福島第一原発4号炉、使用済み核燃料保管プールの水中映像が公開されました。
http://www.yomiuri.co.jp/stream/m_news/vn110509_2.htm
これに関して記事(読売)では下記のようにコメントしています。
東電はプールの水を調査。その結果、放射性物質の濃度が比較的低く、水中カメラの映像でも、燃料を収めた金属製ラックに異常が見られないことから、空だきが起きていたとは考えにくいことがわかった。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110509-OYT1T01116.htm?from=rss&ref=rssad
この画像を良く見るとしきりに水中で気泡が上昇しているのがわかります。とくに終了間際の部分を見ると、かなりのガスが発生しています。水温は80-90℃なので水蒸気泡では有り得ません。これが私が以前から主張している、放射線分解による遊離水素だと思います。
4号炉はもちろんの事、その他の1,2,3号炉も電源遮断による換気ファン停止により滞留した保管プールからの水素が爆発したものと推測しています。マスコミや解説者は全くトンチンカンな事を言ってますが、まさか担当エンジニアがこれに気づいていないとは思えません。正確な情報を発表しない理由が何かあるのでしょうか?
http://blog.livedoor.jp/toshi_tomie/archives/51948827.html
ここでは3号炉に関してγ線効率10%、累積70時間という前提でTNT火薬33kg分の爆発力と推定しています。この量でビルの天井が吹き飛ぶかどうかは判りませんが、少なくとも何も気にしないで済む話では無いと思います。
排気塔などを経由しての逆流に関しては保安院は否定的ですね。水素は軽くて上に上がるので下方向に逆流したとは考えにくいと思います。
彼の見解は別の炉(排気塔は共通なので)からの逆流ではないか、でも詳細はまだ分析してないということでした。わかったら教えてくれることになっています。
本件は日本国内どころか全世界の核燃料プールで同じことが起り得る事を示唆しています。つまり、排気ファンが停止するとえらい事になるという事です。安全対策としては排気ダクトをノーマリー・オープンタイプにして電源が切れれば開放になる設計にしておくべきでしょう。
おとっとさんは原発関係のお仕事のようなので本件に関して是非再発防止を推進するよう考えてみてください。
マスコミで原子炉建屋の上部に水素ガス検出器を付けたとありましたが馬鹿じゃなかろうかと思いました。分かっても換気が出来なければ何も出来ません。最近になって水素ガス濃度を減らす装置をつけたとありましたからこちらが正解でしょう。
そこで疑問1、すべての原子炉の使用済み燃料プールで同じ対策が採られたのでしょうか(確かにこの問題は軽視されたきました、分かった以上早速対策を採らねば。。
疑問2 そうすると4号炉では放射性物質の放出は無かったことになります。水素爆発はたんにびっくりさせただけ(平常時の炉室内の放射能濃度は知れたものですから) でもマスコミでは4号炉からの放射能汚染水がどうのこうのと騒いでいます。ま、一度管理区域に入った水は汚染水ではありますが他の炉のものと同一に論ずることは出来ません。
使用済み燃料プールからの水素発生量の軽視は盲点でしたね。原子力で盲点は許されないのです。
非常用ディーゼルの発電能力は小さく炉心冷却には足りませんが核燃料プールの排気ファンを動かし続けることは出来ました。そのおかげで建屋内に水素が蓄積することなく爆発を防ぐことが出来たのです。
これを裏付ける小さな記事が3月19日のIAEAレポートにあります。(以下、3月19日記事より抜粋)
----------------------------------
19日14:50
IAEA Update 4:30UTC(13:30JST)
特に深刻なアップデートは無いが下記の記事があった、
Unit 5 and 6
Workers have opened holes in the roofs of both buildings to prevent the possible accumulation of hydrogen, which is suspected of causing explosions at other units.
5,6号プールは水は満タンだが水素を抜くため天井を開放した。現場は遊離水素の件をちゃんとご存知のようですね。
----------------------------------------
つまり、東電のエンジニアは遊離水素爆発の可能性は把握していたわけです。この原因が表に出てこない事は謎ですが。
外国でも同じ理由で4号炉も注目されています。当然燃料の空焚きを疑うのが常識です。でもプールの水が汚染されていない(東電の言うことはすべて疑ってかからねばなりませんが)と言うのが事実ならこの線は消えます。
つぎにここで提唱されている「水の放射線分解説」ですがどうも量的に疑問が残ります。というのは水の放射線分解に関しては平常時も同じですが何か対策を採っていると聞いた事がありません(確認してないのでなにも対策をとっていない!と断言は出来ませんが少なくとも再結合機などはありません)。実に不思議です。ほんとに水素爆発か?とも考えるほどです。
ひとつ訂正です。さきに水漬け作戦が失敗して圧力容器の底に穴が開いていると判断されたと書きましたが、これは圧力容器に水がたまらないことから判断されたと言うのが正しいです。水漬け失敗で分かったのは格納容器の底に穴が開いているということです。マスコミでそれは水漬け作戦の前に分かっていたはずだと言ってましたがこう判断する情報はわれわれには提供されていません、
一番の問題は津波後数時間でメルトダウンは起こっていたと考えるのが原子炉屋の常識ですが東電や政府が認めたのは随分あとです。メルトスルーもかなり早い時期に起こっていたようですがこれもなかなか認めませんでしたね。東電の初期対応ミスを隠したかったのでしょう。
困った体質です。
2.水素・酸素混合気体はそのままでは再結合しません。だから、建屋に溜まって電気スパーク等で爆発を起こすのです。
3.枝野発言、”水蒸気爆発”では無く正しくは”水素爆発”です。 枝野さんの言い間違いか、あなたの聞き間違いかは知りません。
1.水の中でニクロム線を加熱すると水蒸気が気泡になって上がってきませんか。
2.放射線による水の分解では水素と酸素は全く同じ場所で発生しますから、ほとんど即座に再結合します。再結合し損ねた?分が気泡になって上昇します。枝野さんの発表で「4号炉で水蒸気爆発がおこり、放射性物質の放出があった」ということだったのでてっきり使用済み燃料を空焚きしたと思いました。発表は間違いだったようですね。
それより圧力容器内の現象ですが・・・
発生した水蒸気はもともとタービン建屋のほうに流れるようになっています。たとえ電源がなくなってもしばらくは自然対流で正常時に近い動作をします。3号炉で圧力容器を水漬けにしようとしたとき水位が上がらなかったので圧力容器に穴が開いていると判断されました。でもこれは3号炉のツリーの中で話し合った方がいいでしょう。ここは運転してなかった4号炉での不思議が話題ですから。
また、水素・酸素混合気体は静電気やマッチの火などで着火しない限り常温では反応しません。つまり水中で簡単には再結合しないという事です。
私がどうにも理解できないのは圧力容器圧が4気圧を超えたのでベントしたという事実とその時点で水位低下を起こし燃料溶融が既に始まっていたという点です。圧力が高いということは密閉性が確保されている、ところが水位低下はすでに起っていた??? いったいこの時点で水はどこに消えたのでしょうか?
もっと言えば、その後冷却水を注入し続けましたが、その水は炉外に流出するしかない、つまり圧力容器、格納容器共に破損していることは最初から推測されるはずですが、それが発表されたのは事故後2ヶ月ほどしてからでした。いまだにハッキリしない4号炉爆発原因もそうですが東電担当者の能力を少々疑います。
プールで発生している気泡は水蒸気だと思います。水全体が100度にならなくても発生します。やかんの底ではよく見られることです。
ただ東電の発表によると放射能濃度は高くないと言うことですから燃料は無事なんでしょうね。
ベントはもっとはやく実施すべきでした。燃料が壊れる前に。これは原子炉屋の常識なんですけど、なぜかもたもたして時機を失してしまいました。
http://www.youtube.com/watch?v=JmoCIxlDWKw&feature=related
放射線分解の件ですが、中学で水の電気分解実験をされたと思いますが、水素は再結合せずにちゃんと出てきましたよね。それと同じで放射線分解で発生した水素はビデオで見られる気泡の形で気体放出されると思います。
空焚きに関しては、繰り返しになりますがプール水の汚染がほとんど無い以上、可能性は無いと思います。
ただ私はやはり空焚きを疑っています。その理由は
1.水の放射線分解の結果出来る水素はすぐそばに酸素がありますからすぐ再結合してしまいませんか? 水素ガス、酸素ガスとしてそれぞれ独立して出てくるでしょうか。よく分かりません。
2.東電は予想を遥かに超える放射能をばら撒いていますが、基本的に圧力容器の中にある放射性物質は原子炉建屋内での水素爆発では飛散しません。圧力容器ごと破裂すれば別ですが。
圧力容器はおおよそ健全のようですから、私は各炉とも使用済み燃料から水素爆発で放射性物質をばら撒いたのではないかと疑っています。
あくまで必要な情報を得てからでないと結論的なことはいえませんが。圧力容器由来だとするとどうもばら撒いた放射性物質が多すぎます。
水素の量ですが水素爆発限界は4.65%で且つ電源停止後3日ほどで爆発しているので量的には必要量が蓄積していた可能性はあると思います。
写真で見る限り4号プールの保管燃料の空焚きはありません。また、写真だけではなく4号プール水の線量も低く空焚きの兆候は見られないのが事実です。(もし空焚きがあれば3号炉並みの汚染があるはずですね。)
少し疑問です。詳細に検討する必要を感じます。やはり使用済み燃料の空焚きがあったのではと思いますが写真ではどうなんでしょう。