修道士は沈黙する
世界経済を牛耳る大物政治家たちの集まりに招かれた清貧な修道士が思わぬ事件に巻き込まれていく様子を描いた社会派ミステリー。
バルト海に面したドイツのリゾート地ハイリゲンダムでG8財務相会議が開かれる前夜。
国際通貨基金の専務理事ロシェは、各国の財務相およびロックスター、絵本作家、修道士という3人の異色ゲストを招いて自身の誕生日祝いを開催する。
会食後、イタリア人修道士サルスはロシェから告解を受けるが、その翌朝、ビニール袋を被ったロシェの死体が発見される。
警察の極秘捜査が進められる中、戒律に従ってロシェの告解内容について沈黙を続けるサルスは、各国財務相の政治的駆け引きに翻弄されていく。
私は作品よりもハイリゲンダムの景色に見惚れた。
昼間の真っ青な海の美しさはもちろん、夕暮れから夜にかけての赤い空と海の深いブルー。
海に行きたいと思わせる映像だった。
この映画に深く関わる「ビニール袋」
修道士がボイスレコーダーを持ち込むのだが、それを入れていたレジ袋だ。
このレジ袋がすごい。
ポリ袋を扱う人間なら皆そう思う。
見ただけで日本のレジ袋と比べ物にならないくらい厚いとわかる。
触ると紙袋のような音がすることからもその厚みが想像できる。
そしてレジ袋が透明であることも日本と違う。
日本では半透明のシャカシャカした素材であるハイデンポリエチレンを使用するが、この映画に登場するレジ袋は透明だ。
ローデンポリエチレンを使用しているのだろう。
だがそもそもポリエチレンでなく他の素材かもしれない。
映画の謎解きよりもこのレジ袋の謎解きに熱中した。
日本のレジ袋には注意書きがあることが多い
そこには一番初めに「被ると窒息の危険がある」と印刷してある。
この映画に登場するレジ袋にはそのような注意書きがなかったのだろう。