尾籠な話で申し訳ありませんが、ボランティアで開発途上国へ行って、一番頻度の多い健康問題が下痢です。下痢というのは腸内の毒物を排出する体の正常な反応で、これを止めてはいけません。昔は下痢になると正露丸で止めていましたが、これをすると毒素が体に回り症状が悪化します。ただし、下痢で失った水分を補給する必要があるのでスポーツドリンク等を十分飲む必要が有ります。
私もブータンに来て二、三度下痢をしましたが、理由は明らかで、来たばかりの慣れていない頃にエマダチなどの超辛い食物を食べると下痢をしました。また、干肉のやや変質したの(コクのある微妙な味がします)を食べた時も来ました。これらは一過性で対象物が排出されると収まります。
この、下痢の頻度というのは人それぞれで、よくやる人やそうでない人など多様です。この理由は腸内細菌フローラによると言われています。よく善玉菌としてビフィズスが言われますがそんなに単純な話では無く、その土地々々で最適化された細菌嚢があり、特にホルマリン耐性菌のグループが重要な役割を担っていることが解っています。これらは学問的にはプロバィオティクスと呼ばれています。また、最近下記のような記事が有りました。
http://news.e-expo.net/world/2011/11/post-110.html
本当の話、腸内細菌の多様性というのは非常に重要で、免疫や発ガン性と深く関わっていて長生きしたければ腸内細菌の多様性を確保することです。これはヨーグルトを食べる、といった話ではなく、現地人の中に混じって同じ食事をし、同じ水を飲むことで達成できます。もちろん、腸チフスやコレラなどの病原菌には注意する必要がありますが、現地の何千年にも渡って維持されてきた料理方法や風習にはそれなりの理由があります。それを守っている限り日本で食事をするのと何ら変わりはありません。 人間、清潔だけではダメだという事ですね...
現地の下痢薬は効きますが、日本人の軟弱胃腸には効き過ぎることもあり、そうなると大変危険なのでくれぐれも多用しないことをおススメします。