おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

結局はノンレガート

2019年07月04日 | 重力奏法
1年程の短期間に20人以上の子供たちにロシアンメソッドでレッスンをすることができたお陰で、奏法を習得しやすいタイプとそうではないタイプがあることに気付きました。

また、途中からでは習得しにくいこともわかりました。

私は楽器店で教えているだけですので、全員週1回レッスンで、ほとんどの生徒さんは30分レッスンです。
その限られた時間で正しく習得することは容易なことではありません。
まだ結論を出すのは早いかもしれませんが、次の生徒さんはこのメソッドで教えても上達が難しいと感じます。

▪指の力みが強い
▪一人でレッスンを受ける

手の使い方、音の出し方をしつこくやりますので、一人でレッスンを受けて一人でそれを練習で実践するのは子供には無理です。

指の力みは、週に1度のレッスン時に講師が直すだけでは直りません。
指の力みの原因はいくつかあります。

①鍵盤を押して弾こうとする
②第1関節の支えが弱い
③手首が下がっている

①に関しては、上から置く様に毎回注意して手を持っても直らない生徒がいるので、感覚として気付かない限りは直らないと思います。
②③は本人の意識が芽生えれば直せます。ただ、練習でいつも気を付けて見て下さる保護者の方が必要です。それをしてまで良い音で音楽を表現できるようになってほしいとお家の方が思っていらっしゃるかです。

ナチュラルな手でも注意が必要です。
いつの間にか違う弾き方に変わっている場合があります。

これは電子ピアノの影響があると感じます。
音を聴いて判断できないので、表情のある音とそうではない音の区別がつけられなくなるのです。いつの間にか鍵盤の奥の方に向かって突くように弾く生徒が現れました。
この弾き方は無愛想な音を作り出します。

ただ、このメソッドで始めなかった生徒はもっとひどい音で弾きますのでそれよりはまだ···

途中から奏法を直すには、重みをかける感覚がわからなければ無理です。
そのためには、ノンレガートでやるしか方法はないと思います。
最近読んだ「ロシア·ピアニズムの贈り物」にも、講習会で一音一音手首を使って弾かせていた話が書かれていました。

大人や中高生の生徒さんにもこの奏法を教えてみましたが、結局はノンレガートでそれを知らなければわからないという結論に達しました。
私自身もそうでした。

この奏法は音楽を表現するためのものです。
そうなってほしいのでこの奏法でレッスンをしているのですが、保護者の方がそこまで望んでいない場合もあるように思います。

私も図々しい年齢になったもので、それに合わせる必要はないと思っています。
ピアノの音ではない音でピアノを弾いてもそれは騒音や雑音です。
ただ、生徒さんの状態に合わせてどこまでやるかは考えて進めています。
弾き方でどこまでのことが可能かは分かりますので。

なんだか冷たい人間になった気分です。
きっと自分もそんな風にレッスンを受けていたのだと思います。
気付かなかっただけで···

ロシアンメソッドという名称ですが、ロシアンピアニズムと混同されやすいので、重力奏法という言い方に直します。
この奏法で美しく表情のある音で音楽を表現してほしいだけで、ロシアの伝統的ピアニズムを再現したいのではありませんので。
ロシアで勉強してもいない、ロシア人に習ったのでもない人間がそんなおこがましいことは出来ません

コメント
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