道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

ハッタリ半蔵

2006-05-28 21:24:20 | 音楽
以前、ブラームスのヴィオラ・ソナタ第2番の第2楽章の伴奏をすることになったと書いたが
http://blog.goo.ne.jp/pingzebu/e/79a1fb945bb7e4a441574b38bc565afb)、
ついに本番の日を迎えた。

前日の合わせで、録音をして自分たちで聴いてみると、
テンポが間延びして、実につまらない演奏であった。

そのため、本番では、とにかく間延びしないように、テンポよく弾くことを心掛けた。
ところが、私が本番前に色々トラブルがあって時間を取られ、
駅から走って出番ギリギリに会場に到着。
そんなこんなで、指も温まらないまま、気ばかり焦って、
ミスばかりの八方破れの演奏に。。
ヴィオラを弾いていた子には悪いことをした。

しかし、普段から色々な失敗に慣れているせいか、
本番前に、手のひらに「酒」と書いて飲んだおかげか、
とにかく、失敗してもあわてず平然としていられ、
「これが譜面通りの演奏だ」と言わんばかりにピアノを弾いた。

曲を知っている人はもちろん、知らなくても多くの人は失敗に気付いたであろう。
かなり目立つ失敗を何度かした。
しかし、中には、「ミスなんてしたの? 気付かなかった」という人もいた。

気を遣ったお世辞かも知れない。
けれども、リズムは崩さず、堂々と弾いた自信はある。
むしろ、ミスをして、それを荒々しく踏み潰した分、
かえって迫力ある演奏となったのかもしれない。
そう考えると、「不毛の荒野を馬に乗って駆けていくようなイメージ」という、
私のこの曲に対する印象通りなのかもしれない。


ともあれ、失敗は失敗である。
実力・練習・調整が不十分であったことは確かである。
そして、ギリギリの到着で気持ちを整理する時間がなかったのは仕方なかったにせよ、
せめて待っているわずかな時間に音源を聴いておくべきだった。
反省すべきことは多い。

けれども、八方破れの中で開き直って、ポーカーフェイスで弾き続ける、
こんな自分の図太さに少しだけ感謝したい。


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