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Gentileza gera Gentileza

2012年07月27日 | ブラジル雑記


「Gentileza gera Gentileza」(ジェンチレーザ ジェーラ ジェンチレーザ)

最近の私のお気に入りの言葉です。
「やさしさは やさしさを つくりだす」とでも訳しましょうか?
「Gentileza」とは、人に愛されるような態度や物腰、誠実なことなどという意味です。
いつも車の聞いている、夕方のラジオのパーソナリティーのお姉さんが、番組の最後で必ず言う言葉です。
口に出していっているうちに、いつのまにか、口癖のようになってしまいました。

夕方渋滞の中を走っていて、別な車線に入りたい。
ウインカーを点滅させ、隣の車に合図をすると、スペースを空けてくれた。
にこっとしてそのスペースに車を入れると、相手もにこっとして合図を返してくれた。
すっかり気分が良くなり、今度は私も別な車に同じことをしてあげることができた。
これって「Gentileza gera Gentileza」。

いつも信号のところで、道行く人にお金を頼んでいるおじいさん。
手足が震えて、歩くのも容易じゃなさそうなんです。
いつも2本の杖にすがって、必死に頼んでいます。
私はそんなにたくさんのお金はあげられない。
なので、毎回1レアル(約50円)って決めて、おじいさんを助けてあげることにしています。
ある日、いつものようにおじいさんの袋に1レアルを入れた。
おじいさん、次に隣の車に言ったら、隣の人は5レアルの紙幣。
よかったね、おじいさん、って思わずほっ。
これって「Gentileza gera Gentileza」

考えてみたら、日常の生活の中に「Gentileza gera Gentileza」はいっぱい隠れています。

もともとこの言葉は、「預言者 Gentileza」として知られるJosé Datrinoという人が、リオデジャネイロの高架橋の下に記した言葉です。
彼のたくさんの言葉の中で、一番有名な言葉。

José Datrinoは1917年4月11日、サンパウロ州の小さな町 Cafélandiaというところで生まれました。



11人兄弟の長男として、小さなころから家の仕事を助け、畑仕事をしたり、荷車を引いて近くの町にまきを売りに行く仕事をしていました。
13歳のときに初めて予言めいたことを口にし、両親は大変心配をしたそうです。
その後、故郷の町を出て、旅をしながら人々に教えを説いて歩きました。
1980年から、リオデジャネイロ出の仕事に取り掛かりました。
Cajú墓地から長距離バスターミナルまで、約1.5kmにある56本の高架橋の橋げたに、彼の言葉、教えを書き記していきました。



冒頭の写真は、その中のひとつです。
1992年の国際環境会議の時には、多くの人に「Gentileza」に」ついて説いてあるったそうです。
彼は1996年5月28日、79歳で家族の住む町 Mirandópolisで亡くなりました。

彼が高架橋に記した言葉は、その後、落書きや排気ガスなどで汚れ、ほとんど消えかかってしまいました。



そこで、リオデジャネイロ市が「Gentileza プロジェクト」を立ち上げ、1999年から2000年にかけて修復作業をしました。
また、彼の言葉を記した56本の高架橋橋げたは都市文化遺産として登録されたそうです。

私がリオにいたとき、何気なく目にしていたこの高架橋橋げた。
本当は大変なものだったのだなと、いまさらながら、驚いています。
たぶん、リオに遊びに来た私の妹たちも、りこぴょんも見ているはず!
リオを離れて10年たって、現在私が一番心に留めている言葉が、実はあの、何気なく目にしていた風景の中に隠れていた言葉なのだと思うと、なんだか不思議な力に導かれているような気持ちになります。

「Genileza gera Gentileza」
そりゃあ、人間ですから、いつもいつもうまくいくことばかりではないでしょう。
でも、この言葉を胸において、自分もにっこり、そしてほかの人もにっこりとできるようにしていきたい、そんな日を生きて生きていきたいと思います。






コメント (2)
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