日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

論戦に負けた政府は逃げ切り作戦にかけている――その手にのらないで頑張ろう

2015-06-28 18:36:19 | 政治

国会が95日間という異例の長さの延長になりました。安倍政権は国民が息切れするのを待つ戦術に出ました。あわよくば60日ルールで参議院の審議も省略しようとする算段です。

戦争法案が国会に提出されてから、この法案を正当化しようとする論拠は総崩れになってしまいました。

政府は、武力行使する米軍への「後方支援」は武力行使と一体化しないから合憲だと主張しています。武力行使と一体化すると「武力の行使は・・・永久にこれを放棄する」と明記すした憲法第9条に違反するからです。しかし、政府が「後方支援」と呼ぶものは、国際的な軍事用語に当てはめると「兵站」と呼ばれるもので、武力行使と一体のものです。質問に対し「国際法上『一体化論』が通ると言ったことは一回もない」とこたえ、政府の言い分が世界に通用しないことを認めました。

政府はまた、海外派兵された自衛隊による”自己防衛”のための「武器使用」は「武力の行使」ではないから違憲ではないと主張してきました。しかし外務省は「武器の使用」という概念自体が国際法上存在しない――と認めました。武器の使用が違憲ではないという主張が、二つとも言葉の遊びだったのです。

政府が戦争法案を正当化するために持ち出したもう一つの議論が「日本を取り巻く安全保障環境が根本的に変化した。」という主張です。しかし「根本的変化とは何か、何時起きたのか」という質問には、まったく答えられませんでした。

また政府が主張する「存立危機事態」についても、「他国への武力攻撃で『存立危機事態』におちいった国が世界で一つでもあるのか」との質問にも、実例を示すことができませんでした。

すでに国会の論戦では政府はグーの音も出ないほど負けているのです。今回の会期延長は、論戦で負けたものを議会の中の数の力と、逃げ切り作戦で取り返そうとするものです。国民が政府の作戦に乗らずに、大多数の国民が反対の意思を表明すれば必ず安倍首相を止めさせ、戦争法の成立を阻止できると思います。


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戦争立法阻止の希望が見えてきた――もう一頑張りが必要

2015-06-12 15:56:11 | 政治

安倍政権の暴走は目に余るものがある。憲法違反の「戦争立法」をごり押ししています。

しかし、国民はこれを見抜き始めているように見える。どの世論調査を見ても、法案に反対する意見が賛成を上回っている。今国会での成立に反対する声が賛成を上回り、その差も広がりつつあります。先日の衆議院憲法審査会では、参考人として招致された三人全員が、戦争法案は「憲法に違反する」との意見を述べました。与党推薦の参考人を含む三人全員です。劇的な光景でした。

また、報じられるところによると、各地で戦争法案反対の集会や行動が行われています。

一方国会の力関係は圧倒的に自公政権に有利な状況です。戦争法案がどうなるかはまだ予断を持って言うことはできません。しかし、国民の世論が大きく変化して、保守層を含めた幅広い人々が「戦争法案反対」の行動に立ちあがり、安倍政権が追い詰められ、孤立しつつあると思います。

希望が持てる情勢だと思います。もちろん、希望が持てると言っても、放っておいても自然に戦争法案が廃案になると言う訳ではりまあせん。私たちが、戦争法案が危険なものであるということを多くの人に広め、国民の圧倒的多数が反対するような状況を作り上げることが前提になるのではないでしょうか。

私は1960年の安保闘争を思い出します。安保闘争が始まったころ、活動家たちは「安保は重い」と悩んでいました。安保の問題を多数意見にするのは大変だという思いでした。しかし、当時の岸内閣を追い詰め国民の多数を占める大闘争を繰り広げました。連日国会のまわりを30万人を超えるデモ隊が取り囲む状況を作り上げたのでした。その結果安保条約の改定を阻止することこそできませんでしたが、岸内閣を退陣させ、自民党政権がもっていた「逆コース」=軍事大国化の動きに歯止めをかけることができました。そうして国民の中には平和と民主主義を守るための運動の遺産を残しました。

1960年の安保闘争を超える運動を繰り広げることが出来れば、戦争法案を廃案にすることが出来るのではないでしょうか。そのためには私たちのもう一頑張りが必要だと思います。

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原爆被爆70年 NHKの番組を見て

2015-06-05 20:32:01 | 政治

さきほどNHKの番組「特報首都圏70年帰れなかった故郷 密着・被爆者の旅」をみた

被曝後70年、上京以来一度も帰郷したことがない被爆者たちが、広島・ 長崎に旅をする話です。

二人の人に焦点が当てられている。一人は広島出身の男性。広島市内をバスではしる。あまりにも変わり果てた広島の街に故郷を見出すことが出来ない。わずかに「相生橋」を父に背負われて渡ったことを思い出す。被爆直後に路傍に亡くなった女性が子供だけは抱き抱えていたのを思い出す。そうして最後に卒業した小学校にたどりつく。焼け残った後者の壁をいとおしそうになでる姿が印象的だった。そこでなくなった人たちと引き比べ、自分が生き残った意味を悟る。

もう一人は長崎の被爆女性。末の妹を19歳で亡くした。昭和30年代のことのようだ。妹は原爆との関係を知るため長崎大学で解剖された。そうして晴れ着を着て送られた。番組のヒロインでもある姉は妹の死に納得がいかなかった。解剖の結果を知りたい。長崎大学に行き解剖所見の説明を受ける。やはり原爆の放射線と関係がある病気だった。姉は妹の死の真相をしる。


私は長崎市の出身だ。原爆で祖母と兄を失った。私はまた満洲(中国東北部)からの引き揚げ者だ。

祖母と兄は自宅の敷地の中で真っ黒な遺骸になっていた。もちろん遺骸が誰のものか識別することはできない。見つかった場所から親戚の者が祖母と兄と断定して葬ったという。

太平洋戦争の敗戦後私たちは中国から帰国した。中学校時代、級友が出席しない日があった。彼は「ABCCに行った」と知らされた。ABCCとはアメリカ占領軍の原爆傷害調査委員会のことだ。アメリカが原爆の影響を調査するための機関だ。もっとはっきり言えば、原爆の効果を調査するための機関だ。どのような調査を受けたか、当時は聞かなかったが、完全なモルモット扱いであったということだ。

番組を見て様々なことが頭をよぎった。


この番組は今日の7:30-8:00という30分だった。これだけの素材をもちながらたった30分。何十人もの人が参加した旅行でたった二人を取り上げ、その二人についても、圧縮してつたえる。あまりにももったいないのではないか。本来なら2時間番組で三日、四日と放映すべき内容ではないのか。

残念でなりません。

なおこの番組はNHKオンデマンドで見ることが出来るそうです。

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