虹色雑談

気ままにダラダラと書き綴るブログ

平行世界における「if」の世界

2009-01-26 22:39:50 | ヒーロー

 最初に注意。今回取り扱う話題は、あくまで僕の仮説に過ぎません。その辺を了承した上で読んでください。

 昨日、平成仮面ライダーシリーズ第10作目「仮面ライダーディケイド」がスタートしました。様々な問題点を残した前作キバの反省から、例年より早い、放送の2ヶ月くらい前から大々的な宣伝を行ってきました。その最大の売りである、全ての「平成ライダー世界を繋げる」というコンセプトのもと、第1話はヒロイン・光 夏海の悪夢内におけるライダー大戦から始まり、いきなり大勢のライダーがある一点に向けて総攻撃をし、そして最後は誰一人残らず殺伐とした光景が残ります。唯一人、彼女が「ディケイド」と呼んだ、謎のライダーだけが、光に包まれて存在していました。ディケイドは全てのライダーを繋げる者であると同時に、全てのライダーを破壊する者。果たして夏海の夢で繰り返されるライダー大戦は過去に起きたことなのか、それともこの先未来で起きることなのか・・・。その夢から目覚めて平穏な日常シーンが入りますが、その日常はあっという間に突然終わりを告げます。そして夏海は夢の中で見たディケイドのベルトを発見、士はそれを手にしてディケイドに変身します。そしてカブト、ファイズ、響鬼と次々に姿を変えながら戦いますが、何故かどれも戦い方を知っています。彼が記憶喪失だということも今後の伏線になることでしょう。そして渡が世界崩壊を止めている間、9世界のライダーに出会うことに。かなりテンポが早いですが、最初に向かったのはクウガの世界。オリジナルでは五代雄介がクウガに変身していましたが、ここでは小野寺ユウスケなる人物がクウガとなって戦っています。

 役者の都合もありますが、ディケイドにおける歴代平成ライダーの世界は、全てオリジナルの世界とはパラレルの世界となっています。ディケイドはこれまでバラバラだった平成ライダーの世界を繋げるという離れ業を行うため、平行世界論を取り入れました。ゴーオンジャーにおいてのブレーンワールドの概念だと、世界は、メインブレーンという膜の上に存在しており、その膜の上にヒューマンワールドやマシンワールドなど、様々な世界に分かれているとされています。これだと全ての世界が、平面的な膜の上に存在し、その平面的な膜が平行して存在するという考え方になります。しかし、平成ライダーは各作品の映画版を見てもわかるように、何度もパラレルワールド的なパターンを取っています。つまり、一つのライダー世界でも、多数の世界が存在するのです。この考えだと、平行世界は膜の上というよりは、様々な「if」がある多面体の上に存在することになります。これはルービックキューブに例えると、初期状態のルービックキューブは、6つの面に6つの色が配置されています。例えばある一つのキューブをクウガの世界と考えます。そしてこれら一面一面を、可能性の世界と考えます。我々が知っている五代雄介が変身するクウガの世界は、このキューブの一面でしかありません。しかし、もしあの時、九郎ヶ岳の遺跡に出向いたのが五代雄介でなかったら?よしんば来ていたも、ベルトを手にしたのが彼でなかったら?彼と出会ったのが一条 薫でなかったら?一つの世界でも様々な「if」が存在します。今回我々が見ている小野寺ユウスケのクウガは、我々が知らないキューブの別の面の世界、即ち、遺跡に出向いたのが五代雄介ではなく、彼だったという「if」の面の世界です。
 現在入っている情報だと、龍騎の世界においても龍騎とナイトに変身するシンジとレンは、我々が知っている城戸真司と秋山 蓮ではありませんし、そこにはオリジナルには登場しなかったミラーライダーとして仮面ライダーアビスが登場します。さらに、士に世界の崩壊を伝えに来た紅 渡とは別の人物がキバに変身する世界すら存在します。渡が世界崩壊をしばしの間、自分と仲間たちで防ぐと言っていましたが、もしかすると彼の仲間たちというのが、我々の知るオリジナルの世界のライダーたちではないでしょうか。彼らが世界崩壊を防ぐのに手一杯なため、同じキューブ(世界)の他の面(世界)の戦士を代役として選んだ、そういう解釈も可能なわけです。

 「if」の世界、可能性は様々な所にあります。例えばウルトラマンで、もしハヤタと激突したのがウルトラマンではなくベムラーの方だったら(このifは映画「ULTRAMAN」でも取り扱われています)?セブンやメビウスみたいにある人物をモデルに地球人に変身したウルトラ戦士たちが、もしその人物と一体化していたら(特に後者、メビウスにおいては、彼がヒロトを救うことが出来ていれば間違いなく彼と一体化していたことでしょう)?昭和の仮面ライダーでもそうです。もし本郷 猛があのまま脳改造を受けてしまっていたら?よしんば正義の戦士になったとして、その後改造された2号ライダーがショッカーの思惑通り、悪のライダーとして誕生していたら(この「if」は映画「仮面ライダーTHE FIRST」でも見ることが出来ます)?作品を世界だと解釈するならば、平面的な膜以上に、様々な「if」の多面体の中から選ばれた世界を、我々は見てきているのです。逆にこれを多面体でなく、道だと解釈すると、「if」は分かれ道と解釈出来ます。皆さんも日常において経験はないでしょうか?あの日、あの時、あの場所で、この選択をしたため今の自分があるが、もしその時別の選択をしたら、どうなっていたんだろう・・・と。

 物語は様々な可能性を秘めています。その中で別の者が主人公になる世界も存在する。これまで平成ライダーの映画が公開される度に、そのほとんどがパラレルワールドであるため、同じ作品世界の別次元を平行する平面膜として考えてきました。しかし、今回のディケイドにおいて、これら平行世界は決して平面膜ではなく、様々な「if」の世界面を持つ多面体の世界だという仮説が、僕の中で浮かび上がりました。よってこれから出会う歴代ライダーたちもまた、我々の知らない別の面の世界の者たちなのかも知れません・・・。