墨汁日記

墨汁Aイッテキ!公式ブログ

契約と損得

2005-07-25 21:34:50 | 駄目
 西洋の悪魔は、契約をせまるが、日本のきつねやたぬきは損得勘定でしか話しを進めない。俺は、これが多神教と一神教の最大の違いだと思う。
 日本人は良くも悪くも、家族関係以外の外部は損得感情でしか理解しようとしない。それがこの国の基本であると思うのだ。だから、憲法だって自分に都合悪けりゃ、いかようにでも好きなように解釈しちまう。でもそれは、聖書の国では許されない事だ。
 一神教の神に、信仰を捧げるのは契約である。聖書を個人で好きなように解釈するのは罪である。多神教の人々が、いろんな神様にあちこちお願いしてまわるのは、依頼であり数打ちゃあたるなのだ。


愛の俺

2005-07-25 21:16:43 | 妄想
 酔っぱらってきた。
 後ろにいるはずもない人の気配を感じる。おや、そろそろ今晩も、もう一人の俺があらわれたようだ。もう一人の俺に作文を変わってもらおうと思いながら振り向くと、見知らぬ俺が正座していた。
 ピンクのTシャツに、ピンクのトランクス。ひたいには油性のマジックで「愛」と書き込まれている。
「俺は5人めのもう一人の俺『愛』だ!」
 おう!とうとうもう一人の俺も五人めで、ゴ俺ンジャーか。

「で、愛の俺がなんのようだ?」

「愛の伝導に来た!」

「なんでさ?」

「君が、あまりにも愛を理解してないからさ!」

「してるよ。愛はない」

「ソレが間違いなのだ!愛は全てで、愛は勝つのだ!心配ない上にチェケラベイビーなのだ!」

「人を好きな気持ちを愛と言ってみても別にいいけど、それは自分の勝手じゃん。他人を好きになってドキドキするのは、あくまで自分であり他者には受け入れられない事もある。俺は人付き合いって、夫婦や子供であろうと関係の積み重ねであると思うんだけどね。じゃあ、関係ってなんだろ。俺は損得勘定だと思う。自分の得にならない人物を君は1ミリでも愛せるか?」

「愛は勝つ!」

「そう言って、麻薬に走るんだベ?麻薬は愛か?」

「勝新太郎!」

「パンツなのか?」

「愛は全てで尊い。まずその概念をコーマシャルリズムでもいいから理解せねばならない。繰り返し繰り返し、愛が全てだと唱え続ける。ソレ以外に愛を貫く道はなく、愛は理屈でなく、生きるという事、全てなのだ」

「お前、本当に俺なのか?そんな事をどこで思いついた?」

「どこもくそもあるか!真実を認められない愚か者めが!」

「いや、待てや。そもそもloveが愛なのがおかしいんだよ。愛はおろかで可愛らしく、どこかもの悲しい感情であったはずなのだ。明治以前まではな。単に、loveの訳語にちょうど良い言葉が見当たらなかったから『愛』ですましちまっただけなんだ。同じloveでも、神の人への愛は慈悲。人の神への愛は献身などで代用出来るはずだ」

「今日はここまでだ。またあおう」

 愛の俺は消えた。


徒然草 第一段(1)

2005-07-25 20:22:30 | 徒然草
 いでや、この世にうまれては、願はしかるべき事こそ多かめれ。
 御門の御位はいともかしこし。竹の園生の末葉まで、人間の種ならぬぞやんごとなき。一の人の御有様はさらなり、ただ人も、舎人など賜はるきは、ゆゆしと見ゆ。その子・孫までは、はふれにたれどなおなまめかし。それより下つかたは、ほどにつけつつ、時にあひ、したり顔なるも、みづからはいみじと思ふらめど、いとくちおし。

<口語訳>
 いでや。この世に生まれては、願い事ばかりが多い。
 御門の御位はいとも尊く。竹の園生の血筋まで、人間の血統ではあらぬぞ、畏れ多い。一の人の有様もそれなりだ。ただの貴族でも、舎人など賜る身分なら、ゆゆしき事と思う。その子供、子孫までは、落ちぶれていても、なお、輝いている。
 それより下のほうは、程度によって、良い時もある。したり顔にもなる。自分が偉いと思ってる。まったく口惜しい。

<感想>
 この徒然草の作者である兼好法師は文の出だしがうまい。下手に現代語訳なんかできない。だから、今夜も出だしはそのまんまにした。
 訳がわかりにくいので、兼好法師が言いたい事を、あえて俺の言葉に直すとこうなる。

<意訳>
 やーこの世に生まれちまった以上は願い事ばかりが多いよね。
 天皇なんかすごく偉くて、竹の園生に住んでる皇族すら普通の血筋じゃないんだ。
 一番偉い位の、摂政とか関白もそれなりにすごいよ。ただの貴族だって、朝廷からボディーガードの舎人とかつけてもらえる身分は、そりゃすごいさ。そういった連中の子供や孫までは落ちぶれてても、それなりの気品があるよね。
 でも、それより下の貴族連中は、身分に応じて出世とかして、得意顔の時とかもあるけどさ、それってかっこ悪いよ。

<感想>
 テキストによれば、兼好法師の生きた時代は鎌倉時代末期。元寇のあとで、世の中が乱れはじめる直前だ。こんな時代に下級貴族が偉そうにしてるのはみっともないだけだよと兼好法師は言いたいらしい。しかも、さらにテキストによれば、兼好法師自体が、坊主になる前は、朝廷から官位をいただく身分であったらしい。どうやら彼にもいろいろと言いたい事があるらしい。じっくりと耳を貸そうじゃないか。
 ちなみに、第一段は本当はもっと長い文章なんだが、テキストに従い三分割させていただく。


振動が気持ちいいんです

2005-07-25 20:20:58 | 駄目
 帰り道にテクテク歩いていたら、簡素な豪邸の、簡素で長い生け垣に、簡素なうえ透けてるスケルトンなバイブレーターが突っ込んであった。 おおーバイブ!変な物を見つけると、意味もなく心がはしゃぐ。
 そのバイブはごめんなさい未使用なんですと、申し訳なさそうにパッケージに包まれたまま放置プレーだった。かまわない。そこに君がある事が、俺の振動なのだ。いわゆるひとつのバイブレーションであり、電動で震えろ!みたいなだ!
 さっそく、バイブを垣根から引き抜いて観察。おーバイブだ。まごうことなきバイブだ!バイブはバイブル(聖書)から生じた孫語であり。これは真っ赤な嘘だ。コーランすいませんみたいなかんじだ。まったくな未使用らしく、注意書きなラベルのシールもそのままのままで貼ってある。なになに。
 「この製品はジョーク玩具です。人体へのご使用は、ご遠慮下さい。」
 あー。そうなんですか。俺としちゃ、人体にご使用されるバイブの方が、嬉しかったんだが。