなくなっていますし、報道を受け調査されることを恐れたとしか思えません。しかもこれで終わったわけではなく、今度はウルトラマンのパチモンが横行しました。タイのみならず中国でもパチモンを作られたウルトラマン、つくづく円谷プロは自社キャラの管理がずさんに思えます。ちゃんと管理出来ていればあちこちでパチモンが作られることもないでしょうに・・・。まぁ愚痴はともかく、本来水面下で行われるハズの海賊版が公然と行われるとは、世も末としか言いようがありません。

 もはや海賊版は我々の水面下のみならず、目に見えるところにも横行するようになっています。勿論、これらが金が絡んで横行することは犯罪なので、皆さんも自分の周囲に十分注意を払い、そうした海賊版を見つけたら、すぐに警察に届けましょう。

 なんか慣れないこと書いたらつまらない文章になってしまいましたね。次回は別の面白い話題を探します。


もうすぐ発売、GA2第二弾

2007-09-16 23:56:23 | ギャラクシーエンジェル

 昨年6月に発売された「ギャラクシーエンジェルⅡ 絶対領域の扉」の続編、「ギャラクシーエンジェルⅡ 無限回廊の鍵」がいよいよ10月18日の発売日まで1ヶ月を切りました。GA2の第2弾があることは、前作発売前後から囁かれていました。そして昨年10月1日、ちょうどGA2のアニメ版「ギャラクシーエンジェる~ん」の放映開始日に開催された「ルーンエンジェル隊 セカンドコンサート」にて、「無限回廊の鍵」という正式タイトルが発表されました。僕はちょうどセカンドコンサートに行ってきたので、その場でタイトル発表を聞き、さらには新谷良子さんがオープニングテーマの片方である「Eternal Love 2007」を披露し、その時点から第2弾への期待は膨らんでいました。また、新ヒロインであるナツメ・イザヨイは、アニメ版が先行登場という異例のデビューを飾りました。当初発売日ははっきりとは明かされておらず、単純に春頃、即ち2007年5月頃だろうと推測されていました。そして年明けからしばらく経った頃、正式な発売日が10月18日と発表されました。前作は発売日延期がありましたが、今回は延期なく確実に発売可能な日として、その日にされたそうです。発表当時は長いと思っていた発売日が、もう目の前まで迫っています。そこで今回はGA2の第2弾発売に先駆けて、主にキャラを中心に前作のおさらいをしてみようと思います。

 「ギャラクシーエンジェルⅡ」のヒロインたちは、元祖「ギャラクシーエンジェル」のヒロインそれぞれと何かしらの関係を持つキャラで構成されています。まずはその簡単な説明をしようと思います。
☆アプリコット・桜葉
 メインヒロイン。通称「リコ」。1番機クロスキャリバーのパイロットで、前作「ギャラクシーエンジェル」のメインヒロイン「ミルフィーユ・桜葉」の7つ下の妹で、14歳です。ミルフィーと設定が被る部分も多いものの、その健気さと可愛らしさからファンも多いです。極度の男性恐怖症で、男に触れられると瞬間的な怪力を発揮して男をぶん投げるという凄い設定を持っています。但し、主人公「カズヤ・シラナミ」にだけはその拒絶反応が起きません。前作では姉を捕らえられて複雑な心境の中戦い、終盤で感動的な再会を果たします。この一連のドラマが泣けます。
☆アニス・アジート
 キャラ順的には2番目ですが、5番機レリックレイダーのパイロットという、キャラ番号と紋章機番号が不一致のキャラです。16歳で自称トレジャーハンター、でもやってたことは海賊まがいの行為、そこから色々あって、前エンジェル隊員「ミント・ブラマンシュ」に多額の借金をしてしまい、その担保としてエンジェル隊に入ったという、何とも特殊経歴の持ち主です(ミントと貸借関係)。自分を「俺」と呼ぶ上、行動、言動が粗暴ですが、仲間を決して見捨てない「イイヤツ」です。ナノナノからは「親分」と呼ばれ、気に入られています。よく他人の名前を言い間違えますが、素で間違える場合とわざと間違える場合があります。大雑把な性格に関わらず洞察力が鋭いというトレジャーハンターらしいアビリティも持っています。今度の無限回廊でもその洞察力で活路を開くことを期待してます。なお、前作では借金を機転により解消してますが、情報によれば無限回廊ではまた借金をし、しかも以前より増えているようです。
☆ナノナノ・プディング
 3番機ファーストエイダーのパイロットで、語尾に「なのだ」をつけた喋り方をします。人間ではなく、銀河でも特に希少な、自我を持ったナノマシンの集合体です。長い眠りについていたところを、前エンジェル隊員「ヴァニラ・H」に発見され目覚め、彼女を「ママ」と呼び慕ってます(ヴァニラと親子関係)。目覚めて僅か1~2年程度ですが、外見と精神年齢は10~12歳程度です。猫のような行動が多く、子供のようにちっちゃく無邪気で凄く可愛いです。尻尾部分を消費して外科治療を行いますが、自身を構成するナノマシンを治療に使うと致命的な事態を引き起こします(ナノナノの終盤シナリオはマジで泣けます)。ちなみに、メンバー中彼女のCGが最も枚数が多いことから、スタッフ間でも人気があるみたいです。
☆カルーア(テキーラ)・マジョラム
 4番機スペルキャスターのパイロット。魔法惑星マジーク出身で、公認A級魔女の資格を持つ魔女です。メンバー最年長の21歳。カルーアはおっとりした性格で、アルコールの匂いを嗅いだり、飲んだりすると、もう一つの人格・テキーラに変わります。テキーラはカルーアとは正反対に積極的な性格で、紋章機での戦闘は彼女が担当します。2つの人格を持つことから「一なる二者」という二つ名を持ってます。なお、カルーア時の記憶はテキーラは覚えてますが、テキーラの記憶はカルーアには残りません。前エンジェル隊員の「蘭花・フランボワーズ」が元々魔法や占いに興味があったことから、蘭花より1つ年下にも関わらず、彼女から尊敬されています。
☆リリィ・C・シャーベット
 キャラ順的には5番目ですが、2番機イーグルゲイザーのパイロットです。剣の惑星セルダールの王の近衛隊長だった誇り高き剣士です。19歳。アニスを除く現エンジェル隊員は、前エンジェル隊員「フォルテ・シュトーレン」の教え子ですが、その中でもリリィは自分と入れ替わる形で王室近衛隊長に就任したフォルテと特に関わりが深いです(まさに師弟関係)。クールな性格ですが、感覚が常人とズレているため、時々突拍子もないアホな行為に走ります(それでも本人は至って真面目)。口癖は「OKだ!!」と「NGだ!!」。前作では合流が比較的遅いため、彼女のシナリオを見るには登場後着実に接することが必要です。無限回廊でも真面目な顔でアホな行動を見せてくれるか楽しみです。

 前作まではこの5人のヒロインが主人公「カズヤ・シラナミ」と共に戦いました。そして今度の無限回廊では、新ヒロイン「ナツメ・イザヨイ」が登場します。
☆ナツメ・イザヨイ
 6番機パピヨンチェイサーのパイロット。エンジェル隊ではなく、セルダールにもEDENにも属さない「アームズアライアンス」の幼き女王陛下です。歴代最年少の11歳(ヴァニラでも現役時代は13歳)。アニメ版の方に先行して登場した珍しいキャラで、女王でありながらやはり年相応のワガママ娘で、今流行りのおでこがデカい「デコちゃん」。ゲーム版では、セルダールやEDENを悪の権化と信じ込み、戦いを挑んでくるそうです。ちなみにこちらもワガママかどうかはまだわかりませんが、民たちの平穏な暮らしを願う、責任感があり慈悲深い君主だそうです。果たして彼女とエンジェル隊がどのように絡むのか、今から楽しみです。なお情報によれば、彼女は残念ながら攻略対象に入ってないとのことです。

 キャラのおさらいは以上です。次に着目すべきは、ギャラクシーエンジェルシリーズ最大のウリとも言える、紋章機での戦闘シミュレーションです。前作「絶対領域の扉」では、操作方法やシステムが、元祖「ギャラクシーエンジェル」三部作の時とかなり様変わりをし、多少扱いにくい点が否めなかったため、不満な意見が多数ありました(特に最終戦における11機もの紋章機を操作するのが大変でした)。次回作でこの辺がどこまで改善されているかが、大きなポイントになると言えます。今年3月下旬にイベントで体験版をプレイしてきたのですが、その時はまだ前のシステムのままでした。おそらくこの時点ではまだ新システムの方向性が決まってなかったのでしょう。「無限回廊」発表の時に、戦闘シミュレーションの改善化が謳われているので、多かれ少なかれ改善は見られると期待しています。

 そして作品の顔とも言うべきなのが、主題歌と副主題歌です。前回同様今回もオープニングが2種類用意されています。一つは前作の主題歌「Wing of Destiny」のアレンジバージョンである「Wing of Destiny ~Angel harp arr.~」、歌うは勿論富田真帆さん。もう一つはギャラクシーエンジェルシリーズ伝統の歌「Eternal Love」の最新版「Eternal Love 2007」、歌うのは新谷良子さんです。そして驚くべきことに、本作はエンディングが13種類もあるということです。JAM Projectが歌う「Salvege」を始め、新旧エンジェル隊総勢12人がそれぞれのソロ曲をエンディングとして披露するというのです。この12人分のエンディングは10月26日に、12枚セットで12,600円、ばら売り通常盤で945円で発売されます。特に前者は12枚がデジパック仕様のケースで縦2行、横6列の配置でディスクが収納されるコレクション製の高い代物になっています。確実に手に入れたい方は今から予約しましょう。

 いよいよ発売間近になった「ギャラクシーエンジェルⅡ 無限回廊の鍵」、我がサイトでもこれを盛り上げるため、ある企画を考えています。それは、発売14日前からカウントダウンイラストを日替わりでトップ絵として展示するという一大企画!!誰をいつ配置するかはくじ引きで決めており、一日一人のペースで現在7人分まで下書きが出来上がっています。またこの発売を機に、我がサイトに「ギャラクシーエンジェル」専用ページをプレオープン予定です。現在少しずつGA関連のコンテンツを工事中ですが、イラスト優先に作業をしているため、かなりスカスカの状態でのプレオープンになるかも知れません。


「ライダー」の名の意味 その2

2007-09-06 00:31:09 | ヒーロー

 さて、前回はファイズまでを検証したので、今回はブレイド以降のライダーで、バイクを持たないライダーが「ライダー」という名が適用されるかを、英単語「ride」の意味を多方面から見つめて考察していきましょう。

 「映画・仮面ライダー剣 MISSING ACE」に登場した仮面ライダーグレイブ、ランス、ラルクの3人は、ブレイドらにかわる新たなライダーシステムとして作られた新世代型戦士。しかし変身後に専用バイクを用いた描写はありません。ここで注目すべきは、ブレイドの世界における「ライダーシステム」という単語。このシステムが、カードに封印されたアンデッドの力を自分の力として使役するシステムと解釈するならば、ミラーライダー同様「アンデッドを支配する戦士」としての「ライダー」が適用されることになります。最も、あの世界で都市伝説としての「仮面ライダー」が囁かれたのは、人々の間で「バイクを駆り怪物を倒す仮面の戦士」という認識で出来たと考えられ、そうなると先に述べたシステム上の「ライダー」の意味と人々の間で認識している「ライダー」の意味に大きな食い違いがあるという、面白い考察が出来ます。
 続いて異色のシリーズ「仮面ライダー響鬼」。初代ライダーが持っていた「仮面ライダーは異形の戦士」というコンセプトに着目しての完全新生を遂げた本作、当初出てくる鬼戦士たちは威吹鬼しか専用バイクを使用している描写がありませんでした。後に響鬼も専用バイクを使用、さらに映画では馬に乗る描写もあり、バイクと馬両方に乗った「ライダー」になりました(そういえば1号ライダーも乗馬で戦ったこともあります)。ではバイクと馬、どちらにも乗ってない鬼はどうでしょう。ここでも出てくるのが「使役物」です。ほとんどの鬼は、ディスクアニマルを偵察用として自らの手足として使役します。よって響鬼における「ライダー」は、バイクか馬に乗った、ディスクアニマルを使役した、この2つのいずれかが描写された者が該当します。
 そしてまたも「ライダーシステム」という言葉が出てくる「仮面ライダーカブト」。バイク描写があったのはカブト、ガタック、ザビー、ドレイク、ヘラクスです。他のライダーも勿論設定上はマシンゼクトロンを操るとなっているでしょうが、実際そういった描写がないとそれは「専用バイクを持ってない」に等しいです。そもそも、ZECTがネイティブから技術提供を受けて生み出した「マスクドライダーシステム」が、いかなる理由でそういう名になったのかが考察上不明瞭です。勿論バイクを扱うことを前提としていたというならそれまでですが、存在意義や開発意図が全く不明瞭なダブルホッパーは、明らかに他のライダーとは開発コンセプトが異なっています。ここで注目したいのがZECTのマスクドライダー計画の文書に書かれていた、「戦いの神・ガタックに選ばれし者・加賀美新」「太陽の神・カブトに選ばれし者・日下部総司」という、メイン2人に対する謳い文句。太陽の神と戦いの神と言うとギリシア神話においては、前者はアポロン、後者はアテナとなっています。そしてアテナはアポロンの「太陽」に相対する「月の神」です。そう、この2人に限れば、自動詞4b「(月、太陽が)天にかかる」における「ライダー」が該当します。事実カブトでは、「天の道を往き総てを司る男」「皆既日食」「天空の梯子」など、「天」に関わる言葉が多く、ZECTの陸代表がどこまでそれらを意図したかは定かではないものの、「天を統べる者」として「ライダー」を生み出したと考えれば、カブトとガタックの2人は「ライダー」として十分該当し、他のライダーもそれらの系統の戦士と解釈すれば、かなり強引ですが該当します。
 現在放映中の「仮面ライダー電王」は電王、ゼロノス、そしてガオウと、現在3人のライダーが確認されています。先に述べた通り、3人とも電車を操る点で既に「ライダー」です。ガオウはバイクを単体で操った描写はないものの、ガオウライナーのコクピットにやはりマシンガオウストライカーがマウントしており、それに乗ってガオウライナーを操ってました。さらにガオウの場合は、時間を支配しようとしていたことや、盗賊団の首領ということも相まって、「支配する者」や「苦しめる者」の意味も該当します。

 長々と書いてきましたが、「ride」の意味を多方面から見つめることにより、「バイクに乗る者」以外にも「ライダー」の意味は様々にあります。初代ライダーが誕生して既に36年、当時と現在とでは、人々は多岐に渡る様々な価値観を持ってきています。そのため、物事を多方面から見つめるようになってきています。これにより、「昔からあるからこれはそう決まっている」という見方が通用しなくなっているのです。考古学における古代遺跡発掘と同じように、過去からあるもの、言われていたものを、また別方向から見つめることで、それまで気付かなかった、考えられなかったものが次々と発見され、それをもとに新たな説や物語を組み上げていき、シリーズは進化していきます。故に「仮面ライダー」は、まだ我々が想像もつかない可能性をこれからも見つけていくことでしょう。


「ライダー」の名の意味 その1

2007-09-02 21:40:50 | ヒーロー

 最近もえたんの影響か、英和辞典を開く機会がありました。そこで「ride」の意味を調べてみました。「仮面ライダー」の存在で、我々が「ride」で真っ先に思いつくのが、「(バイクに)乗る」という意味です。僕が持っている新英和中辞典(研究社)だと、バイクなどの乗り物に「乗る」という意味は他動詞の1項目目に乗っていますが、問題は「乗る」対象です。その対象は馬、自転車、オートバイ、バス、そして列車です。ちなみに車など中に入り込む乗り物の場合は「drive」、飛行機の場合は「fly」が使われます。その他、交通機関に乗客として乗る場合、「ride」は通例的に使われます。ここで注目すべき点は乗る対象に「列車」が入っているということ。そう、現在放映中の「仮面ライダー電王」のメイン要素がまさに列車。放映前はデンライナーがクローズアップされ、「史上初列車に乗る仮面ライダー」として各マスメディアでも取り上げられ、電王はバイクには乗らないのかと、ファンの間で物議を醸しましたが、結果的にデンライナーの操縦席を兼ねるバイク、マシンデンバードが登場し、騒ぎは沈静化しました。しかし、英単語「ride」の「乗る」対象に「列車」が含まれているということは、例えバイクが登場せずとも列車を操る電王は「仮面ライダー」という名前が実はぴったり適用していたのです。これまでもバイクに乗らないのに「ライダー」とついたライダーが数多くいました。そこで今回は、英単語「ride」の意味を様々な面から見つめ、バイクを持たない仮面ライダーに「ライダー」と名乗れるかどうかを検証してみようと思います。

 まず最初に英単語「ride」の意味をずらりとならべてみましょう。以下に並べる意味は、新英和中辞典(研究社出版、1995年)より抜粋し、要約したものです。
1a.馬に乗る、乗馬する
1b.馬に乗っていく
2.(乗り物に)(乗客として)乗る、乗っていく
3a.(・・・の上に)馬乗りになる、またがる
3b.(波などの上に)乗る
3c.(人気、成功などに)乗る
4a.(船などが)浮かぶ、停泊する
4b.(月、太陽が)天にかかる
5a.(馬、乗り物などが)(・・・に)乗れる、乗り心地が(・・・で)ある
5b.(走路が)乗り具合が(・・・で)ある
6a.(・・・に)(支えられて)動く
6b.(・・・に)寄っている、かかっている
7.(折れた骨、印刷などが)重なり合う
以上が自動詞。
1a.(馬、自転車、オートバイ、バス、列車などに)乗る
1b.(馬、自転車、オートバイ、バス、列車などに)乗って(・・・へ)行く
1c.(騎手が)(馬に)乗る
2a.馬[自動車]で(道、場所などを)通る、渡る、越す
2b.馬(など)に乗って(レースなどを)行う(争う)
3.(人を)(・・・の上に)乗せる、馬乗りにさせる、乗せていく、乗せて運ぶ
4.(船、鳥などが)(・・・に)浮かぶ、乗って運ばれる
5.(特に重なるようにして)(・・・に)かかる、乗っている
6a.(・・・を)支配する、圧制する、悩ます、苦しめる
6b.(人を)からかう、いじめる
7.(雄の動物が)(交尾のために)(雌の動物に)乗る
8.(後退などして)(パンチを)もろに食わないように受ける
以上が他動詞。
あとは別の単語などと組み合わせる文節などがあるので、純粋に「ride」の項目に乗っているのは以上25通りです。これらの意味から「仮面ライダー」の名の意味を検証していきます。

 まずは初のバイクを持たないライダー、「真・仮面ライダー序章」より仮面ライダー・シンです。真は原作者・石ノ森章太郎氏の「仮面ライダーの真の姿を描きたい」という意向から企画された作品、故にその変身は強化服が覆い被さるものではなく、純粋に肉体変化です。ブラックは肉体変化の上に強化皮膚が被さりますが、シンは肉体変化してそのままです。物語ラストで彼は「MASKED RIDER」というコードネームをつけられ、狙われる身となりますが、これはシンこと風祭 真がオートレーサーだったことからつけられたと推測されますが、あの時点ではシンはまだバイクを戦闘に用いていません。もしあのままシリーズ化していたら、強化服を纏ったり、専用バイクを手に入れたりもしたでしょうが、それらは結局「if」の展開、現状確認出来る物語においてシンが変身後、バイクを戦闘や移動に用いた描写はありません。では、彼を「ライダー」と呼ぶにはどの意味の「ride」を当てはめるべきか。真は物語終盤で全てを失います。愛する人も、父親も・・・。しかし恋人・愛の死後、彼女の胎内のミュータント・ベビーは真に進むべき道を指し示します。まるで全てを失った彼を支えるかのように・・・。ミュータント・ベビーに支えられ、真は新たな戦いへと歩き出す・・・、この解釈ならば、自動詞の項目6a、「(・・・に)(支えられて)動く」が適用され、彼はバイクに乗らずとも「ライダー」という名が適用されます。
 続いて「映画・仮面ライダーアギト PROJECT G4」より仮面ライダーG4です。初の映画限定ライダーとして話題を呼びましたが、劇中G3-Xのような専用バイクを持った描写はありません。かといって、G4の一連の設定や動向を観察しても、上記にあげた項目に該当するものがありません。ギリギリなのがG3-XとG4、生と死の戦士の争いという解釈に基づく他動詞の項目2b、「争う」がありますが、これは前提が「馬(など)に乗って(レースなどを)・・・」とあるので、残念ながら適用されません。従って、G4は「仮面ライダー」という名が残念ながら適用されません。
 続いて「仮面ライダー龍騎」の13ライダーたち。劇中にはミラーワールドへの移動手段としてライドシューターというマシンがあるので、全員使用していれば適用されるでしょう。しかし、劇中確認出来る限りだと、全員使用している描写がなく、しかもちゃんとしたバイクを使用しているのは、龍騎とナイトのダブルサバイブのみです。ここで注目すべきなのが他動詞の項目6a、「(・・・を)支配する」です。そう、ミラーライダーたちはカードの力でモンスターと契約、そのモンスターの力を使役しています。つまり、「モンスターを支配する仮面の戦士」という意味合いで、龍騎の13ライダーは全員「仮面ライダー」という名が適用されることになります。
 「映画・仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」に登場した仮面ライダーサイガと仮面ライダーオーガ。彼らは帝王のベルトで変身する、スマートブレインの切り札的な存在です。注目点は「帝王」です。これは同じく他動詞の項目6a、「支配する」そして「圧政する」に繋がります。事実映画の設定だと、人類のほとんどがオルフェノクとなり、人間はその圧政に苦しんでいます。つまり、「帝王」=「支配する者、圧政する者」の意味で、サイガとオーガにも「仮面ライダー」の名が適用されます。

 長くなりそうなので、ブレイド以降の考察は近日中すぐにでも。