おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

ジェロのもう一つの意味

2017年11月16日 | 重力奏法
連続してご紹介している「スライム」。

ゴリン先生は「ジェロ」とおっしゃっているのでそのように改めてお伝えいたします。

これまでこの「ジェロ」は、
①指が鍵盤に吸い付くような感覚を知ってもらう
②打鍵の方向のばらつきをなくし、なめらかで歌うような音を持続させる

このれらのことを身に付けるために私は使ってまいりました。

しかしもう一つ、とても大切な感覚を知ってもらうために使えます。

それは「長く持続する美しい音」を作り出すための深い打鍵です。

これもボリス・ベルマン著「ピアニストからのメッセージ」にありますが、ラフマニノフが次のように言っているそうです。

『指から根が伸びて鍵盤の中に入っていく』ように弾きなさい、と。

ゆっくりと鍵盤に沈み込み、根が一か所で止まることなく伸び続け、音が出た後もなお、打鍵の瞬間などなかったかのように鍵盤に持ち込まれた重みは抜けずに鍵盤の中にとどまり、同じフレーズの次の音に注がれる、という意味だそうです。

この感覚、以前はピンときませんでしたが今はわかります。
初級の生徒でもできます。
ただ、すぐにできなくなるので何度もやって覚えなくてはなりません。

ソナチネを弾いている生徒でしたら、長いフレーズでも一音も響きを損なうことなく弾けます。
一音ずつ足していくことをするので僅かに時間はかかりますが、「マネしてみて」と横でどんどん弾いて行くと生徒は付いてきます。

生徒の音を聴きながら、「うわっ、ロシア人みたいだ」と内心驚いております。

コメント
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