「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

福岡県赤村・みやこ町犀川  平成筑豊鉄道「第二石坂トンネル」

2023-08-01 05:38:22 | 橋 ・ 鉄橋 ・ ダム ・ 隧道・道

登録有形文化財の第二石坂トンネルは完全な複線断面(赤村側)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行橋側から見た第二石坂トンネル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竣工    /  1895年 ( 明治28年 )
技術顧問 /  ヘルマン ・ ルムッシュテル (ドイツ)
第一石坂トンネル 延長 33.2m
第二石坂トンネル 延長 74.2m
■  登録有形文化財


石坂トンネルは九州で一番古い鉄道トンネルである。

その路線が走る豊州鉄道は、

北九州と田川、伊田、添田などの産炭地を結ぶ鉄道として

1895年(明治28年)に開業したもので、

その後1901年(明治34年)に九州鉄道に合併され、後に国鉄田川線となった。

この区間は将来複線化を念頭に建設されたため、

2本あるトンネルはいずれも複線断面で建設されたが、

結果的には単線で使用したまま今日に至っている。
 

この2本のトンネルは、九州最初の鉄道トンネルとして記念すべき存在で、

建設当時の姿を良好に保っている。

構造と断面は隣接したトンネルでありながら両者で異なっており、

第一石坂トンネルは側壁と

迫石の下半分が素掘りの岩盤になっているほかはすべて煉瓦構造で、

パラペットの煉瓦には装飾的技法が見られる。

一方、第二石坂トンネルの履工はすべて煉瓦積みであるが、

坑門は製層切石積みで出来ている。

断面はどちらも独自のもので、第二石坂トンネルは完全な複線断面であるが、

第一石坂トンネルは山側の岩盤が未掘削のまま残されている。

なお、田川線はJR九州を経て、

1989年(平成元年)に第三セクターの平成筑豊鉄道へ経営が移管されている。

 

豊州鉄道はイギリス人技師の指導により建設したが、

九州鉄道建設にあたっては、

技術顧問としてドイツ人でプロシア国有鉄道機関監督の職にあった

ヘルマン・ ルムッシュテル氏を招請し、

橋梁、レール、機関車、客貨車などの資材をドイツから輸入し、

ドイツの技術協力による鉄道の建設は当時としては他に類例がなかった。

 


石坂トンネルへのアクセス

石坂トンネルへは、平成筑豊鉄道の「源じいの森温泉駅」下車、徒歩約3分。

駐車は、「源じいの森温泉」または「研修センター・キャンプ場」の駐車場が無料で利用できる。