日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

教育を戦前に戻し、一層の競争主義をあおることが目的 ――― 教育委員会改編の法案

2014-04-22 09:50:31 | 日記

政府は教育委員会の仕組みを大きく変える「法案」を国会に提出しました。この「法案」に対して多くの人から危惧の声が上がっています。どんな法案なのでしょうか。

教育委員会という言葉はよく聞きますが、実際にどんな仕事をしているのかあまり知られていません。教育委員会はすべての都道府県、市町村におかれています。一言でいえば公立学校の管理、教職員の人事、教育への指導、図書館、公民館、スポーツ施設の管理などを行っています。

教育委員会は他の行政組織とは違う特徴を持っています。国や首長から独立しているのです。政府の「法案」はその独立性をなくそうとするものです。

「法案」によると、首長(知事、市町村長)は教育政策の大本になる「大綱」をきめます。教育委員も教育長も、この大綱に即して教育行政を行わなければなりません。

しかもこの「大綱」は政府の「教育振興基本計画」を「参酌」して作ることが求めらっれます。簡単にまとめてしまえば、首長は政府の言うことを聞かなければならないし、教育長は首長の言うことを聞かなければならないのです。

おまけに、これまで教育長は教育委員会が任命していましたが、この「法案」では首長が任命することになります。しかも教育長に教育委員長の役割を与えます。これだけ整えれば政府の方針が教育委員会まで全部貫徹することになります。

教育委員会の制度は1948年、選挙で選ばれた教育委員会が教育の在り方を決める民主的な制度として発足しました。これによって戦前、戦中の中央集権的な教育から抜け出すことができました。

その後、歴代の自民党政権のもとで、教育委員会の公選制は廃止され、次第に有名無実の存在になってきました。しかし、まだ当初のいい面も残っています。たとえば島根県松江市で、教育長が「はだしのゲン」を学校図書館から取り除いたときに、教育委員会がその決定を取り消しました。これは教育委員会が首長から独立していたから出来たことでした。

政府はなぜこのような「法案」をだしてきたのでしょうか。安倍首相は日本の過去の侵略戦争を美化する教育をしたいのではないでしょうか。「そこまでするんですか」と考えられるかもしれません。しかし、戦争中の小学生だった私(pe-chang)にはそう思えるのです。安倍首相は、靖国神社に参拝して、侵略戦争を指導して戦犯の罪に問われ絞首刑になった東条首相以下の霊に対する尊敬の意思を隠しません。安倍内閣は沖縄県竹富島に、太平洋戦争を「アジア解放のための戦争」と主張する教科書を押しつけようとしています。

下村博文文部科学大臣は「教育勅語」を「しごくまっとう」といいました。「教育勅語」など知らないという人のために、一言注釈しますと、「教育勅語」は明治天皇の国民への命令で、戦前に教育の中心とされたものです。内容としては、もっともらしく「親孝行」、「夫婦や兄弟は仲良く」「勉強しろ」などといいながら、結論としては、国に重大なことがあれば、天皇のために命をささげることをもとめたものでした。「教育勅語」は戦後廃止されましたが、政府は、これを復活させようとしているのです。

こんな総理大臣、文部科学大臣がいる政府のもとで、「法案」のように教育委員会を上意下達の組織にしてしまえば大変なことになるのは明らかです。

政府の狙いの一つは、教育に競争主義を持ち込むことでしょう。第一次安倍政権では「全国学力テスト」を始めました。このテストのおかげで「点数がすべて」という風潮を作りだしました。このため多くの教育委員会は「点数が独り歩きすると学校での教育が歪む」と考えて、慎重になっています。このような状態をあらためて、政治的な圧力をかけて「全国学力テスト」による競争の態勢を作ろうというのが、この法案のもう一つの狙いではないでしょうか。



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原発再稼働を進める「基本計画」より、再生可能エネルギーの利用の方がいいと思いませんか

2014-04-17 21:19:38 | 日記

政府は11日「エネルギー基本計画」を閣議決定しました。「基本計画」は原発を「重要なベースロード電源」と位置付けて、今後も原発を使い続けることを決めました。

 3年前の福島第一原発の事故は収束したのでしょうか。これから廃炉に向かうことになっていますが、どうやって廃炉したらいいのか方針すら決まっていません。原発からは毎日大量の汚染水が出来ています。タンクにためてもあちこちで漏れています。この汚染水をどうしたらいいのかまだ誰にも分かっていません。

こんなことになった事故の原因も、地震だったのか、津波だったのか分かっていません。こんな状況で原発を再稼働してもいいものでしょうか。

政府は「世界一厳しい安全基準」があるから大丈夫といいます。しかし原子力規制委員会の委員長は違うことを言っています。安全基準を守っていても、絶対に事故が起こらないという保証はないというのです。

これまで世界ではアメリカのスリーマイル島、ソ連のチェルノブイリで大事故が起こりました。そうして福島の事故です。原発に絶対の安全はありえないのではないでしょうか。

その上日本は地震大国、津波大国なのです。「絶対安全」などと言えるはずはないと思います。これでは大震災前の「安全神話」の繰り返しになるのではないでしょうか。

この「基本計画」を財界は大歓迎しているそうです。財界は安倍首相を動かして世界中に原発を輸出しようとしています。原発を輸出するためには「危険だから日本では原発は使わない」などと言えないのでしょう。安全を売り物にするためには国内でも再稼働しなければならないというのでしょうか。私には、もう一つ理由があるように見えます。原発を輸出するには相手国に技術者を育てなければなりません。輸出先の技術者を訓練するためにも日本国内の原発が必要なのではないでしょうか。それから技術指導するために日本の技術者を訓練することも重要でしょう。

こう見てくると今回の計画は、国民の安全よりも原発輸出という「商売」のために再稼働するのだと見てもいいと思います。

私はこのような「エネルギー計画」に反対です。原子力を使うよりも、再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱 など)を使って基本計画を作るべきではないでしょうか。ドイツのように全電力の20%以上を再生可能エネルギーで賄っている先例があるのですから、必ずできるはずです。

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日本女性の働き方、日本政府は改善すべきだ ―-― OECD事務局長講演

2014-04-13 16:12:09 | 日記

 「しんぶん赤旗」にこんな記事が出ていました。自宅でとっている朝日新聞は全く取り上げてませんでした。

ネットで調べたところ、他の新聞はあまり取り上げていないようでした。日経新聞が、もう少し短かく取り上げていました。グリア氏が女性の問題に触れたことを中心に書いていました。

このシンポジウムの主催者一つである日本政府の外務省が書いている公式サイトはどうでしょうか。もちろんここには、グリア氏の発言は出ていますが、短い要約だけです。しかも奇妙なことに、グリア氏が日本の女性問題にふれた事はまったく書いてありません。日本政府の痛いところを突かれたため、意図的に編集したのでしょうか。

以下は「しんぶん赤旗」の記事の全文です。

 経済協力開発機構(OECD)のアンへル・グリア事務総長が東京都内で開かれた「OECD曰本加盟50周年記念シンポジゥム」(9日)で、日本の女性の働き方の問題にふれ、「選択の余地はなぃ。曰本は改善に動かなければならない」と強調しました。

 曰本の女性の働き方について、(1)労働参加率が低い、(2)賃金が男性と比べて27%低い、(3)非正規の約7割が女性、(4)労働環境が男性に有利になるようつくられている―――などの問題点を指摘したグリア氏。「しかも育児だけでなく、家族の終末期の面倒も見なければならない。女性の6割が子どもが生まれたときに仕事を辞めている事を辞めている。これはひどい」とも語りました。

グリア氏は「その結果、日本の使用者は女性のキャリアチャンスに投資をしない。大卒の女性も一般職に配置されてしまう」教育レベルは女性のほうが高い。ところが、せつかくの(有能な女性という)資源が利用されていない」と強調しました。さらに、日本政府が保育所などの就学前の施設に国内総生産(GDP)のわずか0.4%しか予算を投じておらず、デンマーク、フランス、スウエーデンの予算の3分の1だとも指摘しました。

グリア氏は深刻な格差社会で知られる新興国・メキシコの元財務相。そのグリア氏の目にも、日本の女性の働き方や貧弱な子育て支援の実態は異常と映ったようです。

 

 

 

 

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林先生。こんな放送を止めるのは「今でしょ」

2014-04-08 22:54:54 | 日記

さっきテレビを見ていて気がつきました。

テレビ朝日の「林修の今でしょ講座」です。色々なテーマについて林修氏がゲストに質問して時事問題について理解を深めようという番組です。その中で消費税についての時間がありました。

消費税について色々な問題が取り上げられていました。林氏の質問に岸博幸氏が答えていました。その中で驚いたことがありました。

国家予算が膨らむ原因として無駄遣いがあるということが話題になりました。まず林氏が無駄遣いの代表として公共事業を上げました。これに対して岸氏は、公共事業は以前には無駄遣いの代表だったが、今では社会保障が一番の無駄だというのです。この説明には耳を疑いました。

いま国民を苦しめている大きな問題は消費税の増税です。このことは国民がよく知っていることです。しかし岸氏は公共事業でなくて社会保障が一番の無駄遣いだというのです。

いまの政治の動きをみれば、アベノミクスの第三の矢は公共事業の拡大に向かっています。「国土強靭化」などといって公共事業を急速に拡大しています。一方で社会保障費は、年金、医療、介護などすべての分野で縮小されています。これでも無駄遣いなどといわれてはたまりません。

岸氏が社会保障が無駄だという時に根拠として挙げたのは、一つだけでした。国民の掛け金だけでは社会保障費のごく一部しか賄えないという事実でした。

物事は根本から考える必要があります。社会保障費は国民の掛け金と釣り合わなければならないなどと、だれが決めたのでしょうか。だれもそんなことを望んではいません。

社会保障というのは、もともと憲法に定められた国民の権利なのです。憲法25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と書いてあります。「国民の掛け金で行え」とは書いてないのです。今の日本の経済力で、無駄遣いさえしなければ、すべての国民が「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことが出来るはずです。まずは国民の生活を考えるのが大事なことです。軍事費や公共事業に無駄なカネを使うのは二の次の問題でしょう。岸氏は問題をさかさまに描いて見せたのです。

岸氏は最後に「言いたかったこと」をまとめて見せましたが、その第一は「消費増税は仕方がない」、「国民は増税に耐える力を持っている」というものでした。

消費税増税に国民が悲鳴を上げ、怒っているこの時に、政府の言い分をそのままに、国民に増税を受け入れさせるためのこのような番組を、公共の電波を使って流すのを見逃すことはできません。テレビ朝日の見識を疑います。

 

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大下英治著の「日本共産党の深層」(イースト新書920円+税)を読みました。

2014-04-04 11:12:49 | 日記

大下英治著の「日本共産党の深層」(イースト新書920円+税)を読みました。

著者の大下英治氏は元「週刊文春」特派記者、トップ屋。数々のスクープがあるが「三越の女帝・竹久みちの野望と金脈」がある。作家として独立してからは「小説三越・十三人のユダ」「実録田中角栄と鉄の軍団」「美空ひばり時代を歌う」「悲しき歌姫藤圭子と宇多田ヒカルの宿痾」など多岐にわたる著書がある。

 

どんな内容なのか。著者が「はじめに」に要領よくまとめているので、長くなりますが、全文引用してみます。

結党九一年、日本共産党は、治安警察法下の大正一一年七月、東京•渋谷で非合法政党として産声をあげた。国内最古参の政党として、戦前•戦後から、時の権力に抗して主権在民と反戦の旗を掲げてきた歴史を持つ日本共産党は現在、「反原発、ブラック企業告発、九条堅持」の砦として活気に満ちている。

平成二五年夏の参議院選挙で、共産党は、なんと、比例代表選挙での「五議席絶対確保」の目標を達成し、三つの選挙区で勝利して、改選前の三議席から八議席へ大躍進を果たした。これで、参議院では、非改選と合わせて一一議席となり、議案提案権を得ることができた。

比例代表選挙の得票では5,154,000票(9.68%)を獲得し、前回参院選の356万票を159万票、ー昨年の衆議院総選挙の369万票を146万票、それぞれ上回った。

 

久々に共産党が勢いづいている。

東京選挙区での30歳の吉良よし子の選挙戦は、特に眼を見張るものがあった。

吉良の姓キラを取り、「キラキラサボーターズ」なる勝手連が、まるで芸能人の追っかけか、と思わせるほど神出鬼没の大活躍をした。

フェイスブックで、「勝手連キラキラサボーターズを始めます」というぺージが立ち上がり、注目を集めるようになる。キラキラサポーターズという名前も、有志がつけた。

脱原発運動への行動を中心にまとめた写真集『KIRAry☆Diary政治家吉良よし子舂夏秋冬』まで発売した。

キラキラサポーターズは、「どうせやるんだったら、盛り上げよう!」ということで急遽その場で、総理官邸前行動でおこなうコールが考えられた。

「原発なくそう 吉良よし子 憲法守ろう 吉良よし子 増税反対 吉良よし子」

サボーターたちは、吉良の遊説日程ブログをチェックしては現地に足を運び、コIルを実践した。これが、大変盛りあがる。サポーターたちは、ツイッターやフェイスブック、アメーパブログを通して情報を共有し、相談しては応援日を決め、どんどん集合した。

吉良がしゃべっている演説中には、もちろんキラキラコールをすることはできない。そ

のかわり、合いの手のように楽器を鳴らすのだ。

「ブラック企業は、許しません!」

ドコ、ドン。

「原発、反対!」

ドコドン。

このように底抜けに明るい選挙運動を見ていて、共産党がかって「アカ」と呼ばれ、凄まじい弾圧にも屈しないで主張を貫いてきたことを知る人は少なくなってきているのではないか、と思った。

平成20年の一年間だけで、売り上げが各社の文庫版、マンガ版などの総計で220万部を突破した『蟹工船』の作家小林多喜二は、戦前の日本が15年戦争へと向かう軍国化の時代に抗い、平和と国民が主人公の社会の実現を目指して闘った共産党員であった。昭和8年2月20日逮捕。警視庁特高係長の指揮の下に、寒中丸裸にされ、握り太のステッキで打ってかかられた。節を曲げなかった小林は、ついに死亡した。小林の遺体は、全身が拷問によって異常に膨れ上がっていた。特に下半身は内出血によりどす黒く腫れあがっていたという。29歳の若き死であった。

このように治安維持法下の大弾圧で多くの共蹇負が投獄されたが、生きのびるために共産党を離れた党員も多い。いわゆる「転向者」である。

転向者の中には、資本主義の欠点と矛盾を突き、資本家側に転じて、かつての視点も活かし、華やかな活躍を見せた人物もいた。

しかし、戦前の大弾圧時代にも、決してひよることなく戦い抜いたのが、戦後、日本共産党中央委員会議長として、共産党のシンボル的存在であった宮本顕治である。

読売新聞グルーブ会長•主筆の渡邊恒雄も、意外と思う人もいるであろうが、昭和20年4月、東大文学部哲学科に入学後、戦後間もなく日本共産党に入党した。渡邊はその後、除名されたが、のち、「回想録」で宮本を高く評価している。

「若い頃は、『改造』の懸赏論文で小林秀雄と競ってトップになった「『敗北』の文学」

を書くようなインテリだし、(第二次)共産党壊滅後は獄中で一四年、網走だけでも 12年も耐えられた精神力を持った人だ。戦後、どんどん指導者が党を除名され没落してゆくなかで、最後まで生き残った政治力は、保守政治家も学ぶべきものがあると思う。やはり一流の政治家だよ。宮本顕治は歴史に残る、滅多に出ない人材だと思う」

なお、共産党文昭和30年7月の第6回全国協議会、いわゆる「六全協」で、党の統一

を回復する。

戦前、戦後の戦いから、今日までを、今回の取材で明らかにした。

志位和夫委員長は、参院選の躍進を受け、語っている。

「いよいよ本格的な“自共対決”の時代を迎えている」

反自民党の受け皿となる政党は、共産党しかない。そのことが参院選の結果からも共産党が支持された理由といぅのだ。

平成26年1月15日から4日間、日本共産党は第26回党大会を静岡県熱海市の伊豆学習会館で開いた。志位が大会への報告に立った。

「東京都議選、参院選で開始された党躍進を一過性のものに終わらせず、日本の政治を変える大きな流れへと発展させ、2010年代を党躍進の歴史的時代にしていく。戦争する国づくり、暗黒日本への道を許さない」と訴えた。

昨年の臨時国会で採決された国家安全保障会議、日本版NSC法や秘密保護法、それに続く「国家安全保障戦略」の閣議決定、その延長線上に浮かびあがる自民党政治を安倍内閣の「海外で戦争する国」づくりへの野望と断じ、

1•憲法九条を改変し、自衛隊が米軍とともに戦闘地域で戦争行動ができるようにする。

2,「専守防衛」の建前すら投げ捨て、自衛隊を海外派兵の軍隊に大改造する。

3,「海外での戦争」に国民を動員する仕組みをつくる。

と三つの点から批判した。その上で、

l   憲法九条改変、「戦争する国」づくりに反対し、憲法を守り活かす闘いを発展させる。

l   軍拡計画をやめさせる。

l   秘密保護法の廃止や共謀罪の新設を許さず、「愛国心」押し付けを拒否する。それぞれの論点で、「日本の理性と良識を総結集した大闘争に合流•発展させよう」と訴えた。

また、「戦争する国」つくりに抗して、「北東アジア平和協力構想」が平和と安定をもたらす最も現突的で抜本的な方策だ、と力説した。

さらに、昨年夏の参院選での議席増による「第三の躍進」を本格的な流れにすることが「21世紀の早い時期に民主速合政府を樹立する目標への展望を開く」と強調した。

具体的な数値目標として、三年以内におこなわれる次期衆院選では、比例で650万票、得票率10%以上の獲得、2010年代に党員を現在の30万5千人から50万人に増やす。「しんぶん赤旗」を日刊紙•日曜版を含めて、現在の約124万部から、ほぼ倍の250万部に伸ばす方針を打ち出した。

昭和二23年、東大法学部政治学科在学中に日本共産党に入党の松本善明は、白信に満ちた表情で言い切った。

「国民の曰本共産党に対する印象が大きく変わってきていることを実感している。かつてのようなアレルギーを感じる人は少なくなってきている。特に若い有権者たちは、純粋な眼で日本共産党の政策や考え方に関心を持ってくれている。50年以内には、与党として日本共産党の政策を実現していくのも夢ではないと実感している。世界情勢の変化も追い風になる、と分析している。共産党から総理大臣が出るには時間がかかると思うが、ここ20年から30年の間に、閣僚を出すことは夢ではない」

果たして、その夢が実現されるのか、それともあくまで夢に終わるのか……。

「はじめに」を読まれてお分かりかと思いますが、やさしい文章で読みやすい本です。週刊誌記者らしく、人物のエピソードが多い文章です。もちろん党員ではないのだとは思いますが、宣伝臭さはありません。反対に共産党をよく知っている方には食い足りないところがあるかもしれません。私は週刊誌を読む気分で気楽に読んで、「こんなことがあったのか」という発見もありました。

共産党について知るために読んで損をしない本だと思います。


 

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