日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

袴田さんの再審決定―――官憲による「証拠のねつ造」の疑い

2014-03-28 10:13:29 | 日記

新聞やテレビでも大ニュースになっていますが、袴田巌さんの再審が決まり、釈放されました。私はこの事件の名前くらいは知っていましたが、こんなに大きな問題だとは知りませんでした。

事件から47年あまり。人殺しの罪で死刑の判決を受けて、死刑の恐怖におびえながら拘置所の中での生活、考えるだに恐ろしいことです。47年といえば人生の大半を占めます。30歳から78歳までの人生を失ったのです。

静岡地方裁判所の決定は、最大の証拠である着衣を、袴田さんのものでも被害者4人のものでもないと指摘しました。その認定にもとづいて、証拠が後日ねつ造された疑いが強いと指摘しています。官憲による証拠ねつ造という重大な疑いが生じたことになります。

DNA鑑定技術の向上によって再審が決まったといわれています。それも事実でしょう。技術の発達が無実の人を救うために役立ったのは喜ばしいことです。

昨日の決定で一番大事なことは、警察、検察による証拠のねつ造の疑いが強いということです。もし「決定」が言う「ねつ造の疑い」が事実ならば大変なことです。警察か、検察か分かりませんが、いずれにしろ国の機関が、袴田さんを死刑の名のもとに殺そうとしたのです。証拠の見間違いや過失ではありません。故意に人をおとしいれて殺そうとしたことになります。全貌を明らかする必要があるでしょう。それなしにはこの国に安心して暮らすことが出来ないことになります。

地裁は即時釈放という決定をしました。これもまた異例なことだそうですが、「無罪の蓋然性が相当程度あることが明らかになった現在、これ以上拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する状況」と指摘して釈放を決定しました。検察は釈放を止めようとしましたが裁判所はこれを退けたそうです。当然のことでしょう。


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大気汚染による死者、世界で年700万人ーーーWHO発表

2014-03-25 12:53:25 | 日記

医者らしい話題を一つ

世界保健機構(WHO)が今日発表したところによると、2012年に大気汚染のために早死にした人は世界で7百万人に上るそうです。これはいままでの概算の2倍になります。また環境による健康危険因子としては最大のものだということです。大気汚染を減らすことで数百万人の生命が救われることになります。

今回の結果によって、室内と戸外の大気汚染と心血管疾患の間には密接な関係があることが分かりました。疾患名を具体的に挙げると、卒中、虚血性心疾患、がん、呼吸器疾患(呼吸器感染症。慢性閉塞性肺疾患)などの病気です。

今度の結果がこのような大きな値になったのは、一つには大気汚染によっておこる病気に関する知識が広がったことによるものです。しかし、それだけではありません。大気汚染物質の測定技術の発達によるものでもあります。

地域的にみると、東南アジアと西太平洋地域の低所得ないし中所得層が大気汚染の負荷を一番受けています。この地域では室内の大気汚染で330万人、戸外の汚染で260万人が死亡しています。

病気の種類で内訳を見ますと

屋外の大気汚染では、虚血性心疾患と卒中がそれぞれ40%であり、両方を合わせると80%を占めています。それ以外では慢性閉塞性肺疾患(COPD)11%、肺がん6%、小児の下部気道感染症3%となっています。

室内の大気汚染では卒中34%、虚血性心疾患26%、慢性閉塞性肺疾患(COPD)22%、小児の急性下部気道感染症12%、肺がん6%となっています。

屋内の汚染による死者は430万人になると見積もられています。これは室内の調理用に石炭、木、バイオマスなどを使うことによるものだといいます。

屋外の大気汚染による死者は370万人に上るとみられています。

多くの人は屋内と屋外の両方の汚染にさらされているので、双方からの影響を受けます。その結果700万人が死亡したと考えられています。



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政府の「エネルギー基本計画(案)」は、国民の希望とは違う

2014-03-23 17:31:00 | 日記

政府はエネルギー基本計画(案)を決定しました。今後の日本のエネルギーをどうするかという大方針です。それによりますとエネルギーの中心を原子力発電と石炭火力発電をベースロード電源にするというのです。東日本大震災以来国民の間では脱原発の声が高くなっています。世論調査でも、時期はともかくとして、原発を止めようという声が圧倒的に強くなっています。それなのに、今後も原発を中心にするというのです。

この方針でよいのでしょうか。考えててみました。

 原発は本当に安いのか

原子力発電を推進する理由は、第一に「原子力は安い」ということです。政府の計算ではでは、1キロワット当たり8.9円だそうです。その後実は政府は8.9円の後に計算しなおして9.0円という数字を出したはずですが、どこかに消えてしまったようです。もう少し細かく言いますと、8.9円というのは福島原発事故の費用5.8兆円としたときの計算のはずです。しかし事故処理費用は現在までに13兆円になっています。今後も除染や廃炉の費用がかかるのでますます高くなります。それに原発の稼働率を70%として計算してあります。いま原発は動いていないわけですから稼働率はもっと小さくなります。こんなことを考えると、すでに今では1キロワットあたち12円を超えているといわれています。これでは石炭やLNG(液化天然ガス)を超える高価なエネルギーだということになります。

 原発の停止で貿易赤字が増えたというのはほんとうか

政府は、原発が止まったため化石燃料の輸入が増えて貿易赤字が増えたと言っています。細かく調べてみました。たしかに福島原発の事故以来化石燃料の輸入額は増えています。しかし輸入した原油の量は増えていません。金額だけが増えているのです。金額が増えたのは円安の影響で円で計算した価格が上がったためなのです。貿易赤字が増えたのは別の原因によるものです。

外国ではどうでしょうか。ドイツの例を考えてみました。ドイツは原子力発電の比率を段階的にさげ、2013年には15.4%になりました。しかし再生可能エネルギーの普及で電力輸出国になっています。原子力発電を減らしても貿易収支はよくなったのです。日本でも同じことが出来ると考えてよいのではないでしょうか。

 原発は温暖化対策になるか

政府の原発推進の理由の一つは「温暖化防止」だといいます。たしかに原発は二酸化炭素を出しません。しかしこの理由にはからくりがあるのです。実は原発は発電量を思うように調節出来ない発電なのです。言い換えれば、柔軟性に欠ける電源なのです。このため、いままでも、調節しやすい石炭火力発電とセットにして動かしてきました。今回の政府の案でも、今後も原子力と石炭火力発電をセットにしてベースロード電源と位置付けています。温暖化対策として考える場合には、石炭火力発電とセットにして排出する二酸化炭素の量を考える必要があります。こう考えると、原子力発電は温暖化対策にはならないと考えた方がよいでしょう。

 節電はどうなるのか

原発依存から抜け出し、温室効果ガスの削減を進めるためには、再生可能エネルギーの普及とともに大事なのは節電です。

政府のエネルギー計画はこの点でも問題があります。日本のエネルギー消費は1989年以降まったく減っていません。消費を減らすためには、エネルギー消費の大部分を占める企業活動を規制する必要があります。しかし、政府は企業のエネルギー消費を減らすための努力をしていません。政府は1970年代に省エネを達成したので自主的な努力を後押しするだけでいいと言ってます。これでは省エネが進む訳がありません。

いま国民の大多数は「脱原発」を進めるのがよいと考えています。この国民の声に従がうことが政府が取るべき道ではないでしょうか。そうして脱原発を実現するために、風力、太陽光などの「再生可能エネルギー」の利用と、節電を進めることが必要なのではないでしょうか。

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続・従軍「慰安婦」問題ーー共産党志位委員長の「見解」

2014-03-18 09:01:41 | 日記

先日のこのブログに従軍慰安婦に関する志位委員長の「見解」を紹介しました。今日の「しんぶん赤旗」には「見解」を発表した時の記者会見で行われた記者との「一問一答」の内容が紹介されています。今日はその内容を紹介します。

全文をお読みになりたい方は、ここ をクリックしてください。

ここでは私が大事だと思う二つの問答を紹介しておきます。

 ――(問い) 「慰安婦」は「性奴隷」だったというイメージがつくられているのではないか。実際、そうだったのでしょうか。

 志位 私は、日本軍「慰安婦」制度は、むき出しの形での「性奴隷制度」だったと言い切っていいし、そう言い切るべきだと思います。

 「慰安所」における「慰安婦」の生活は、監禁拘束されたもとで性行為を強制される日々でした。そこでは一切の人権も自由も剥奪されています。居住の自由がない。外出の自由もない。廃業の自由もない。相手を拒否する自由もない。そうしたまったく自由がないもとで、軍人に性的奉仕が強要される。これは、むき出しの形での「性奴隷制度」というほかないものです。

 しかも、この「慰安婦」制度の主体は軍でした。「慰安所」には軍直営のものもありました。業者に経営させる軍専用の「慰安所」もありましたが、その場合でも、軍の完全な統制・監督の下に運営されていました。

 日本軍「慰安婦」制度は、軍の統制・監督下の「性奴隷制度」ということでは、「軍性奴隷制度」というべきものであり、「性奴隷制度」のなかでも、最も野蛮でむき出しの形態のものでした。そういうものとして、私たちはきちんと事実に向き合わなければなりません。

これを読んで考えてみました。監禁され、毎日見も知らない軍人に性的奉仕だけをする生活、これは人間の生活と言えるでしょうか。身の毛がよだつような生活です。もし自分の娘がこんな目に会っていたら耐えられないと思いました。こんな目に会ったら一生恨んでも恨みきれないというのが人間の気持ではないでしょうか。

 ――(問い) 中国人「慰安婦」裁判を支援してきた者です。「慰安婦」問題は日本人としての誇りを傷つける、侵略戦争だったことは認めるが、これだけは認めたくないという意見をどう思いますか。

 志位 まず裁判をたたかってこられたことに対し、心から敬意を申し上げたいと思います。裁判の結果、賠償請求は認められませんでしたが、事実認定の点ではたいへん大きな財産を残しました。それは歴史的意義を持つものです。

 「日本人としての誇りが傷つけられる」という意見をどう思うかというご質問ですが、本当の日本国民としての誇りとは何か、を問い返す必要があるだろうと思います。 

 都合の悪い歴史を隠すことこそ、もっとも恥ずかしいことであり、自らの誇りを投げ捨てることになるのではないか。本当に日本という国を愛し、日本の未来に責任を持とうとするならば、歴史の真実にたいして、正面から向き合うことこそ真に勇気ある態度だし、そういう態度をとってこそ、日本国民として、さらに人間として、本当の意味での誇りを持てることになるのではないか。「誇りが傷つけられる」という声にたいしては、そういう問いかけをしていくことが大切ではないでしょうか。 

 日本国民の中では、この問題の真相はよく知られていないと思います。今日お話ししたような、「河野談話」の中身はどういうものか、「談話」はどうやってつくられたのか、この問題にかかわって日本でどういう裁判が行われ、そこでどういう事実認定がされたのかなどについては、ほとんど知られていないと思います。 

 今日発表した私の見解は、もとより日本軍「慰安婦」問題の全体像を明らかにしたものではありません。いま行われている「河野談話」攻撃にかかわって、これに反論するという形で、必要最小限のことを述べたものです。日本軍「慰安婦」問題の全体像については、きわめて深刻で重大な多くの事実が、研究者や関係者のみなさんの努力によって明らかにされています。被害も、もちろん朝鮮半島だけではありません。それは中国、東南アジア諸国、太平洋諸国、ヨーロッパの国、そして日本人の被害者など、たくさんの国の人々が被害者となっている深刻な問題です。その全体像を事実を示して丁寧に伝えていく努力が大切になっていると痛感します。これは日本共産党の責任としてもぜひやっていきたいと決意しています。

私はこの意見に賛成です。世界中の人たちが日本の行った蛮行を知り、反省を迫っているのに「そんなことやってない」と言い逃れをして、認めもしないし、謝りもしないという態度は見苦しいことです。裸の王様そのものです。これでは世界の笑いものになるだけでしょう。

世界からは、日本とドイツの比較がされます。ドイツは 第二次大戦中のナチスの人種差別やホロコーストを認め、いまだにナチスの戦争犯罪を追求し続けています。ホロコーストに加担した者を追求し逮捕しています。またナチスの宣伝をしたり、ホロコーストがなかったなどと宣伝することを国法で禁止しています。このような態度に比べ日本は何という無様な態度でしょうか。すぐにあらためるべきだとおもいます。それが本当の意味で誇りを回復する道だと思います。



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従軍「慰安婦」問題ーー共産党志位委員長の「見解」

2014-03-16 21:35:01 | 日記

日本軍の従軍慰安婦問題をめぐって一部勢力の「河野談話」再検証、見直しの動き、NHK経営委員百田氏の発言などが目立っています。一方、このような動きに対して、韓国をはじめ、アメリカ、ヨーロッパなど世界各国から批判の声があがっています。

このような時期に、共産党の志位委員長がタイムリーな見解を発表しました。

「歴史の偽造は許されない――『河野談話』と日本軍『慰安婦』問題の真実」と題する見解です。

この見解は文字にすると二万字近い長文です。「しんぶん赤旗」約3ページにわたります。しかし事実関係を具体的で簡潔な文章で書いてあるので読みやすいものです。

私に言わせれば、内容は非常に倫理性の高い文章であり、世界からの批判に十分耐えられる、日本人の良心を示す見解だと思います。ぜひご一読なさることを勧めます。 

全文をご覧になるためには  ここ  をクリックして下さい。

同じサイトには志位氏が見解を発表した時の動画を見ることができます。

内容はこれまでのすべての論点に及び、全文は、上記のウェブサイトで直接お読みいただくか、動画を視聴していただくほかありませんが、ここでは私のつたない要約を書いておきましょう。

まず「河野談話」の内容については次の五つの事実について認定したとまとめています。そうして「河野談話」は、① 「慰安所」と「慰安婦」が存在したという事実、② 「慰安所」の設置、管理等に軍が関与した事実、③ 「慰安婦」とされる過程が「本人の意思に反していた」=強制性があったという事実、 ④「慰安所」における強制性=強制使役のもとにおかれていた、という事実、 ⑤日本を別にすれば、多数が日本の植民地の朝鮮半島出身者だった。募集、移送、管理等は「本人の意思に反して行われた」=強制性があった、という事実。―――この五つの事実です。

その上で、「河野談話」否定派は、③の「慰安婦」にされるときの強制性についてこれを否定しようとしていますが、本当に大事なのは④の「慰安所」における強制性、監禁拘束されて日本軍兵士の性的相手をさせられたことにあると述べています。これこそ世界の人たちが「軍性奴隷制」と呼んでいるものです。

次に「河野談話」に対する攻撃は、「河野談話」にいたる経過を無視していると述べていますが、ここでは省略しましょう。本文をお読みください。

志位委員長の見解の次の主題は「日本の司法による事実認定」に移ります。

「見解」では、これまで元「慰安婦」が日本政府を被告として日本の裁判所に損害賠償請求訴訟をおこした10件の判決について検討しています。これらの判決は、どれも損害賠償請求を認めるものとはなりませんでしたが、10件の裁判のうち8件では、「河野談話」が認めたのと同じように、「慰安所」への旧日本軍の関与、「慰安婦」とされる過程における強制性、「慰安所」における強制使役などを全面的に認める認定をしています。

これらの裁判では、一人一人の元「慰安婦」について詳細な事実認定が行われた上でこのような事実認定となりました。

このように「加害国」である日本の裁判所が、このような認定を行ったことは重い意味があります。

こうした判決を考えると「河野談話」の真実性はいよいよ確かなものになったと言えます。

次の論点は、第一次安倍内閣の時代に政府が出した答弁書です。この答弁書は「強制連行を直接示す記述はなかった」とあります。たしかに日本の公文書の中にはなかったといえます。しかし政府が間違いなく知っていたと言える文書があります。一つは戦後現在のインドネシアで行われたBC級戦犯裁判の記録です。ここにはオランダ人女性を強制的に連行して「慰安婦」にしたことが書かれています。

もう一つは東京裁判の裁判文書です。ここにも同様の記述があります。

どちらの裁判の結果も、1952年のサンフランシスコ講和条約で日本が受け入れたものです。

志位氏の「見解」では、「事実と異なり、有害極まる役割を果たしている政府答弁書の撤回を求める」と要求しています

志位「見解」は最後に、日本は「歴史に正面から向き合い、誠実かつ真摯に誤りを認め、未来への教訓とする態度を」取るべきだと結論付けています。

 

 

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