もはや感染爆発、いわゆる「オーバーシュート」の局面に入りつつあるようである。新型コロナウイルス、東京都では先週3日連続で2000人/日台の感染者が確認され、何日も連続して曜日別の過去最多感染者数を更新している状況である。本日も東京都の感染者数は1219人で、これは月曜日としては最多なのだという。また隣の神奈川県も先週に一回999人を記録し、間もなく1000人に達する勢いである。東京、神奈川、埼玉、千葉の4都府県では全国に先駆けて緊急事態宣言が出され、連休中の人出は各地で減るは減った。しかし昨年の緊急事態宣言の時に比べると人出は多く、十分な抑制には至っていないとも言われる。適当に思ったことを。
1)「google covid 19 forecast」と打ち込んでGoogle検索をかけて頂きたい。Googleが人工知能を用いて日本の感染者数を予測したページが見れるはずである。都道府県別にもみれるので、自分の県がどのような状況になると予測されているか、ぜひ自分の眼で確認していただきたい。1月10日現在、「東京都は今後まだまだ増加する」と予測されているのである。また東京都・神奈川県ともPCR陽性率が10%を超えており、この数字からも事態が緊迫の度合いを増していることは明らかである。恐らく簡単には危機は収束しないだろう。緊急事態宣言は1か月後まで(2月7日まで)、と政府は明言してしまったが、3か月以上は見ておいた方がよいと思う。早期に解除してしまって感染増悪したイギリスの例もある。
2)感染者数爆発に伴って、病院のベッドは足りなくなる。東京中の病院がベッドを転換してコロナ病棟を作っても、せいぜい数百床の単位にしかならない。感染者が毎日数千人の単位で出るのだから、焼け石に水である。また病院がベッド転換をすれば、今度は一般救急の患者さんを受けることが出来なくなる。人材を突然に育成出来ない以上、医療の危機はこれから顕在化し、かつ良い解決策はないと思われる。中国・武漢の時は「武漢を封鎖し、中国全土から応援部隊を武漢に送り込む」という作戦を取ったが、現在の日本では感染が全国に広がってしまっていて、応援部隊はどこにもいない。みな地元の診療を支えるので精いっぱいである。解決策は「新規の感染者数が減る」しかないのである。
武漢日記 封鎖下60日の魂の記録
3)久しぶりにテレビを見ると、「日本の80%を占める民間病院はコロナを受け入れていないから、強制的にコロナを受け入れさせるように法改正をすれば良い」という意見が見られて驚いた。以下の資料の10ページ目をご覧頂きたい。
令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省)
要するに日本の病院は「200床以下」の病院がほとんどを占めている構造になっているのである。基本的に「やり手の開業医」が次第に自分の城を大きくしていった、という経緯の医療法人が多い。同族企業が多く、規模のあまり大きくない病院が多いのである。
200床以下の病院は基本的に建物も狭く、人員も豊富でなく、病棟の数も多くない。これだけ感染力の強いウイルスを相手にするのに、隔離に使えるスペースが十分でないのである。受け入れを迫っても逆に危険である。間違いなく院内感染を起こすだろう。
もし可能なアイディアがあるとしたら、「経営が芳しくなくなった200床くらいの病院を国や自治体が病院ごと買い取ってコロナ専用病院にする」であろう。ただそれでも1)人員をどうやりくりするか(外部から応援の医師と看護師を交代制ででも投入しなくては立ちいかないだろう)、2)患者さんが重症化した時にどこに搬送するのかは事前に決めておかなくてはならぬ。頭を悩ませるところであろう。
4)同じくテレビを見ていて。出演者がしている「マウスシールド」はどうにかならないのか。感染予防の効果が薄いのは既に指摘されているはずである。国会議員でもしていることがあり、さすがにどうなのか。
まもなく大学入学共通テストが開催される。このテストの受験上の注意をご覧あれ。5ページ目である。
令和3年大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 受験上の注意
フェイスシールド、マウスシールドでの受験は認めないとはっきり明記されているのである。受験生に要求するのなら、議員やテレビタレントもマスクをして範を見せて欲しい。
といろいろ書いてみたが、どう考えても気持ちが暗くなるばかりである。週明けはさらに事態は大変になって行くだろう。読者の皆様も病気にはくれぐれも気を付けて頂きたい。
After Coronaその7