徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

中間テスト結果

2012年04月15日 | 海外ボランティア

 一日延期の4月12日に中間テストを実施して、その採点を一応終えました。6問出題して計算問題3問、記述問題3問という内容です。計算問題のうち一問は簡単な引っ掛け問題だったのですが、21人中2名を除き残り全員、見事に引っ掛かってくれました。(2名のうち1名はカンニング臭いので、実際の正解は1名だけかもしれません)

 ブータンの大学はイギリス流インド方式を導入していて中間試験、期末試験、アサイメント、出席日数等がシラバス(指導要領)で厳密に規定されています。 私の担当している科目では中間試験は全体の10%の点数を占め、単独では40%以上取ることを規定されています。だから学生達も落第はかなわ無いので、結構真剣に対応します(と言っても一夜漬けですが...)

 CST(工科大学)の学生を見ていると、他のブータンの大学生に比べ、やや可哀想な感じもします。というのも、工学系の先生たちは兎に角、学生に知識を詰め込むことにやっきな印象があり、宿題や試験をガリガリ学生に強制しています。おかげで、他の大学ではクラブ活動などを楽しんでいるのに、CSTの学生はそんな課外活動の時間など無く、ひたすら教授陣に煽られて詰め込まれている状況に見えます。

 自分の狭い経験からで恐縮ですが、身についた学問、社会にでて己の身を助けた学問、というのは、全て自分が興味をもって自ら進んで学んだ事柄に尽きるような気がします。まあ、学問をする基礎部分の数学や語学などは、否が応でも学ばなくてはなりませんが、高等教育である大学では詰め込みより、学生の個性、才能を自由に伸ばす観点も重要ではなかろうかと思います。

 ということで、採点した結果、全員可もなく、不可もなく、という感じで卒なくこなしている印象です。しかし、前述の引っ掛け問題は、その事象を深く自分で考えていれば正しい回答に至るべきもので、卒なくこなすブータン学生の、実は底の浅さが露呈した感じも受けました。(因みにHoleのフェルミ分布密度を求める問題なのですが、ほとんどの学生が考えなしに電子密度を回答していました) ただ、採点していて、一名だけ極端に出来の良い学生が居ました。普段の講義では目立たない学生なのですが、見事な答案でした。このような才能は大切に育てて行きたいものです。


ティンプーへ行ってきました

2012年04月15日 | ブータン ライフ

 3ヶ月に一回ある、JICAの定例ミーティングに出席するため、首都のティンプーに行ってきました。私の住んでいるインド国境の町プンツオリンから、ティンプーは国道一号線で約150kmの距離です。ブータンの生命線とも言えるインドと首都を結ぶ国道なのですが、いたるところ土砂崩れ、未舗装、路肩崩壊おまけに狭いということで時間は5-6時間かかります。現在、拡張工事を進めているのですが例のごとく工期が遅れていて私の任期中に完了する見込みは薄そうです。

 プンツオリンとティンプーの標高差は2300mほどあり、これを一気に上がるとやはり軽い高度障害が出ます。頭がなんとなく痛くなり、階段の昇り降りで息が弾みます。まあ、意識していなければ気がつかない程度ですが、初日から皆でいっぱいお酒なんかを飲むと、翌朝は結構辛いものがあります。あと、やはり高地なので気温差が10°C以上あり朝夕は冷え込むので、うっかり半袖、Tシャツなんかで行くと寒くてまいります。

 野菜市場ではアスパラガスが旬を迎えていました。これはブータンで最も有名な日本人である、ダショー西岡氏が農業指導の一環として、空港のあるパロ近郊で栽培を始めたもので、今ではパロの特産になっていて、ティンプーに大量に出荷されています。値段は下の写真の束で、走りは150Nu(230円)位でだんだん値段がこなれてきて、今の値段は70Nu(105円)でした。露地栽培なので香りが良く、太くて食べごたえのあるアスパラガスです。

 実は来週、母親がブータンに旅行で来るので、また6時間かけてティンプーまで会いに出かけます。それで帰りにはまた、アスパラを買う事になると思います。