おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

プア・ジャパンという本

2024年02月04日 | 書籍紹介

常に小さなお子さんと接する職業なので、日本は将来どんな国になっているのだろうと思います。


経済には全く詳しくなく、興味もありませんでしたが、「プア・ジャパン」を読みながら今の日本の状況が少し理解出来てきました。


異次元の金融緩和策が延々と続き、ぬるま湯に漬かりっ放しの輸出企業は新しい技術を開発しなくとも円安により潤い続ける。生産性が上がって潤っているわけではない。

新しい技術開発をしなければ、技術者は育たない。もしくは、高度な技術者は日本にいても役に立たないので海外に流出する。それによりさらに発展は望めない。衰退していく。

円安により、輸入品の価格は上がるわけで物価は上がる。
日本は生産性が低いので企業はコストを掛けられず、賃金が上げられない。

つまり、人件費、設備、原材料などのコストを投入しても大した生産量が上げられなければコスト削減するわけで、そうすると更に微々たる生産性しか上げられないので、その結果賃金が上がらない。

日本はデジタルで大きく後れを取ってしまっているのに、社会構造がそれをスムーズに改善できない構造にある。縦割りというもの。

身近なところでなるほどなと思ったのが、電子マネーカード。
日本は種類が多すぎて情報が共有できない。ひとつにまとまっていたら、様々な店で購買の情報が共有でき在庫管理や発注に活かせる。商品開発にも活かせる。その情報を企業に売れば小売店の収入も増す。

各企業、各役所窓口がそれぞれ独自のシステムを作っているので共有できない。つまり、縦割り。

クラウド上でデータを共有出来たら、海外との仕事も進められるものを日本は縦割り+クラウドに不安を持っていて活用できない。

デジタルの遅れを誤魔化すために、マイナンバーカードを保険証にするとか言っている政府。

日本は未だに製造業に頼っているが、世界は既に情報を大きな産業としていて、時代遅れな日本。


このようなことが書かれていると理解しました。
日本の未来は深刻だろうと思われます。

アメリカと同水準になるには、1ドルが33円位にならないといけないそうで、それだけ差がついているということ。賃金が同水準だった頃もあるのにです。
この数字は1ドル130円だった頃の計算なので、今はもっとあり得ない数字になると思います。



ピアノのメソッドのことを考えても、日本人は「そっちが良いとは思うんですけど」と言って何十年も変わらないので、きっとこの国はこのままなのだと思います。

私は本は電車に乗っている時に読むのですが、スマホを見たりゲームをしている若者たちを見て、そんなことしてる場合かな?と思いました。

今年見た姿で、駅の長い階段を横にした画面から一切目を離さず駈け下りる女の子がいました。朝からたいへんなスピードで通り過ぎた時には、何かの修行かと思いました。忍者のようで滑稽でさえありました。

考える時間をいつ持つのだろうとよく思います。

個人的に、ゆとり教育も問題があったと思っているので、現状を変えようというスピリットは育っていない気がします。


子どもたちには、チャレンジして上手く行かなくとも、またチャレンジできる精神を育てて行けたらと思います。ピアノレッスンはそのような場のひとつになる可能性のある所です。

上手く行かないことは悪いことでも何でもありません。
失敗して恥ずかしいとか悔しいという感情が、次こそはという気持ちになるのです。

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