日々雑記

政治、経済、社会、福祉、芸術など世の中の動きを追い、感想を述べたい

発達障害の原因を親の育て方にもとめる「親学」で父母を苦しめる小池百合子氏の考え方―――いくら女性でも母と子の幸せを願っているとは思えません

2016-07-30 15:40:21 | 政治

 親ならば誰しも子供の健康を願うものです。まして自分の子供が長い一生を障害者として暮らすことほどつらいことはあリません。私も医者としてこのようなつらい立場に立って悲しむお母さんの姿を何度となく見てきました。

こんなつらい時に、さらにひどい言葉を投げて親を悲しませる人がいます。「あなたのお子さんが障害を負ったのは、お母さん、あなたの育て方のせいです」という人たちです。

 今都知事候補として立候補している小池百合子氏もそうです。 “初の女性都知事に”と売り込む小池百合子氏ですが、自身の公式サイトで、家庭教育支援議員連盟(通称=「親学」推進議連)の勉強会に参加していたこと(現在は削除)を明らかにしています。

 「親学」とは、今回の都知事選で小池候補を支持し、日本の過去の侵略戦争を美化する改憲勢力の「新しい歴史教科書をつくる会」の元副会長の高橋史朗明星大学教授が提唱してきたもので、親の育て方と子どもの発達障害を結びつける特異な議論を展開しています。同議連は2012年4月に安倍晋三会長(現首相)、下村博文事務局長(元文科相)という体制で発足し、「親学」にもとづいた子育て観を推進するための法律をつくろうと活動。同年5月には、大阪維新の会がこの考えを「家庭教育支援条例案」に盛り込み、大阪市議会に提案しようとして、「発達障害は親のせいだというのか」との批判が上がり、撤回せざるをえなくなりました。

 このような医学的にも根拠のない主張から障害者の父母の悲しみをさらに深めるような主張を許すことはできません。まして東京都政に持ち込むのは大変危険なことです。

 小池氏は、保育所への子どもの詰め込みによる待機児「解消策」を示して、批判を浴びています。“女性”を売りにしていても、その主張が多くの親の願いと合致しているとは限りません。

 
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自民党「偏向教師密告」サイトの波紋 「まるで戦前の思想統制」(毎日新聞7月28日夕刊から)

2016-07-28 21:09:29 | 政治

毎日新聞7月28日夕刊の記事を紹介します。内容自体は、ネット上で有名になった自民党の「調査」サイトを取り上げていますが、日本の民主主義を考えるうえで非常に重要な問題なのであえてここに紹介します。


 

自民党がホームページ上で呼びかけていた「調査」のサイト。最初は「子供たちを戦場に送るな」を「政治的中立を逸脱した例」として紹介していたが、後に削除した

 心配である。参院選で大勝し、かつてない巨大権力を手に入れた自民党が、だ。これまでも強引な政治手法は批判されてきたが、さらに党のホームページ(HP)上で「政治的中立を逸脱した学校の先生がいたら名前などを教えて」という趣旨の「調査」に乗り出し、「まるで戦前」と波紋を広げているのだ。歴史をひもときながら取材すると、「中立」とは言い難い、彼らの本音も浮かび上がる……。【吉井理記】


長野県「教員赤化事件」そっくり? 自民こそ「政治的中立」を逸脱

 おさらいしよう。「調査」は、党文部科学部会(部会長・木原稔衆院議員)が実施した。18歳選挙権のスタートに伴い、教育現場で「政治的に中立ではない」と思う教員の指導や授業があれば、HP上の特設サイトから学校・教員名、授業内容などを党に送信する仕組みだ。

 インターネット上で「密告サイト」と呼ばれた「調査」は6月25日に始まり、7月18日に「事例が集まった」として終了。サイトを閉鎖した。党部会で内容を精査し、場合によっては文部科学省に対応を促すという。「調査」サイトは一時、政治的中立の逸脱例として、教師が「子供たちを戦場に送るな」などと主張することを挙げていたが、後にこの文言は削除された。

 経緯は後で木原さんに聞くとして、これでは「教育は不当な支配に服することなく……」と教育基本法16条がうたう教育現場に政党が介入するようで、ブキミではある。教員が「生徒に密告させたいのか」「現場が萎縮する」(10日付本紙朝刊)と困惑するのも確かにうなずけるのだ。

 そういえば、東京都知事選では、自民党都連が党所属の国会・地方議員に「議員の親族が党推薦候補ではない人物を応援すれば議員本人を処分する」との“お触れ”を出したばかり。その自民党が行う「調査」を額面通りに受け取っていいものだろうか。

 「治安維持法下の戦前も、まさに『調査』名目の教員の監視や弾圧があったのですが……」と眉をひそめるのは戦前の教育行政に詳しい小樽商科大教授の荻野富士夫さんだ。1925年施行の治安維持法は「国体変革」などを目的にした運動・団体の摘発が狙いだったが、28年の改正でこれに関わる一切の行為も取り締まりが可能になり、政府批判すら弾圧対象になった。

 「特に31年の満州事変後に弾圧が激化し、ついに起きたのが『長野県2・4教員赤化事件』です」と荻野さん。33年2月4日から半年あまりで138人の小学校教員が「赤化(共産主義化)した」との理由で検挙された事件だ。「この時、文部省や長野県学務当局は『調査』名目で児童らが書いた作文やノート、答案を調べあげて弾圧を進め、教員の『矯正教育』も実施したのです」

 ところが実態は「赤化」とはほど遠かった。「長野は生糸の生産が盛んでしたが、昭和恐慌で不況にあえいでいた。生糸農家の子も多く、教師が不況の構造を教えたり、家の生活状況を考えさせたり。その程度だったのです」

 だが、同様の「調査」や教員弾圧は全国に広がり、やがて政府・軍部の意に沿わない憲法解釈を唱えた美濃部達吉ら憲法学者に波及する。「戦争遂行のため、政府に異を唱える国民を育てたくないとの思惑が背景にあったのでしょう。政府が教育を監視・統制したがるのは、今も昔も同じです」と荻野さん。

 教育界などから政府批判の声が消えたこの国が、その後どうなったかは言うまでもないだろう。今回の「調査」をしたのは政府ではないが、自民党は与党なのだ。

 「だから教員が『萎縮しない』と考えるほうがおかしい。今ですら教育現場では、憲法を教え、平和という言葉を使うことを『政治的』と誤解し、避ける風潮が生じているんです」と憤るのは、日本弁護士連合会憲法問題対策本部の副本部長で教育関連法にも詳しい伊藤真弁護士だ。

 「誤解の最たるものが特定政党の政策、例えば安保関連法や憲法改正を批判的に検討することを『偏向教育』と捉えること。批評は認められています」と伊藤さん。教育基本法は「学校は、特定政党を支持・反対するための政治教育や政治的活動をしてはならない」と定めているが、同法制定時(47年)の国会で、政府は「(一党一派の支持・排斥が目的でなければ)ある党派の政策を批判することは差し支えない。自由な批判検討は許されるべきだ」との見解を示し、2006年の同法改正後も文科省はこれを踏襲している。

 伊藤さんは「一つの考えや、特定政党の支持・反対の押し付けはいけませんが……」と前置きして続けた。

 「民主社会の主権者に最も必要なのは、自分たちが選んだ代表者(権力)に迎合せず、監視し続けて批判できる能力であり、これを身につけさせるのが教育現場の務めです。教育基本法の前文には『日本国憲法の精神にのっとり、教育の基本を確立する』とある。先生は萎縮せず、生徒が批判的に政策を見る目を養い、憲法の精神を考えさせる授業をどんどんやっていい」

 さて、木原さんに「調査」の真意を聞こう。「18歳以上に選挙権年齢を引き下げたのは政治です。だから今回の参院選で学校に混乱がないか、把握する責任が政治にある。他の意図はないし『密告』なんてとんでもない。萎縮というが、萎縮する何かを教育現場はしているのでしょうか」

 「調査」サイトの「文言削除」も「『子供たちを戦場に送るな』なんて当たり前です。でも『子供たちを−−』を安保関連法に結びつけ、『これは戦争法だ』と教えることは偏向だと言いたかった。でも文案を作成した党職員が、この部分を省略して載せてしまった」かららしい。

 しかし、である。木原さんは党文科部会長になる前の14年10月、動画サイトで18歳も参加する憲法改正の国民投票に触れ、こんな本音をのぞかせた発言をしていたのだ。

 「学校教育の中でいかに現行憲法のあり方を理解してもらうか。これは決して護憲という形ではなく、今の憲法がどういう歴史的経緯で成立したか、どうして改正しなければならないか、自主憲法を日本人の手で作り上げねばならないか。これは学校で教えてもらうしかない。これは文部科学省にも指導して、やっていかなければなりません」

 これは政治的中立を逸脱してはいないか。「まあ、そうとも取れますが、これは青年局長の時の発言です。立場が変われば言うことも変わります」との答えであった。

 その木原さんの事務所には「教育勅語」全文を記した額が掲げられていた。教育勅語は「軍人勅諭」とともに48年、衆参両院で排除・失効が決議されている。やはり「まるで戦前」のように感じてしまう。

 伊藤さんがこう指摘した。「批判をされない、あるいは許さない政府や権力は必ず腐敗する。『国益』『愛国心』『誇り』と言い募る人ほど、教育現場を含め、自分たちの政策への批判を受け入れ、多様な見解を尊重する態度が求められている。そうでないと国は滅ぶ。70年余り前に私たちはそれを学んだではありませんか」

 閉鎖された「調査」サイトにはこんな一文があった。「特定のイデオロギーに染まった結論が導き出されることをわが党は危惧しております」。そう主張する今の自民党の姿勢にこそ、多くの人が危惧を覚えているのだ。

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『週刊新潮』を刑事告訴へ 鳥越氏弁護団 選挙妨害と名誉毀損で・・・・・・卑劣な選挙妨害

2016-07-28 19:53:36 | 政治
 鳥越俊太郎東京都知事候補の弁護団は27日、週刊誌『週刊新潮』(28日発売予定)が同氏をめぐり「証言記録」との見出しで記事を掲載することについて、抗議文書を新潮側に送付し、東京地検に対して選挙妨害と名誉毀損(きそん)罪で、刑事告訴する準備を進めていると明らかにしました。

 抗議文によると、「13年前の『被害女性』証言記録」の見出しで掲載した記事は、同誌が13年前に記事にすることを断念した取材記録の一部を記事にしただけであり、客観的な証拠が一切示されていないと指摘。

 「事前にFAXによる取材があり、本人に確認の上、弁護団から事実無根であると文書で明確に否定する回答をするとともに、無責任に記事化すれば選挙妨害になると強く警告した」としています。

 「こうした手法で有権者に意図的に誤った印象を与えようとする行為は、明確な選挙妨害」だと抗議。記事について、虚偽事項の記載や事実の歪曲(わいきょく)を禁じた公職選挙法148条1項に違反するだけでなく、刑法230条1項の名誉毀損罪を構成するものだと警告しました。

 弁護団は、「本件に対する問い合わせなどの一切は、弁護A団が対応する。くれぐれも、鳥越本人の選挙運動に対し、これ以上の妨害とならないよう、求める」としています。


 
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4野党の協力が新しい段階へ  書記局長・幹事長会談で「衆院選でもできる限りの協力」を確認した

2016-07-27 21:25:08 | 政治

 日本共産党、民進党、生活の党、社民党の野党4党は26日、国会内で書記局長・幹事長会談を開き、東京都知事選や今後の野党連携の在り方について議論しました。参院選での野党共闘の成果を互いに共有し、10月の衆院補欠選挙や今後の総選挙で、できる限りの協力をすることを確認しました。

 会談で、民進党の枝野幸男幹事長は「参院選の11の1人区で勝利したことをはじめ、野党連携の成果が出たと考えている。これまで4党で確認したことを大切にしながら、これからも進みたい。今後の国政選挙でも、できる限りの協力をしていきたい」と発言。日本共産党の小池晃書記局長もこれに同意し、「衆院補欠選挙や総選挙でも選挙協力を進めよう」と呼びかけました。

 都知事選については、4党の枠組みにさらに東京・生活者ネットワークも加え、市民とともに鳥越俊太郎候補の勝利のために力を合わせることを確認しました。

 
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東京から250キロ圏内 原発廃炉を 鳥越候補が公約 ―――今でも稼働していないが都民は暮らしていける。動かせばかえってお金がかかる。

2016-07-26 10:04:22 | 政治

 東京都知事選で、野党統一の鳥越俊太郎候補は25日夕、北区王子の北とぴあでの演説会で、東京から250キロ圏内にある原発の停止と廃炉を、電力会社に申し入れることを公約しました。

 鳥越氏は「東京を中心にした250キロ圏というのは福島第1、第2原子力発電所、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所、茨城県の東海第2原子力発電所、静岡県の浜岡原子力発電所。この原子力発電所を全て停止し、廃炉を申し入れることを、電力会社、特に東京都の場合は東京電力に申し入れる」と説明しました。

 鳥越氏は2011年5月以降、東京から250キロ圏内の原発は1基も稼働していないとし、「原発はなくても私たち東京都民は暮らしていける」「廃炉にしなければもっとお金がかかる」などと述べました。

 
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