おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

誰でもできる、ある程度の音楽的な表現

2023年06月18日 | 重力奏法

「不思議な音の国」の著者、イリーナ・ゴリンさんは、誰でもある程度の音楽的な演奏は可能である、と仰っています。

この言葉を聞いた時は、これまでたくさんの子供たちのレッスンをしてきて、そうとは言い切れないと思いました。


しかし、今はその意味が理解できます。
出来る出来ないはあるので、誰でもとは私の場合は言い切れませんが、そういう意味かということはわかります。


「不思議な音の国 下巻」では様々なアーティキュレーションの発音法を覚えます。

一般的な教本ではここまで細かな音のニュアンスは求められていません。
つなげて弾いたり、切って弾いたりすれば良しという進め方になり、正直な所はやくブルグミュラーやソナチネまで進んでくれると、感情的なものと結び付けて音のニュアンスを作り出すことができるので、とにかく速く進んでほしいということになります。

だから、速く進む生徒さんは表現力が付いて行き、そうではない生徒さんは音楽的な表現からは遠いところに漂流することになります。



”誰でもある程度は音楽的な表現ができる”、これは感情的なものと結びつかなくとも出来てしまうということでもあります。

そうならないために、「不思議な音の国」の曲は楽しい気分の曲だけではなく、悲しい曲も多いですし、美しい曲もたくさんあります。
習い始めに短調の曲が一番多い教本かもしれません。


さて、他で習っていて移動してきた生徒さんの場合。
本人と親御さんが、美しい音で弾けるようになりたい、ピアノの弾き方をきちんと習いたいという理由で講師を変えられたのであれば、音楽的な表現ができる技術を身に付けることが出来ます。

音が自分で読める生徒さんでしたら、「不思議な音の国 下巻」を使う必要はありません。
「はじめの一歩」でも良いかもしれませんが、音を作り出す技術に特化したグネーシナの「ピアノのABC」が良いです。





このテキストを使い始めた小学5年生の生徒さんがいますが、ノンレガート、メゾスタッカート、スタッカート、テヌートの弾き方が既に最初の2曲でできます。

生徒さん用に購入しておいたものがあるので現在の4分の1の価格でお渡し出来ましたが、今取り寄せるとこれもたいへんな額になります・・
The Piano Abc Gnesina - AbeBooks

実は、製本する必要がありますが、ダウンロードできます。
きちんと楽譜になったものの方が大切に扱ってくれますが、円安の現在こちらで凌ぐことは出来ます。
ダウンロード→фортепиано азбука PDF

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