おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

マリア・ジョアン・ピリス デュオリサイタル 2018年4月26日

2018年04月27日 | コンサート情報
ピリスの日本での引退最終公演に行って参りました。

お弟子さんとの連弾2曲を含むプログラムです。
プログラムは変更になりました。

モーツァルト:4手のためのピアノ・ソナタ ハ長調 K.521
      :ピアノ・ソナタ 二長調 k.576(グレゴリアン)
休憩
      :ピアノ・ソナタ ハ長調 k330(ピリス)
シューベルト:幻想曲 ヘ短調

アルメニア出身のグレゴリアンとの連弾ではピリスがプリモを務めておりました。
ペダルはピリスが踏んでおりました。

最初のモーツァルトが聴きたくてこのコンサートに行きました。
もっとオーケストラのような掛け合いが楽しめる曲だと思いますが今一つ楽しめませんでした。
ただソフトペダルが効果的に使われており、セカンドが踏んでいると思っていたのでグレゴリアンさんよくやっているなと思っておりました。

次のグレゴリアンのソロの時はステージ上に置いた小さなテーブルの席に飲み物を置いてピリスは聴いておりました。
会場とステージ上のピリスが一緒にお弟子さんの演奏を見守っている感じでした。
演奏は正しく良く弾けておりましたが、その雰囲気のせいか学生さんの演奏を聴いているような気がしました。

ピンとこない気持ちで休憩を過ごし、後半のピリスのソロが始まった途端にその音楽に引き寄せられやっと演奏会を聴きに来た感覚になりました。
やはり違います。
全然違います・・

キャンバスに自由に色を置いていっているようでした。
音楽の推進力が比較にならないくらい違います。
そしてわかりやすく形作られておりました。
ダンパーペダルとソフトペダルの使い方が多彩でこれは盗みたい!と耳をそばだてて聴きました。
この時に最初の連弾とぺダリングがそっくりでしたのでピリスが踏んでいたのだと気付きました。
できればあと何度かピリスの生演奏を聴きたいとこの時思いましたが残念ながらこれで最後です・・

最後のシューベルトは聴き応えがありました。

偶然二日前に彼女たちのこの曲の演奏をYouTubeで聴いておりまして良い演奏だと思っておりました。
まさか生で聴けるとは思っておりませんでした。
セカンドのグレゴリアンもピリスによくついて行っておりました。

ピリスの色調の変化にグレゴリアンも同調しておりました。
ピリスのソロのリサイタルでシューベルトを聴いた時に、時間を行き来している感じがしてそれがシューベルトの転調とマッチして時の無常さというものが胸に迫り、ピリスの引退とも重なりこみ上げてくるものがありました。

それがこの色調の変化によるものだったのだと今回の演奏で気付きました。
音楽に対する真摯な姿勢といい、やはり素晴らしい演奏家です。

アンコールは当初のプログラムにあったモーツァルトの子供の頃の作品(9歳)K.19dでした。
この曲ではピリスがセカンドを務めました。
改めてセカンドが上手いと違います・・
セカンドで指揮者がオーケストラを操るように多彩な音と音楽が聞こえてくるとグンと奥行きと立体感が増します。
低音部から音楽が溢れ出ていました!

ピリスの演奏はずっと心の中に残りそうです。

ソロのリサイタルもデュオもドレスがかわいらしかったです。
自然な色合いで華美ではないナチュラルな感じがお似合いでした。
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