皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

背後から撃たれる構造

2009-10-05 21:26:46 | 認知の歪み

ワタシは残念ながら一般的にいうところの臨機応変に対応するということができない。

今回の記事は、社会人として仕事上に限定した記事です。
臨機応変に対応することができないんだから仕方ねーじゃねーか、では当然社会人としては全くもってやっていけないし、ガキである。
その構造を深く探っていくと、稚拙かも知れないがワタシ流臨機応変術はあったりなんかする。

ワタシの場合、行動を起こす前に事前にシミュレーションを行う。
いわば予行演習みたいなものである。
まず、かなり最悪な事態を想定する。そのかなり最悪な事態が起こった際の行動を事前に予測しておく。これはたぶんフリーズ防止のための一種の防衛機制なのだろうと解析している。
まず、この部分がかなり非現実的であり、この最悪の事態は97%程度は起こらない。
ワタシの描く阿鼻叫喚の地獄絵図は、結構汚れな仕事をしてきた経験から蓄積されたシミュレーションパターンで、よっぽどイタイ出来事が起こらない限り、その想定内には収まらない妄想の領域だったりする。
それでも一応検討する。なんせチキンちゃんなんで。

では現実的ラインに絞ったシミュレーションはどの様に選定するかというと、まずヒトを見る。ジーッと観察し、データを脳内に入力する。
仕事というのは、独立独歩の山中での自給自足生活でも送らない限り、結局はヒト対ヒトのやりとりであったりする。
相手に好印象を与えるとか、それなりの努力や誠意が相手に伝わるかとか、そういったモノはかなり重要な要素であると、ワタシなりに判断していたりする。
これは自分の持てる力を自分なりに精一杯発揮するということが根幹にあるが、相手によってはまるっきり通用しない場合も当然ある。

そこでヒトを観察し、自分なりにツボを把握しようと試みる訳であるが、ワタシのツボと他人のツボはやっぱり異なる。個体差があるのだから当然であり、ツボの摺り合わせが必要となるが、自分のツボに比重を置くと摩擦が生じ、相手のツボに比重を置くとストレスなるものが発生したりする。
このさじ加減はヒジョーにムズカシイ。

ここ最近のワタシは、ワタシ自身の思考形態がずれていると散々言われてきたし、自分自身でもズレてんだなあと認知している面もあるので、なるべく相手のツボに併せるように心がけている。
と言っても譲れないラインというものは霊長類ヒト科の各個体それぞれに存在し、そこは主張することになる。しなかったらワタシ自身がイライラモードや不安に押しつぶされたりの自爆モードになるので、やっぱり主張する。
若かりしころによくあったお恥ずかしい失態は、ワタシ的譲れないラインのごり押し状態や、感情セットの半逆ギレ状態だったりする。
これは全てが自分の責任ではないにしろ、言葉のニュアンスの変更などで緩和する事項だと、現在の考えでは落ち着いていたりする。

主張することは大切なことであり、主張の仕方に問題があったということだろう。


ワタシ流臨機応変術が作用するには、ワタシにとって必要な情報が揃っていることが絶対条件になる。一般的なヒトは、どうやらその情報量が少なくても対応できたり、過去の類似(ワタシには類似とはとても思えない)経験などで補う技を持っているらしい。
羨ましい限りである。
よーするに、自分なりに準備をすればワタシ流臨機応変術は発動可能ということである。

ワタシ自身の最大の欠点は、自身の不安回避のために自分の脳内で処理できかねるほどの膨大なデータから何百通りのシミュレーション解析をするところにあったりする。
小さなことから大きなことまで。それではやはり身が持たない。
そもそも重要度の順序分けがずれてんだから、本人的にはやらざるを得ないというのがイタイところでもあるのだが。


そういう意味合いにおいて、一般的と呼ばれるヒトは意外と物事一つ一つを深く考えていないことに気付かされる。これはワタシの処理能力が優れているとかいうのではなく(どちらかというとボケボケ)、ピントがずれており、他人様的には無駄な労力を使っていると言われる部分なのだろう。

完璧主義だね。
頭硬いね。
無駄な動きが多いね。
神経質だね。

まあ、そういわれることは多いし、人様に写るワタシ像はそのヒトにとってはある意味絶対であり、言われる頻度からも一般値からの相対比較としてはそうなのだろう。
では、それを一朝一夕に変えられるか、といえばそうもいかない。

これはある意味ワタシの持つ気質であり、性分である。
どっかの業界用語で「こだわり」とか言われたりしている部分でもあり、そのアウトプットのやり方如何によって「コミュニケーションの問題」とか「社会性の問題」とか言われたりするのだろう。
それが一般的他人目線で「問題」であるのなら「問題」なのだろうが、ワタシが過度に一般的とやらに無理矢理合わせる必要はないだろう、と心の片隅で思っていたりする。
ワタシみたいなのがこういうと、かなりバッシングを浴びそうだが、一般的にもかなりおかしな所があったりする。なんでそこを無理矢理合わせる必要があるんだ?とか、おいおいそりゃジョウシキの希薄なワタシ思考でもヒジョウシキだろ?(これ微妙な発言ですね)と思う様なことが、この世の中にはゴマンと存在する。

例えば、仕事上顧客にある約束事をしたとする。
ワタシは約束した以上は、それを遂行することは当然であると考える。それが多少自分側の出費や損害になろうと、約束は約束である。
それを同席していた上司が、業務経費削減のため約束を反故して且つpluto君巧いことやってくれ、と後日に指示を出されても、それでは筋が通らない。
そんなこと真に受けて顧客に話そうモノなら、こっちの神経を疑われる。
それくらい図太く行け、というのもほんのちょびっとだけ分からなくもないが、そんなのは臨機応変でもなんでもない。
ワタシに言わせれば、ごり押しの責任逃れ、単なる自己都合だったりする。


上記のワタシの一事例に限らず、こういうヤヤコシイ、一見バカみたいな関係性でフリーズしたり(これどこぞの業界用語でパニックっていうんでしょうか?)、つもり積もってキレちったり、ってのが結構あるんではなかろうか。それを不適応っつっちゃうのはおかしいんでないかえ?と思うし、そんなのに適応してるほうも結構イカレてると思う(過激発言すみません)。殆どの方は適当にスルーとかって言う能力を駆使していらっしゃったりなんでしょうが、ワタシみたいな真に受けるタイプは正直しんどい。


ワタシが本業にしている業界は、こんなの毎日何件も積み重なってるので特殊なのかも知れないが、どこぞの業界用語的「○○問題」が「△△障害」の根幹だー、とは一概には言えないと思うよ。


ワタシは融通が利かないって散々言われてますが、他人目線で思いもよらない臨機応変さを駆使しているところがあるそうです(本人自覚なし(汗)。
ずれてるのは確かでしょうが、ワタシは別としても、他人と比較して劣っているとかなんとかそういうのではなく、感じ方、考え方、対処法、思考→行動に違いがあるというのが、妥当な考え方だよなあ、とつくづく思う。
それは個体差があるのだから当たり前のこと。
「“ふつう”そうだろ」はあくまで個人の尺度で、他人様には何も言えないが、ワタシ自身は持ちたくない尺度である。

仕事してると、「“ふつう”そうだろ」を根強く持ってるヒトは、ワタシにとっては要注意人物。そういうヒトの準備する情報とワタシ的必要情報はかなり食い違い、結果的に背後から撃たれたりすることが結構多い。



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4 コメント

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多いですか・・・ (はるぼん)
2009-10-05 22:19:19
多いですね。
背後から撃たれるのは痛いですからなるべく撃たれたくはありませんね。

「ふつう」「常識」「ものさし」

はずっと存在するのでしょう。

なんとか、それを逆利用して楽に生きられないかと考えたりもしますが・・・
頭がパンクするのであと20年くらい考え続けないと無理そうです。

チキンな気質は身を守りますよ。
そう思います。しんどいけど・・・
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Unknown (ぴーまん)
2009-10-07 00:32:34
まるで自分を活字にしてもらったかのような状態で・・・正直、ニヤニヤしつつ、そういうことかぁ、と、思ってしまいました。

>そんなのに適応してるほうも結構イカレてると思う
 
仕事していると、ほんと、よく思います、はい。

>他人様には何も言えないが、ワタシ自身は持ちたくない尺度
 
子供の頃から、ずっと持ちたくないモノでした(笑)、はい。

わたしもヒトを、じーっと観察します。観察し、アセスメントし、それに対し行動し、その行動結果を再度脳内で検討し、それをフィードバックしていくのが、本業ですし(笑)
 
時に、周囲から見ると、思いっきりズレテイル、と、称されますが、顧客さんが求めていること、に、視点をあわせると、そうでもないのですよね。
 
そういう時、わたしは、グルグルに陥ります(^^;
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撃たれるとわかってると痛みは小さいんですけどね (pluto)
2009-10-07 21:09:03
>はるぼんさん
こんばんは。

>なんとか、それを逆利用して楽に生きられないかと考えたりもしますが・・・

おおお、そんな大胆なことを考えてはるんですね。ワタシの計算ではデーモン小暮閣下くらい長生きできないと達成できないだろう、と脳みそちゃんが言ってます。

チキンな気質はしんどいですけど、チキンなんですよー、って周りのヒトに認知されるような行動をとっていると多少楽ですね(周囲の皆々様にはご苦労をお掛けしますが

ケンタのモモ肉足りないときの手羽先級なので、軍鶏にはなれませーん、って最近アピールしてます。
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活字にすると意外とすっきり (pluto)
2009-10-07 21:22:22
>ぴーまんさん
こんばんは。
ワタシ的にえーっ、と思うことに適応できるヒトはすごいなとも思うと同時に、その適応は保身、その裏のグチグチモードの凄さとか見ちゃうと、もうほんと疲れちゃいます。

余計な尺度は持ちたくないですね。
ヒトはみんな違うんだよ。だって立場が変わったら違うこと思う様なイキモノなんだもん。その中で合うところがあったり、どうしても合わなかったり。
それでいいんじゃないかなーって。

仕事上では特に、あちらを立てたらこちらが立たずっての多いですから、本来の目的を自分自身にお伺いを立てていきたいなあ、と思ってます(ゴマすりとか心にもない同意とかそんな高度な技使えないですから(苦笑。
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