道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

四月一日雑記

2010-04-02 00:54:52 | 世間話
小学生の頃、この日が来る度に、

「今日はウソをつくぞ」

というウソをついていた。

最近はウソばっかりついているから、もう4月1日くらいは本当のことだけを言うことにしているけれど。

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今日の昼は、ひでみちゃんのお使いで、国会図書館に行ってマイクロの閲覧&複写申込をして来た。

私はマイクロフィルムというのが非常に苦手で、手でくるくる回しているうちに、酔う。幼い頃はバスに乗る度に車酔いをしていて、しまいに「ゲボくん」という渾名までついていたが、最近は5時間10時間バスに乗っても平気。しかし、マイクロだけはいけない。今日もくるくるリールを回しているうちに吐きそうになって来た。
「うううううぅぅぅ」
しまいには、ライトを消してからリールを回し、お目当てのコマの辺りまで行ったところでライトを再点灯、というわけのわからないことをして凌いだ。


そんなこんなで、ひでみちゃんを恨みながらマイクロを回していたのだが、しかし、ひでみちゃんというのは上司として仕えるのには非常に良い人だと思う。彼の指示は非常に詳細で分かりやすい。「あー、○○やっといてよ」「やっといて、って、どうやっとけばいいんですか?」「いいんだよ、てきとーで」という極めて抽象的なメルヘンとは大違い(しかも、メルヘンは、こんないい加減な指示をしておいて、こっちが創意工夫のないいい加減な仕事をすると、「それじゃおもしろくないじゃなーい」とダメ押しをする)。ひでみちゃんの場合は、一挙一動に至るまで肌理細やか。

今回は、まず、「aaaaaaaaaaaaaaaaa」という謎のタイトルのメールが来て、「 『蘇苏文定公文集』(宋)蘇轍撰 存十八卷(存卷四至六,卷十至十五,卷二十,卷二十六,卷二十七,卷三十七,卷三十八,卷四十一至四十四, 後集存卷七至十三,卷十七至二十, 三集存卷六至十, 應詔集十二卷)宋孝宗時眉山刊本,十六冊」という文面。続いて「bbbbbbbbbbbbbb」というタイトルのメールが来て(題名を考えるのが面倒だったのだろうと思うけれど、あるいはウケ狙いかもしれない)、『蘇苏文定公文集』のマイクロフィルムを国会図書館に行って複写してくるように指令が書かれている。

しかし、この指令が非常に細かい。
まず、「マイクロを管理しているのは、図書課第一別室というところ」と言い、「国会の入り口は二階ですが、図書課第一別室は三階」と解説。
その指示の通りに図書課第一別室へ行って、メールを見ると「北平図書館のマイクロが見たいと言えば、冊子になった目録を教えてくれる」と書いてあるからその通りに言う。すると、図書館職員が「まずOPACで調べてみて下さい」と言うから、館内OPACで調べるが、ヒットしない。職員が調べてみても、やはりOPACでは見つからない。さすがひでみちゃん、OPAC未入力だから、冊子になった目録で探すしかないことまで知っているのだ。
資料が出てきたから、マイクロ酔いしながら、そのフィルムが「『蘇苏文定公文集』(宋)蘇轍撰 存十八卷(存卷四至六,卷十至十五,卷二十,卷二十六,卷二十七,卷三十七,卷三十八,卷四十一至四十四, 後集存卷七至十三,卷十七至二十, 三集存卷六至十, 應詔集十二卷)宋孝宗時眉山刊本,十六冊」であることを確認し(ひでみちゃんがこんなにも細かく卷数の詳細を送って来たせいで、マイクロ酔いしながら頑張らなければならなかったのだ)、複写申込をする。すると、職員の人が、「A4にしますか? A3にしますか?」と訊いてくる。うーん、と思いながらメールを見ると、「最も一般的な、A4コピー用紙への紙焼きで結構です。特に字が小さかったり不鮮明であったりという問題が無くて、より安価であるなら、B5でも結構です。(B5は無いかも)」とあるから、A4を選択。
そして、「業者、あるいは国会に代金を支払う場合、領収書の発行を要求して下さい」という指示があるので、領収書くらいくっついて来るだろう、と思いながらも、それを職員に言う。すると、「ああ、はい。代金精算後に領収書を発行するように手配しておきます」との返答。更に、「請求書・納品書に添付して、明細も送られてきます。領収書に、請求書・納品書・明細に共通の番号を記入してもらって、領収代金の内容が特定できるようにしてもらって下さい。(「但し、複写料金(No.××××)として。」といった感じ。)」とあるから、それもそのまま職員に見せると、「番号は書かれるはずだと思いますが、……少々お待ち下さい」と言って業者に電話。そして、電話の後に、「やはり指示しないと番号は書かないようですので、注意書きしておきます」と言う。
すごいすごい、ひでみちゃん。何も言わないと、領収書も来ないし、領収書が来ても複写番号が記されていない場合があることを、職員よりも熟知している。
最後に、複写完成後に受け取りに来るか郵送してもらうかという話になった時に、またメールを見ると、「出来上がったら、郵送をお願いします。業者あるいは国会から、郵送してくるので、書類だけを抜き取って支払い手続きをして頂いて、包装はそのままにしておいてもらえば、その箱をそのまま使って郵便で出して頂けます」という指示。もしや、と思って、職員に「ここで受け取りにした場合、複製はどんな入れ物に入っているのですか?」と訊くと「ビニール袋です」との返答。うむむ、これでは確かにそのまま郵送は不可能だ。ひでみちゃんはここまで知っているから、郵送を指示したのであろう。

とにかく、こんな感じで、私は一切脳味噌を使わずに、来たメールの言う通りにして、お使いが済んだ。全くこちらが迷う余地がない。ひでみちゃんおそるべし。
なんだか、全て彼の手の内で踊らされているような気さえしてくる。

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夜は、友人と、新宿のブックファーストへ、マンガを買いに行く。
残念ながらお目当てのマンガは売り切れていたが、その周辺をぶらぶらしていると、「Boys Loveコーナー」というのが堂々と掲げられている。そこで、その棚に行って、見本の冊子を立ち読み。あり得ないくらい顎の細い男たちが描かれている。むむむ、こういうのがウケるのか。
すると、後ろの方で何やら声がする。
「......so this is "BL", you know. Japanese girls like boys love 云々」

――ぷぷぷぷぷぷっっ

思わず、噴き出してしまった。
すると、流暢な英語で紅毛人たちにジャパニーズ☆カルチャーを解説していた青年が、「すいません! すいません!」と私に本気で謝って来た。

本気で謝られても――ますます笑える。

友人と二人で堪えられずに大笑いしながら、店から走り去った。

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もともと、面白いウソをつくのはそれほど上手ではないのだが、
特に最近は、ホントのことがあまりに面白すぎて、なかなか越えられない。

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