海洋プラスチックごみ問題の真実
マイクロプラスチックの実態と未来予測
磯部篤彦著
DOJIN選書 086
油でできたプラスチックは、油と似た性質の汚染物質が吸着しやすい。
また、劣化防止や着色目的の無害とはいえない化合物が添加される。
海洋生物が「こんな汚れたプラスチック」を誤食すれば、汚染物質がプラスチックから離れて、体に移る。
海洋汚染をしているプラスチックの問題は美観を損ねる、漁業にダメージを与えることはもちろんだが、海洋生物を傷つけ死に至らしめることが1番の問題だと思っていた。
それはプラスチック片を誤食するためと考えていたのだが、プラスチックに汚染物質が付着するとは考えが及ばなかった。
本書でも解説してあるようにガラスや陶器の器に食用油を付けてみる。
水で濯ぎながらかるくこするときれいに流れ落ちるが、プラスチック容器につけると油のぬめりは指でこすったぐらいでは落ちない。
確かにプラスチック製のタッパーに焼きそばを入れたときなど洗うのに苦労する。
今まではレジ袋やポリ袋を餌とまちがい誤食してそれが原因で海洋生物が命を落とすことが問題だと思っていた。
今後マイクロプラスチックの研究が進めばさらに問題が発生するのではないだろうか。
恐ろしくなる。