道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

コメント力

2010-05-14 00:58:19 | 趣味愛好
この写真は金文(殷周の青銅器に鋳こまれた文字)の「歩」だが、
秦代に同文同軌が実施される以前というのは、相当おかしな字がたくさんある。
これもこれもこれも同じ字かよ、おいおい、と思いつつ、
古代中国人の奔放さにひたすら感心させられる。

たとえば、「客」は、こんな字こんな字もある。
実にユニークである。

思想も同様で、儒・仏・道といった枠組みが確定して以降のものは、
解釈改憲も真っ青な牽強付会によって、経典の内容をうまく自分の主張や現実のニーズに合わせるという、その職人芸の巧みさは面白いが、
やはり既存の枠組みの中にあるという印象は残る。
それに対して、先秦諸子の言論というのは、実に自由で、力強さを感じる。孔子にも老子にも全く気を遣わず、言いたいことを好き放題に主張する。読んでいて、実に爽快な気分にさせてくれる。

文字にせよ、思想にせよ、
統一的規範の下では端麗で水準の高い作品が生まれるが、
好き勝手やっている自由奔放さにも、捨てがたいものがある。


ところで、こんなサイトがある。
特に、「篆書でGO! 1」が佳い。
奔放な字体をたくさん掲載しているが、それについて奔放な解説を附しているのが真に秀逸。

限られたスペースの中で、面白いコメントをつける文章力は凄い。

このサイトもコメントが非常に面白い。
例えば、これなど、内容は非常に下品なのに、このコメントには管理人の品性を感じる。


短く、要を押さえ、かつ奔放な面白さを盛り込む。
このようなコメント力を目指したいものである。

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