日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

安倍晋三氏の靖国神社参拝(3)

2013-12-29 21:33:30 | 日記

安倍晋三氏は「戦場で散った英霊のご冥福をお祈りし、リーダーとして手を合わせる。世界共通のリーダーの姿勢だ」と説明する。本当に世界共通なのだろうか。

28日の朝日新聞の朝日川柳に次のような川柳が載っていた。

    この次も死んでくれよと奉る(東京都 鈴木英人)

私はこの川柳が的を射ていると感じた。

靖国神社はなぜ創られ、(戦前までは)天皇も参拝する特別な神社になったのだろう。

靖国問題について研究した哲学者高橋哲也氏の考えを聞こう。
明治28年の「時事新報」(福沢諭吉が社主を務めた新聞)の論説に答えがあるという。日清戦争が終わったこの時期、同紙はこういう。(現代文で要旨のみを紹介する)

東アジアの情勢は緊迫していて、いつまた戦争になるかもしれない。戦争になったら何に依拠して国を守るべきなのか。それはまさしく死を恐れずに戦う兵士の精神にほかならず、したがって、その精神をやしなうことこそ国を護る要諦である。それを養うためには、可能なかぎりの栄光を戦死者とその遺族に与えて、「戦場に斃れることが幸せだということを感じさせ」なければならない

首都東京に全国戦死者の遺族を招待して、明治天皇自らが祭主となって死者の功績をほめたたえ、その魂を顕彰する直後を下すことこそ、戦死者とその遺族に最大の栄誉を与えること、そして国民に「戦場に斃れることが幸せだということを感じさせる」ことになるのだ。

高橋哲也氏は、このことこそ靖国神社の目的だと主張する。まさに、さきに引用した川柳そのものです。次の戦争に行って「名誉の戦死」を遂げる兵士を作ることが靖国神社の目的だと言ってよいでしょう。

言いかえれば戦死者の遺族に、息子や父、夫がなくなった悲しみを忘れさせ、国の名でほめたたえ、天皇が名誉を授けることによって「幸福」を感じさせる、遺族の感情を操作する「感情の錬金術」を行うことこそこの神社の目的だと言ってよいでしょう。

安倍晋三氏の説明に即して言えば、かれは再び国民を戦争に行かせようとして靖国参拝にこだわっていると考えられます。

(参考) 高橋哲也:靖国問題 ちくま新書、2005年



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安倍晋三氏の靖国参拝(2)

2013-12-27 11:11:19 | 日記

この主題について昨夜書きましたが、もっと書きたいことがあります。

一つは、この問題は韓国や中国の問題ではなく、我々日本人の問題だということです。中国人や韓国人を怒らせるから問題なのではなく、われわれ日本人が怒らなければならない問題だと思います。

今朝の朝日新聞で読みました。

元学徒兵で、東大名誉教授の石田雄氏は 「特定秘密保護法で情報を統制し、道徳を教科に格上げすることで子どもたちに愛国心を教え込む。靖国参拝にあたり『不戦の誓いを堅持していく』と首相は言ったが、再び軍国青年を作ろうとしているようだ」と語っている。

作家の入江曜子さん(78)は「日本を取り戻すという安倍さんはいったい、どの時代に戻そうとしているのでしょうか」「個人の信条に左右されて動いてはいけない」、「『日本よい国きよい国、世界に一つの神の国』と教えた国民学校(戦時中の小学校)の教育」そのものであると受け取り、「殺されたり侵略されたりした側の痛みを感じられない自国中心主義も、安倍政権の現状に通ずる」、「戦争に対する認識が甘すぎる。この先の日本は、決して明るくありません」と語っています。

戦前の同じ道、戦争への道を進もうとしていると憂慮する点では同じです。私もこのような憂慮を共有します。私たち自身が再び戦争の道を進まないためにも、安倍首相のこのような姿勢に対し”NO"という声を挙げていきたいと思います。

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安倍晋三氏の靖国神社参拝

2013-12-26 21:59:29 | 日記

安倍晋三氏が今日靖国神社を参拝した。これを怒らないでいられようか。

靖国神社は日本軍国主義の象徴です。この神社は日本の戦争の兵士を顕彰する場です。戦争に行った軍人をほめたたえる神社です。日清戦争、日露戦争に始まる日本の侵略戦争で犠牲になった人をほめたたえる場所です。戦争犠牲者を悼む場所としては千鳥ケ淵戦没者墓苑があります。lこの二つを厳密に区別する必要があります。

靖国神社にはA級戦犯が祭られています。日本を侵略戦争に導き、中国、朝鮮をはじめとしてアジアの人々を苦しめた戦争の首謀者たちです。日本の侵略戦争はアジアの何百万の人々を犠牲にしました。そればかりか日本人兵士三百万人を犠牲にしたバカ入りでなく、東京大空襲をはじめとする空襲、広島、長崎の原爆犠牲者を生みだした戦争の首謀者です。アジアの人々が許さないだけでなく、日本の我々にも許せない戦争犯罪人です。このような犯罪人が祭られている靖国神社を総理大臣が参拝するようなことがあってはなりません。

日本はドイツ、イタリアを同盟を結び、世界征服の戦争を始めました。昭和20年日本はポツダム宣言を受け入れ日本軍国主義を根絶することを誓いました。そうして新しい憲法を作り、世界と日本国民に対し、二度と侵略戦争をしないこと、軍国主義を復活させないことを誓いました。ドイツもまたナチの復活を許さないことを誓いました。この誓いが第二次大戦後の世界秩序のもとになりました。日本は世界に向かって軍国主義を復活させないことを公約したのです。私たちはこの公約を守らなければなりません。安倍総理は世界に対する公約を破りA級戦犯にお参りをしたのです。これを許してよいいでしょうか。多くの日本人は許さないでしょう。またアジアの人々、世界の人々も許さないでしょう。テレビでは中国、韓国政府からの抗議、アメリカ政府の反応を伝えています。これらの国が安倍総理の行動を容認することはないでしょう。日本の我々も戦争の惨禍を繰り返さないため許してはならないと思います。

日本と対比されるのはドイツです。ドイツはナチズムの痕跡をなくすため徹底した非ナチ化を行いました。ドイツでは今でもヒトラーやナチを称揚することは犯罪とされています。これと比べて日本ではあまりにも手ぬるいのではないでしょうか。少なくとも日本国政府がA級戦犯に参拝するようなことは止めるべきでしょう。

いま中国や韓国との領土紛争や反日運動を口実に総理の靖国神社参拝を容認する風潮があります。しかし、この二つを一緒にしてはならないと思います。

私はこのニュースを今年最後(?)の悲しいニュースとして受け取りました。

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北朝鮮からの悲しいニュース 政治弾圧について

2013-12-13 21:39:13 | 日記

悲しいニュースが飛び込んできました。北朝鮮のNo2張氏が処刑されました。こう言っても私は張氏のことをほとんど知りません。ニュースで聞く程度の知識しかありません。私は張氏のために悲しんでいるのではなく、人間の世界にこのようなことが起こることを悲しんでいるのです。政治的な意見の相違は言論を戦わせることで解決する―――これが民主主義の原点ではないでしょうか。私は北朝鮮が独裁国家であり、「金王朝」が支配する国であることをよく知っています。それでもなお、この事件が人類の歴史に汚点を残したと思い、このような事件が起きたことを悲しいことだと思います

おもえば、政敵を刑場に送ることで支配を維持することは何度も行われてきました。ドイツでは政敵ばかりかたんにユダヤ人だと言うだけの理由で何百万人の人を殺しました。ソ連でも、スターリンは多数の政敵を殺しました。そればかりか何の理由もなく大勢の国民をシベリアに送ったり、殺したりしました。ポルポト時代のカンボジアもそうでした。日本では反戦平和を唱えた人々を刑務所に送り、小林多喜二の用に殺され人たちや、三木清、市川正一のように獄中死した人もいます。投獄された人たちは数知れません。当時日本の植民地だった朝鮮ではもっとひどいことが行われました。独立運動のためソウルの西大門刑務所に捕えられたり、死刑になった人も多いと言われています。残念ながらこの刑務所に捕えられた人の数も、死刑になった人の数も知られていません。

20世紀の歴史の中で繰り返された政治的暴力が、また繰り返されたことが残念でたまりません。今後このような政治的暴力が二度と起こらないことを望みます。

悲しい思いでここまで書きましたが、この主題についてはもう一度書くことにします。


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日本産業のガラパゴス化―――第三のビール、ガラケー、軽自動車

2013-12-13 16:56:49 | 日記

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日本の産業では奇妙なことが起こっているように見えます。日本製品のガラパゴス化ともいえる現象です。

進化論を唱えたダーウィンは、ガラパゴス島の動植物を研究して、この島は世界から離れて独自の進化を遂げたために、この島にしかいない生物が多いことを発見しました。

日本の産業にも同じことが起こっているという人がいます。携帯電話、第三のビール、軽自動車―――ビールより安い、普通乗用車より安い製品です。どれも日本で開発されてきましたが、外国では売れないというのです。ビールはドイツの「ビール純粋令」によると麦芽・水・ホップのみを原料とすると決められています。ここでは「第三のビール」は売れないでしょう。もともと日本の酒税法に合わせてビールより酒税が安い酒を作ったのですから、そんな法律がない国では売れるはずがありません。

もともと日本の工業力がないわけではありません。自動車も、電気製品も日本で成功した製品を輸出して売ってきたのです。どこの国でも自国で成功した製品を売っているのです。日本でも成功したiPhoneやiPadにしてもアメリカで成功した製品、技術を売り、世界的に成功してきました。

こんなことが出来なくなったのは何故でしょうか。財界が言うように規制が厳しいからでしょうか。規制緩和をすれば、世界に通用する製品が出来るのでしょうか。日本ではビール、携帯電話、乗用車に対する規制がそんなに厳しいのでしょうか。そうは思えません。

規制のせいでないとすれば何故でしょう。日本では安いものしか売れなくなっているのではないでしょうか。日本中が安売り競争になっている様子を見ると、そう考えてしまいます。

日本では勤労者の賃金が15年間も下がり続け、年収にして平均70万円も減りました。実は非正規労働者が増えたため平均賃金が下がったのです。今年はアベノミクスで景気が良くなったと騒がれていますが、平均賃金はまだ下がっています。

勤労者の収入が減り続けているのでは高いものが売れるわけはありません。安売り競争は続き、産業のガラパゴスは進行するでしょう。日本の技術力を発揮させるためにも、勤労者の収入を増やす、賃金を増やすことが必要でしょう。

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