日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

マスコミ各社トップが首相と会食ーーーメディアの独立は大丈夫か

2013-03-31 19:03:01 | 日記

3月31日付の「しんぶん赤旗」に「大手5紙・在京TVトップ 首相と会食」という記事が載っている。
首相の動静は公表されており、多くの新聞に載っている。したがってどの新聞でも簡単に書ける記事です。しかし、標題からわかるように他の新聞が記事にすることはないだろう。

記事によると安倍首相と新聞トップとの「宴会」は1月7日の読売会長の渡辺恒雄会長に始まり、1月8日産経新聞清原会長、熊坂社長、2月7日朝日新聞木村社長、2月15日共同通信石川社長、3月8日日経新聞喜多社長、3月15日フジサンケイグループ日枝会長、3月22日テレビ朝日早河社長、3月28日毎日の朝比奈社長です。いずれも都内の高級料理店で、ほぼ2時間を超える長時間の会食だったということです。 政治権力者とマスコミ社長のこのような会食は政治記者に無言の圧力を加えることになるでしょう。

新聞倫理綱領には、国民の知る権利は「あらゆる権力から独立したメディアの存在」によって保障されると明記されています。このような親密な関係は避ける必要があるのではないでしょうか。

今後の憲法問題、TPP問題への影響を怖れます。

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自民党の憲法改定案  (1) 9条(戦争放棄)はどうなるか

2013-03-29 10:37:04 | 日記

 

自由民主党は昨年日本国憲法の改定案を作りました。その内容はあまり知られていないので紹介しましょう。

憲法問題に少しでも関心がある方がよくご存じのようにその中心は9条です。9条は日本が誇るべき戦争放棄の条文です。改定案を読んでみてビックリしましたが、予想したよりもひどいものです。9条2項が全面的に削除されます。今の憲法の9条2項には何が書いてあったのでしょうか。振り返ってみましょう。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」とありました。
「軍隊を持たない」「戦争をしない」と明快でした。その後自民党政府は自衛隊を作りイラクやインド洋に派遣しました。しかし、「海外で武力行使はしない」「集団的自衛権を行使しない。すなわち、たとえ同盟国アメリカが戦争しても戦闘には参加しない」という点だけは守られてきました。自民党の改憲案では、9条2項のしばりがなくなって、世界中のどこにいっても戦争ができるようになります。
自民党の改定案では、9条2項を削った後に「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」という文章が入っています。これは自衛のための戦争ならやってよいということを強調するための条文です。今の憲法とは正反対の条文です。
 

9条の二(9条2項ではない)には(国防軍)という標題が付いており、国防軍に関する規定が並んでいます。国防軍の目的としては、「国の平和と独立」「国民の安全」、「国際協調活動」などというもっともらしい言葉が並んでいます。

むずかしい法律用語を取り払って、今まで現実に起こったことを考えあわせてみました。上に書いたように、イラク戦争の時を思い出してみましょう。自衛隊はイラクまで行きましたが、おもてむき戦闘には参加できませんでした。憲法9条が障碍になったのです。自民党改定案ではどうでしょうか。海外で戦争に参加することを禁じる規定は何もありません。だから戦闘に参加することができることになります。イラクだろうが、アフガニスタンだろうが、政府が参戦しようと思えば出来ることになります。国連の承認を得た戦争だけでなく、アメリカが単独で起こす戦争でも参加できることになります。

国防軍の創設にはもう一つ問題があります。改定案では軍事上の秘密保護を、憲法に明記しています。また軍人や軍に属する公務員の犯罪を裁くために軍法会議の設置を規定しています。軍法会議は軍人の規律を維持するための特別の裁判所ですが、軍人以外の公務員や一般国民も「機密漏洩をそそのかした」といって対象にされる可能性があります。また軍法会議とともに、「捜査」する軍の警察、すなわち「憲兵」も復活するでしょう。太平洋戦争下の悪夢の再現も決して思いすごしではないと思われます。

今日は9条「戦争放棄」に関する改定案について紹介しました。こんご私の勉強が進んだら、他の部分についてもご紹介しましょう。

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福島原発の停電

2013-03-21 09:00:00 | 日記

福島第一原子力発電所がちょっとした騒ぎを起こしました。
先日来停電を起こしました。使用済み核燃料の冷却は20日未明やっと復旧したそうです。 

それにしても薄気味の悪いニュースでした。

  • 2年前の事故以来、燃料の冷却が重要だと言われ続けたにもかかわらず、停電で簡単に冷却ポンプが止まってしまったこと
     
  • 外の電源から冷却ポンプに至る配電盤が「仮設」だったこと。2年間も「仮設」ですか。さらに故障時のバックアップがないこと。驚きです。たしか東京電力というのは発電、送電の日本一のプロだと思っていたのにビックリしました。
     
  • 停電発生以来24時間以上たっているのに、いまだに「原因不明」と言っていることにも驚きました。
     
  • 停電発生から3時間以上たってやっと事故の発生が発表されたこと。

 


こんなことでは、小さな停電が大きな事故に発展しかねないと心配になります。

 

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イギリスの生活保護と医療

2013-03-20 10:02:27 | 日記

先日のおおかわさんのコメントを参考に雑誌POSSE17号を読みました。唐鎌直義氏の「なぜイギリスでは公的扶助が受けやすいのか――月額8万円で『絶対に漏れを出さない仕組みとは?』」です。以下はその概要と感想です。

 

まず日本とイギリスと日本の捕捉率です。捕捉率といっても何のことかわかりませんが、生活に困っている人のうち生活保護をもらっている人の割合です。「そんなの決まっているじゃないか。全員だろ」と考えてしまいますが、違うんです。唐鎌氏の計算によると全国平均で10.5%だということです。他の人の計算もあるどうですが大体10-15%だということです。なんと8-9割が受給していないのです。「本当かな」と考える方もいらっしゃるかも知れませんが、私の実感ではあっているように思えます。

イギリスの場合には80-90%だということです。「絶対に漏れを出してはいけない」という考えだということです。

日本では生活保護費が年間3兆7000億円かかると言って騒いでいます。しかしそのうち52%が医療扶助費です。生活扶助費は33%1兆2000億円です。残り15%へ住宅、教育、出産、生業、葬祭扶助の費用です。

イギリスでは総額約2兆円(人口6300万人)ですが、すべてが日本の生活扶助に相当するものです。「 他の扶助はいらないのか」と考えますが、イギリスではすべての国民に対して医療費は原則無料です。教育も無料です。低所得者に対しては家賃の8-9割が支給されるので生活保護受給者に対してだけ住宅補助を出す必要はありません。所得援助の受給者には全額支給されます。また持ち家がある人には固定資産税が減免されています。ですから家賃を払ったり、固定資産税を納めている人は国民の6割程度です。

日本の生活保護費が3兆円になりたいへんだと言われていますがイギリスは日本の半分の人口で2兆円です。その上医療費、教育費などは別です。日本が多いなどとは言えないでしょう。
それに、生活に困っている人は全員補助するという考え方は素晴らしいと思います。 

 

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TPP交渉参加表明  功罪を引き算で正当化することはできない

2013-03-16 09:00:00 | 日記

とうとうTPP交渉への参加を決めたようだ。十分予想されていたことというより、確定と受け取っていたことだが、決まってみるとやはり不愉快だ。あらためてどう対応するかを考える。

参加表明と同時に発表された、経済的波及効果のシミュレーション、おかしくないだろうか。いや、細かい数字のことではない。「輸出産業でGDPが何兆円増える 」「農業で何兆円減る」「差し引きで何兆円の増加がある」―――という考え方だ。


輸出産業、主に自動車と電機産業だろうが、この分野で生産が上がる。それはそれで悪くはないだろう。

一方、米をはじめ多くの農作物が、アメリカ、オーストラリアなどの安い輸入品に太刀打ちできなくなるだろう。実際に壊滅的打撃を受けることは前に出された政府の予想でも明らかだ。

その結果日本人の食べ物は外国に依存することになる。でも未来何十年、何百年にわたってアメリカが、オーストラリアが食料を供給してくれるだろうか。相手の国の気候が悪くなったら穀物の価格は跳ね上がるだろう。そればかりか輸出しなくなるかもしれない。国際紛争があり、輸送ルートが確保できなくなったり、価格が上がったりするかもしれない。食料供給を外国に依存するとこのような危険を背負い込まなければならないだろう。

国土はどうだろう。日本の環境、生態系は、田畑の存在によって保たれていると言われている。農業が崩壊するとこの環境も大きく変化するだろう。

それよりも農家の人々はどうなるのだろう。TPPに参加し、生活が成り立たなくなった時、どうやって暮らすのだろう。日本の生産構造が大きく変化したとき、衰退産業に従事した人たちがどうなるか。50年前に先例がある。石炭産業だ。太平洋戦争後の復興を支えてきた石炭産業は国の政策によって捨て去られた。その結果炭鉱地帯の人々がどのような生活に陥ったか忘れてはならないだろう。

このような結果を予想するとき、輸出産業でGDPがどのように増えても国民の食の安心、安全を補うことはできないし、国土の荒廃を補うこともできない。もちろん農家の人たちの苦しみを救うこともできない。

TPPの結果を引き算で正当化することなどできるはずがない。一部の輸出産業の利益と、国民の安全、国土の保全、農家の生活を引き算することはできない。

質の違うものを引き算することができないのは当然です。 


 

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