新聞やテレビでも大ニュースになっていますが、袴田巌さんの再審が決まり、釈放されました。私はこの事件の名前くらいは知っていましたが、こんなに大きな問題だとは知りませんでした。
事件から47年あまり。人殺しの罪で死刑の判決を受けて、死刑の恐怖におびえながら拘置所の中での生活、考えるだに恐ろしいことです。47年といえば人生の大半を占めます。30歳から78歳までの人生を失ったのです。
静岡地方裁判所の決定は、最大の証拠である着衣を、袴田さんのものでも被害者4人のものでもないと指摘しました。その認定にもとづいて、証拠が後日ねつ造された疑いが強いと指摘しています。官憲による証拠ねつ造という重大な疑いが生じたことになります。
DNA鑑定技術の向上によって再審が決まったといわれています。それも事実でしょう。技術の発達が無実の人を救うために役立ったのは喜ばしいことです。
昨日の決定で一番大事なことは、警察、検察による証拠のねつ造の疑いが強いということです。もし「決定」が言う「ねつ造の疑い」が事実ならば大変なことです。警察か、検察か分かりませんが、いずれにしろ国の機関が、袴田さんを死刑の名のもとに殺そうとしたのです。証拠の見間違いや過失ではありません。故意に人をおとしいれて殺そうとしたことになります。全貌を明らかする必要があるでしょう。それなしにはこの国に安心して暮らすことが出来ないことになります。
地裁は即時釈放という決定をしました。これもまた異例なことだそうですが、「無罪の蓋然性が相当程度あることが明らかになった現在、これ以上拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する状況」と指摘して釈放を決定しました。検察は釈放を止めようとしましたが裁判所はこれを退けたそうです。当然のことでしょう。
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