おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

「音が読めるようにならない」子供たち2(第4号)

2012年03月14日 | 苦手なことがある子供たち
目を上下左右に動かすことがスムーズに行われないと、本を読む時に行を飛ばしたり同じところを読んでしまったりします。
探し物をすることも苦手です。

音符は五線の中で上下の動きを使い音を書き表しています。それを右にどんどん続けて読んでいきます。
一度に二音以上の音を読むことも珍しくありません。しかも、左手の音は別の段に書かれています。

それらを同時に読むのです。

さらに、音楽は時間の芸術ですので、一定のテンポの中でそれらをスムーズに行う必要があります。
自分が読めるところは速く、読めないところは遅くでは都合が悪いのです。

結構難しいことをしています・・

難しいことができるようになるには、訓練と時間とコツが必要です。それから励ましも・・

「音が読めるようにならない」のは、目を上下左右に動かすことに慣れていないからということがよくあります。
それまで生活の中で眼球を動かすことが少なかったため、音符の丸の位置がよくわからないのです。
昔の子供より遊ぶことが少なくなったことも関係しているのではないかと思います。
  

このような生徒さんには、次の方法を取り入れるとうまくいきます。

<逆あみだと迷路>です。

音楽に関係のないことなのでガッカリされた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、音楽の中だけで解決できないこともあります。

逆あみだとは、普通は上からするあみだを下から行うものです。目は下から上へ動かした方が記憶力が増すと聞いたことがあります。また下から上げる方が意識がはっきりするように思います。そのことと関係があるのかもしれません。
逆あみだは手を使わずに目だけで行います。

線がたくさんあった方が楽しいだろうと、縦に5本の線を作りその間に横線と斜めの線を書き込んだものを初めに作りました。これを小学1年生の男の子に見せたところ、見た途端「わっ、いやだ」と言われてしまいました。

多ければいいというものではなさそうです・・

翌週、縦3本で横線も少ないものを作り、「これならいい?」と言うと、「うん」
よかった。。。

さて、もう一つの迷路。
道を辿っていくのですが、何やら邪魔をする線が所々に書き込まれています。その線に惑わされて進めなくなる生徒もいます。
これも目だけで行います。一つの線をしっかり目で追う訓練です。
迷路図はインターネットで検索をすると出てきますので、参考になさるとよいと思います。

この2つをレッスンの時に「目の体操!」と言ってサッとやってもらうだけで驚くほどスムーズに音が読めます。
これを週に1回程度のレッスンで3~4ヶ月続けると、この「目の体操!」は必要なくなります。

これを15人ほどの小学生の生徒に行いましたが、3~4ヶ月続ける必要があったのは4人だけでした。
中には予想に反して驚くほどのスピードで目を動かすことのできる生徒もおりました。

この生徒が音を読めない原因はここにあらず・・
原因はホントの練習不足・・?

ちなみにこの生徒は、その後譜読みがとても速くなり、元々発想が豊かで熱中するタイプなのでメキメキと腕を上げています。


音が読めるようにならない」子供たち3へ 続きます。

     ー・-・-・-・-・-・-・-・--・・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
追記 2017年1月

<眼球運動について>

眼の動きには大きく分けて2種類あるそうです。

「追従性眼球運動」
特定のものを見続ける目の動き。
本を読む時やものを観察する時に働く眼球の運動機能。動きが良くないと対象から視線が外れやすくなり、読みとばしや手先の不器用さの問題が生じる。

「跳躍性眼球運動」
あるポイントから別のポイントへ素早く視点を移す動き。
視点を動かす眼球運動が機能していないと、何を見ていたかわからなくなり混乱しがち。

~トレーニング法~

・グネグネした線をなぞる
・2つの線にはさまれた間をなぞったり、線に触れないように間に線を書く。
・迷路ゲーム

視覚機能は一度鍛えるとずっと働き続けるそうです。
1~3か月で改善の兆しが現れ、4~6カ月で視覚が適切に働き始めるそうです。
定着させるために1年ほどトレーニングを続けた方が良いとのことです。










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