『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

松岡享子さんの読書会

2016-08-01 22:40:17 | 読書会


小笠原から戻った翌日でしたが、行ってきましたよ、はるばる東京子ども図書館まで!第4回松岡享子さんと読む『子どもと本』。今回のテーマは『選書の大切さと難しさ』でした。

鎌倉ごとき(でも、2時間かかる)ではるばると言ったら怒られそう・・・今回も熊本、宮崎、静岡、愛知、茨城・・・とざっと聞いただけでも色んなところからみなさまいらっしゃっていました。

今回もワタクシ、かなり場違いな感じ~。図書館員のベテラン陣はもちろんのこと、大学で児童文学を教えている教授数名、まさに『子どもと本』の編集に携わった編集者の方、文庫のエキスパートの方、お話ボランティア歴数十年の方、多くの図書館の選書に影響を及ぼしているTRCの選書委委員の方、などなどそうそうたる顔ぶれ。

でもね、不思議なのですが、前回もそうだったのですが、私が一人肩身狭く感じているだけで(感じているわりには開き直って発言しまくりでしたが)、子どもの本のことを真剣に考えているという上では、みなさん対等な目で扱ってくださるんですね。どの現場にいても悩みも共通していて。子どもの本を手渡すことを真剣に考えている方って、どうしてみなさんこう温かいのだろう、と感激してしまいます

今回はグループディスカッションのあと、調布市立図書館で長年児童コーナーを担当されていた司書の方の貴重なお話もお聞きできました。残念ながら調布市立図書館のように真剣に児童コーナーに取り組んでいるところは全国でもほとんどないのだそうですが、調布市立図書館の方たちの努力と真剣さに胸打たれました。すんごいんです。何がどうすごいかってことは割愛しますが、これ全国の図書館で実施したら、ゲームに取って変わられてた本が子どもたちの元へ戻るんじゃないかと思いました。

そのお話の中で、興味深かったのが、図書館員が自分の仕事を見直す上で参考になるのがベストリーダーの検索というお話。
ホームページ蔵書検索のところから、「貸出の多い資料」という表示でたいてい出ているのがベストリーダー。図書館員が働きかけをしていて、その効果が出ている図書館とそれができてない図書館の差が一目瞭然です、と。働きかけていない図書館はみーんなゾロッちゃう、って(笑)。ゾロッちゃう、って『怪傑ゾロリ』シリーズで上位を埋め尽くされるってことです(笑)。あ~、我が家もコレ悩みだわ

と、色々と参考になるお話もあったのですが、肝心のみんなの悩みどころの選書の難しさに対する答えは全然出ていなくて、私モヤモヤしてきちゃったんですね。私はいいけれど、みなさん、その答えを求めてはるばる遠方からやってきているのに!みんなで悩み出し合って終わり~!?って

そしたら、松岡享子さんが最後の15分でシメて下さいました。

「選ぶのにラクになる道はないのよ」と。「一冊一冊が大変なの」って。

方法論や答えのマニュアルのようなものなんて存在しないんです。ちょっとでも存在するとどこかで思ってた自分が恥ずかしい・・・。
以下は正確ではありませんが、自分のための覚書。

本を選ぶのは、つきつめていくとその人のTaste。どんなに自信がなくても、人は自分がいいと思うものを選んでいくしかない。自分のTasteにしか足を置けない。ここを土台として、よりよい土台にするためにはどうしたよいか。子どもの反応、他の人の意見、ロングセラーが教えてくれることに耳を傾けることでその土台がよりよいものになっていく。そして、自分の判断基準となる自分だけのポイントを持つことが大事。

ちなみに、松岡享子さんのこの自分だけの選択基準のポイントとしているのは、

1)最初の1ページを必ず声に出して読み、耳に心地良い文体か、日本語がどんな風に聞こえるか

2)この本は子どもたちが持つ人間に対するイメージをプラスにするか


の二つだそうです。とても素敵な基準
うん、私も希望を伝えていきたいんです、児童文学を通して。今回の読書会を通じて、改めて素晴らしい世界に今足を踏み入れつつあるんだなあ、って実感しました。

で、都内に出るだけで疲れちゃう私なのですが、帰宅したらAirbnb始めた方がBBQにご招待くださっていて、夕飯作らずにすんでラッキー。50年前(!)の古いJazzっぽいハワイアンが流れていて、なんだかまだ旅行が続いているような気分。仲良くなった台湾ファミリーと子どもたちは夜のスイカ割りをしたり花火をしたり。そんな幸せな一日でした

最新の画像もっと見る

コメントを投稿