徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

潰瘍性大腸炎およびクローン病治療にFMT

2012年09月30日 | 生命

 安倍さんが自民党の総裁に返り咲いたが、お腹痛は大丈夫だろうか。薬で治ったとおっしゃっているが、ご幼少のみぎりより試験の前などでストレスがかかると症状が悪化した、とご自分でおっしゃっているので、首相などに返り咲いて野党から攻め立てられると、またぞろお腹が痛くなるのではと一有権者としては心配している。

 その安倍さんの病気は潰瘍性大腸炎らしいが原因が良くわかっていない難病である。消化器系、特に小腸と大腸は雲古に常に晒されているので身体の中で最も免疫系の集中している場所です。潰瘍性大腸炎とクローン病は良く似ていて、共に自己免疫反応がその病態らしい。自分の身体を自分の免疫系が攻撃するわけです。

 そこで問題になるのが腸内細菌との関わりです。胃癌の主要因が胃に住み着いているヘリコバクター・ピロリ菌のせいだと言うのは近年明らかになった事実ですが、腸内の細菌群が免疫系と深く関わっていることも明らかになっています。上記二つの病気もこの腸内細菌との関係が疑われています。つまり、腸内が特定の細菌に偏っていて、バランスを崩すとこのような症状が現れるという事。

 この問題に対して非常に簡単だけど、結構とんでもない方法が試されて劇的な効果を表しているようです。それが“糞便微生物移植(fecal microbiota transplant:FMT)”です。なにかというと、この類の病人に健康な人の雲古をお尻から注入するという画期的な医療行為なのです。http://news.e-expo.net/world/2011/11/post-110.html

 多くの人がゲーっと言うかも知れませんが、プロバイオティクスという学問があって腸内細菌の研究が進んできて、免疫と細菌の深い関係が判るにつれ、このFMTが注目を集めているわけです。世の中、清潔一辺倒で除菌ばやりですが、考えてみればお腹の中は細菌だらけで人間と共生状態を作り出しているともいえます。これを化学的な薬で修復するのではなく、健康人の雲古で直す、と言うのは極めて自然で有効な方法だと言う気がしませんか。